Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

百人一首拾穂抄 紫式部 蔵書

$
0
0




 

 

 

紫式部 号藤式部 上東門院女房 源氏物語作者

 勧修寺元祖良門の末。中納言兼輔卿曽孫越前守

 為時の女也。母摂津守為信の女也。右衛門佐信孝に

 嫁して大弐三位を生り。河海抄云鷹司殿(御◯

 殿北方從一位倫子左大臣雅信女)の官女なりし。◯◯て上東

 門院に仕云云。紫式部と号する故は、袋草子云、紫式

 部と云二説あり。一つは源氏物語の中に若紫の巻を

 つくる◯称◯故この名を◯たり。一つは一乗院の

 御乳母の子なり。上東門院に奉りしむとてわあかゆり

 のもの也。

 むさしのゝ◯也◯。一説云はじめ藤式部と云其

 名幽玄ならずとて藤の花のゆかりに紫の字

 にあらため◯るゝ云云。河海抄ゝゝ

めぐりあひてみしやそれともわかぬ間に雲隠れにしよはの月哉

新古今雑上。はやくよりわらは友だちに侍りける

人のとし比へて行あひたるがほのかにて七月十日

ころ月にきおひてかへり侍りければ云云

 はやくよりとは昔時よりとの心なり。

このうたは√わするなよほどは雲井になりぬ

ともそらゆく月のめぐりあふまで。この哥

よりいでたる也。詞書にとし比へてゆきあひたる

といへるところこゝろをつくべし。哥のこゝろは久

しくほどへてあひたる人なればいまめぐりあ

ひてみしもそれがあらぬかおもひわかぬ間に

はやたをかへりたるを月の雲がくれたるに

なぞらへいづる也。◯◯きめぐりあひてといふより

かのそらゆく月のめぐりあふまでといつるをう

ふて雲がくれぬる月とよめるなり。御抄云雲

がくれノこと葉"いさゝかはゞかりあるべきこゝろあ

り。たゞしめ◯もあのばくるしからぬに也。

は斟酌あるべきこの◯ひなり。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>