よみ すみにごり付
くせ入 伊勢物語 上
大意
一此物語たいごうに種々の説有。 男女の物がたりと云々。伊勢の 二字を男女とよむゆへなり。 一なりひらかりのつかひに伊勢に くだりてさいくうにあひ奉りしを ふしぎとする間だいごうとする也。 一なりひらみづから書作なる事う たがひなら其ゆへはわが身の事 をへりくだりてかたはおきなと いひかたの事はしらざりければ などゝひげのことばあり。 一此物語にはなりひら一代の間を書也。 このゆへにげんぶくの始より終焉の 夕べまでの事をのせきのふけふとは おもはさりしにといふうたにてかき とゞめたり。 一なりひらはへいぜい天わうの御孫にて あほうしん王の五なん也。人皇五十三 代じゆんわ天皇天長二年四月朔日 ならの京にてむまれり。 一げんぶくは五十四代にんみやうてんわう
※下線部分は欠損に付、相愛大学図書館蔵を参照した。
読癖伊勢物語の上巻
相愛大学図書館 春曙文庫 天明七年本 国文研鉄心斎 98−447 よみくせ入伊勢物語 元禄八年本 早稲田大学図書館 伊勢ものがたりよみくせ 刊行年不明
初冠
芥川
八橋