新古今和歌集巻第一 春哥上 はるたつ心をよみ侍りける 七十九首 九条 摂政太政大臣 良經・入道前関白太政大臣二男 母従三位藤季行女 みよし野は山もかすみてしら雪のふりにしさとに春はきにけり 三十三首 春のはじめの哥 太上天皇 高倉院第四皇子 御母七条院 ほの／"＼とはるこそ空にきにけらしあまのかぐ山かすみたなびく 百首哥たてまつりし時春の哥 四十九首 前斎院准三宮 式子内親王 後白河院御子第二皇女 御母儀高倉三位従三位成子 山ふかみ春ともしらぬまつのとにたえ／"＼かゝる雪のたま水 五十首哥たてまつりし時 十九首 宮内卿 右京権大夫師光女 母後白河院女房安藝繪所出羽権守巨勢宗義女 かきくらしなをふるさとの雪の内にあとこそみえね春はきにけり 文明四年十二月廿九日以右奥書之 本（勾當内侍本）聖年二月七日◯冩◯記 猶不◯◯に◯多しい地本か校し 五十歳 正二位行陸奥出羽按察使藤原親長 花押
