のぼるりうしうのがさんに りうそうげん
登柳州蛾山 柳宗元
くはうざんしやうじつごなりひとりのぼりてこゝろいう/\
荒山秋日午獨上意悠悠
いかんぞのぞむきやうをところせいほくこれゆうしう
如何望郷處西北是融州
あきの日ひるのころひとりあれはてたるやまにのぼりてみれ
ばはてしもなきおもひなる。いさやこきやうのかたをみんと
おもへどたしにしきたのかたは一めんにみなゆうしうなり。
柳州蛾山に登る 柳宗元
荒山秋日午なり。
独り上りて意悠々。
如何ぞ郷を望む処。
西北是れ融州。
※柳州 広西壮(チワン)族自治区の柳州市周辺。作者は柳州の刺史に左遷されていた。
※蛾山 峨山、鷲山とも書き、柳州の西にある山。
※荒山 人の登らない山。
※午 正午頃。
※処 する時、すればと言った意味でどこの場所の意味ではない。
※西北 作者の故郷山西省河東の方角と考えられていた。
※融州 同自治区融安で柳州の北にある。故郷の山西省を見ようと思ったが、見えるのはその手前の融州だけで、何千キロも離れた遙に遠い故郷は見えないと嘆いている。
唐詩選画本 巻第五 五言絶句
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