(兼盛)
見わたせばひらのたかねにゆき〔ゝえて〕
わかなつむべく野はなりにけ〔り〕
春興
白
花下忘帰因美景樽前勧酔是春風
劉禹錫
野草芳菲紅錦地遊絲繚亂碧羅天
白
歌酒家々花處々莫空管領上陽春
山桃復野桃日曝紅錦之幅門
紀〔齊名〕
柳復岸柳風宛麹塵之絲
続後撰集
麗景殿の女御の歌合に 平兼盛
見渡せば比良の高嶺に雪きえて若菜つむべく野はなりにけり
去年與歌舒大等八人同登科第
今叔会散之意 白居易
花の下に帰るを忘るるは美景に因てなり。樽の前に酔ふを勧るは是春の風
春日書懐 劉禹錫
野草芳菲(ほうひ)たり紅錦(こうきん)の地。遊糸繚乱たり碧羅の天。
送東都留守令狐尚書赴任 白居易
歌酒は家々花は所々。空く上陽の春を管領すること莫れ 暮春遊覧同賦遂 処花皆好詩序 紀斉名 山桃復た野桃日に紅錦幅(はばたり)を曝す。 門柳復た岸柳風麹塵(きくぢん)の糸を宛(わが)ぬ。
野相公
著野展敷紅錦繍當天遊織碧羅〔綾〕 田逹音 林中花錦時開落天外遊絲或有〔無〕 菅三品 笙歌夜月家々思詩酒春風處々情 もゝしきのおほみや人はいとまあれや さくらかざしてけふもくらしつ 赤人 春はなをわれにてしりぬはなざかり 心のどけき人はあらじな 忠岑 春夜 〔白〕 背燭共燐深夜月踏花同〔惜少年春〕 内宴春生 小野篁 野に著て展敷(てんぷ)す紅錦繍(こうきんしゅう)。 天に当て遊織す碧羅〔綾〕(へきらりょう) 島田忠臣 林中の花錦は時に開落す。天外の遊糸は或は有〔無〕 悦者衆 管原文時 笙歌の夜るの月家々の思。詩酒の春風処々。 新古今和歌集巻第二 春歌下 題しらず 山部赤人 ももしきの大宮人はいとまあれ櫻かざして今日もくらしつ よみ:ももしきのおおみやびとはいとまあれさくらかざしてきょうもくらしつ 万葉集巻第十 1883 春雑歌 野に遊ぶ 読人不知 百礒城之 大宮人者 暇有也 梅乎挿頭而 此間集有 拾遺集 平さだふんが家の歌合に 壬生忠岑 春はなほわれにて知りぬ花盛り心のどけき人はあらじな ※忠岑集には、「仲春中宮の御屏風に」とある。公任三十六歌仙。 春夜 春中与盧四周諒華陽観同居 白居易 灯を背ては共に憐む深夜の月。花を踏では同く〔惜む少年の春〕
はるの夜のやみはあやなしむ〔めのはな〕
色こそみえねかやはかくるゝ 躬恒
子日 付若菜 菅 倚松樹以摩腰習風霜之難犯也 和菜羹而啜口期氣味之克調也 尊敬 倚松根摩腰千年之翠満手 折梅花插頭二月之雪落〔衣〕 ねのひする野邊にこまつのなかりせ〔ば〕 ちよのためしになにをひかまし 忠岑 古今和歌集 春の夜むめの花をよめる 凡河内躬恒 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる 雲林院行幸詩序 菅原道真 松樹に倚て腰を摩れば風霜の犯難ことを習ふ也。 菜羹を和めて口に啜めば気味の克く調ふを期す也。 春日野遊序 尊敬上人 松根に倚て腰を摩千年の翠り手に満、 梅花を折て頭に插せば二月の雪〔衣に〕落つ。 拾遺集 題知らず 壬生忠岑 子の日する野辺に小松のなかりせ〔ば〕千代のためしになにをひかまし
歌酒は家々花は所々。空く上陽の春を管領すること莫れ 暮春遊覧同賦遂 処花皆好詩序 紀斉名 山桃復た野桃日に紅錦幅(はばたり)を曝す。 門柳復た岸柳風麹塵(きくぢん)の糸を宛(わが)ぬ。
野相公
著野展敷紅錦繍當天遊織碧羅〔綾〕 田逹音 林中花錦時開落天外遊絲或有〔無〕 菅三品 笙歌夜月家々思詩酒春風處々情 もゝしきのおほみや人はいとまあれや さくらかざしてけふもくらしつ 赤人 春はなをわれにてしりぬはなざかり 心のどけき人はあらじな 忠岑 春夜 〔白〕 背燭共燐深夜月踏花同〔惜少年春〕 内宴春生 小野篁 野に著て展敷(てんぷ)す紅錦繍(こうきんしゅう)。 天に当て遊織す碧羅〔綾〕(へきらりょう) 島田忠臣 林中の花錦は時に開落す。天外の遊糸は或は有〔無〕 悦者衆 管原文時 笙歌の夜るの月家々の思。詩酒の春風処々。 新古今和歌集巻第二 春歌下 題しらず 山部赤人 ももしきの大宮人はいとまあれ櫻かざして今日もくらしつ よみ:ももしきのおおみやびとはいとまあれさくらかざしてきょうもくらしつ 万葉集巻第十 1883 春雑歌 野に遊ぶ 読人不知 百礒城之 大宮人者 暇有也 梅乎挿頭而 此間集有 拾遺集 平さだふんが家の歌合に 壬生忠岑 春はなほわれにて知りぬ花盛り心のどけき人はあらじな ※忠岑集には、「仲春中宮の御屏風に」とある。公任三十六歌仙。 春夜 春中与盧四周諒華陽観同居 白居易 灯を背ては共に憐む深夜の月。花を踏では同く〔惜む少年の春〕
はるの夜のやみはあやなしむ〔めのはな〕
色こそみえねかやはかくるゝ 躬恒
子日 付若菜 菅 倚松樹以摩腰習風霜之難犯也 和菜羹而啜口期氣味之克調也 尊敬 倚松根摩腰千年之翠満手 折梅花插頭二月之雪落〔衣〕 ねのひする野邊にこまつのなかりせ〔ば〕 ちよのためしになにをひかまし 忠岑 古今和歌集 春の夜むめの花をよめる 凡河内躬恒 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる 雲林院行幸詩序 菅原道真 松樹に倚て腰を摩れば風霜の犯難ことを習ふ也。 菜羹を和めて口に啜めば気味の克く調ふを期す也。 春日野遊序 尊敬上人 松根に倚て腰を摩千年の翠り手に満、 梅花を折て頭に插せば二月の雪〔衣に〕落つ。 拾遺集 題知らず 壬生忠岑 子の日する野辺に小松のなかりせ〔ば〕千代のためしになにをひかまし