$ 0 0 春の日 曙見んと、人々の戸扣きあひて、 熱田のかたにゆきぬ。渡し舟さはがし くなりゆく比、并松のかたも見てわたりて、 いとのどかなり。重五が枝折をける 竹墙ほどちかさにたちより、けさ の気しきをおもひ出侍る。