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美濃の家づと 二の巻 冬歌7

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五十首哥奉りし時    雅經

はかなしやさてもいく夜か行水に数かきわぶるをしのひとりね

めでたし。 三四の句、本哥√行水に数かくよりもはか

なきは思はぬ人をおもふ也けり。此下句の意にて、をしの

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ひとりねに、思はぬ人を思ふを、はかなしといへる也。 二の句は、

本哥のごとく、思はぬ人を思ふは、はかなき事なるを、さあ

りても猶いくよか、数かきわぶらんといふ意なり。

百首哥に        式子内親王

さむしろの夜はの衣手さえ/\て初雪白し岡のべの松

下句詞めでたし。 初句猶あるべし。 下句は、あくる

朝に、見わたしたるさまなり。

入道前関白右大臣に侍ける時家の哥合に雪

            寂蓮

ふりそむるけさだに人のまたれつるみ山のさとの雪のゆふ暮

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初句、ふりそめしといはんかたまさるべし。 またれつるは、

さびしさに、人のまたれたる也。 まして降つもりたる夕

暮なれば、いよ/\さびしさに、またるゝ意あらは也。

古き抄に、ふりそむるを、初雪とし、結句をば、後の事として、

ふりそめたる日の夕暮にはあらずといへる葉、いみしきひがご

となり。けさとは、今日の朝をこそいへ。

雪のあした後徳大寺左大臣の許につかはしける

            俊成卿

けふはもし君もやとふとながむればまだ跡もなき庭の白雪

かへし         後徳大寺左大臣

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今ぞきくこゝろは跡もなかりけり雪かきわけて思ひやれども

我は、そなたの庭の雪を、せちに思ひやれば、さだめてその

わが心の跡のつきたらんと思ふに、まだ跡もなしとは、今

こそうけ給はりつれ、さては心の跡は、つかぬ物にて侍り

けるよとなり。

百首哥奉りし時     定家朝臣

駒とめて袖打はらふ跡もなしさのゝわたりの雪の夕暮

いとめでたし。 万葉三に√くるしくもふりくる雨はみわ

が崎さのゝわたりに家もあらなくに。といふをとりて、その

くるしくもふりくるといへると、家もあらなくにといへるとを、袖

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うちはらふかげもなしとよみなされたる、一きはつよく、意

もせち也。其うへ夕暮とあれば、まして宿かるべき家の

なき意、詞の外にあり。 近き比、万葉風をのみ、ひたす

らたふとむ輩の、後の哥をば、しひていひおとさむと

て、此哥のこととかく論じたることあれど、かたおちのし

ひごとなり。袖うちはらふ陰もなしといへるに、くるしき心も、

家のなき心も、あくまでそなはりて、いと/\哀なる物をや

 

※くるしくも 万葉集巻第三 長奥麻呂 265
苦毛 零来雨可 神之崎 狭野乃渡尓 家裳不有国


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