$ 0 0 一、懷紙短冊など手跡のあしくて、歌のよきが本なり。共にぐしたるは不及是非。姉小路殿云、定家は性のふとくしんなるによりて、歌の上手なり。小倉の山荘に、百人の人を繪所にかゝせて、さて百首を我が書き給ひしなり。其の頃はいか程も、能書多かるべけれど、不致憑事。大性なり。