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昔孝標
三千仙人誰得聴含元殿角管弦聲
都良香
鶏人暁唱聲驚明王之眠鳧
鐘夜鳴響徹暗天之聴
朝候日高冠額抜夜行沙厚履聲忙
みかきもりゑじのたく火にあらねども
われもこゝろのうちにこそたけ 中務
こゝにだにひかりさやけきあきの月
雲のうへこそおもひやらるれ 藤原經臣
古京
及第日報破東平 章孝標
三千の仙人、誰か聴ことを得ん。含元殿の角の管弦の声
漏刻作 都良香
鶏人、暁唱ふ。声、明王の眠を驚かす。
鳧鐘、夜る鳴る。響き暗天の聴に徹ふ。
聯句 都良香
朝候、日高げて冠の額ひ抜たり。夜行、沙厚履の声忙し。
(中務)
御垣もり衛士のたく火にあらねども我も心のうちにこそたけ
拾遺集巻第三 秋歌
延喜御時、八月十五夜、蔵人所のをのことも月の宴し侍りけるに
藤原経臣
ここにだに光さやけき秋の月雲のうへこそ思ひやらるれ
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菅三品
緑草如今麋鹿苑紅花定昔管弦家
いそのかみふるきみやこをきてみれば
むかしかざしゝはなさきにけり
故宮 付故宅
公乗億
陰森古柳疎槐春無春色獲
落危牖壊宇秌有秋聲
白
䑓傾滑石猶残砌簾改真珠不満鉤
強呉滅兮有荊棘姑蘇臺露瀼〃
過平城古京 菅原文時
緑草は如今(いま)麋鹿の苑の紅花は定て昔の管弦の家ならん。
新古今和歌集巻第一 春歌上
題しらず よみ人知らず
いそのかみ古き都を來て見れば昔かざしし花咲きにけり
よみ:いそのかみふるきみやこをきてみればむかしかざししはなさきにけり 定隆 隠
意味:(いそのかみ)古き都に来てみると、昔、大宮人がかざしにしたであろう桜花が今も当時と変わらず咲いているよ。
備考:いそのかみは、奈良県天理市布留にある石上神宮一帯の事で、古るに掛かる枕詞。西本願寺本中務集に、「村上の先帝の屏風に国々の所々の名を書かせ給へる いそのかみ いそのかみ古るきわたりに来てみれば〜」とある。清正集にもある。
連昌宮賦 公乗億
陰森たる古柳疎槐、春にして春の色無し。
獲落たる危牖壊宇の、秋にして秋の声有り。
題于家公主旧宅 白居易
台は傾て滑石猶砌に残れり。簾改て真珠鉤に満たず。
河原院賦 源順
強呉滅びて(兮)荊棘有り。姑蘇台の露瀼瀼たり。
(暴秦衰て虎狼無し。漢陽宮の煙片片たり。)