Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4235

雑歌上 雑歌抄3 筆者不明巻子本コレクション

$
0
0

ふるゆきにいろまどはせる
 うめの
  はな
うぐひすのみや
     わけてしのばむ

おそくとくついにさきぬるうめの花
 たがうへおきし
     たねにか
    あるらむ

もゝしきにかはらぬものは
        うめのはなをりて
           かざせる
            にほひ
           なりけり


新古今和歌集巻第十六 雑歌上
 梅
               菅贈太政大臣
降る雪に色まどはせる梅の花うぐひすのみやわきてしのばむ

 枇杷左大臣の大臣になりて侍りける慶び申すとて
 梅を折りて
               貞信公
遲くとくつひに咲きぬる梅の花たが植ゑ置きし種にかあるらむ

 延長の頃ほひ五位蔵人に侍りけるを離れ侍りて朱
 雀院承平八年また還りなりてあくる年睦月に御遊
 び侍りける日梅の花を折りてよみ侍りける
               源公忠朝臣
百敷にかはらぬものは梅の花折りてかざせる匂いなりけり

読み:
ふるゆきにいろまどわせるうめのはな
うぐひすのみやわけてしのばむ

おそくとくついにさきぬるうめのはな
たがうえおきしたねにかあるらむ

ももしきにかわらぬものはうめのはな
おりてかざせるにおいなりけり

備考
菅贈太政大臣:菅原道真
契沖は、雪=小人、梅=君子、鴬=賢者と見る。

貞信公:藤原忠平
枇杷左大臣:藤原仲平で忠平の同母兄。承平三年(933年)右大臣に任じられ、弟より出世が遅れていた。
大和物語百二十段

承平八年は、延長八年(930年)の間違い。
百敷=禁中



平成28年9月17日 點伍

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4235

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>