宋之問
年々歳々花相似歳々年々人不同
後江相公
生者必衰釋尊未免栴檀之煙
楽尽哀来天人猶逢五衰之日
義孝少將
朝有紅顔誇世路暮為白骨朽郊原
後江相公
雖観秋月波中影未遁春花夢裏名
よの中をなにゝたとへむあさぼらけ
こぎゆくふねのあとのしらなみ 満誓法師
世中はゆめかうつゝかうつゝとも
ゆめともみえずありてなければ
有所思 宋之問 年々歳々花相似たり。歳々年々人同からず。 願文 大江朝綱 生ふる者のは必衰す。釋尊未だ栴檀の煙を免れ玉はず。 楽に尽き哀み来る。天人猶五衰の日に逢り。 中陰願文 藤原義孝 朝には紅顔有て世路に誇れども、暮には白骨と為て郊原に朽ぬ。 無常 大江朝綱 秋の月の波の中の影観ずと雖、春花の夢の裏名に未だ遁れず。 拾遺集哀傷歌 題知らず 沙弥満誓 世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く舟の跡の白波 古今集雑歌下 題知らず よみ人知らず 世の中は夢かうつつかうつつとも夢とも見えずありてなければ
手にむすぶ水にやどれる月かげの あるかなきかの世にこそありけれ 貫之 すゑのつゆもとのしづくやよの中の をくれさきだつためしなるらん 良僧正 白 謝観 泰皇驚歎燕丹之去日烏頭漢帝 傷嗟蘇武之歸時鶴髪 順 銀河澄朗素秋天又見林園白露圓 同 毛寶龜歸寒浪底王弘使立晩花前 拾遺集哀傷歌 世の中心細く覚えて常ならぬ心地し侍れ ば公忠朝臣の許によみてつかはしける。 この間病重くなりにけり 紀貫之 手に結ぶ水にやどれる月影のあるかなきかの世にこそありけれ 新古今和歌集巻第八 哀傷歌 題知らず 遍照 末の露もとの雫や世の中のおくれさきだつためしなるらむ よみ:すえのつゆもとのしずくやよのなかのおくれさきだつためしなるらむ 有定隆雅 隠 意味:葉の末につく露も葉の元に溜まる雫は、遅れて消える先に消える違いはあっても共に滅びてしまうという世の中の実例なんだろう。 備考:和漢朗詠集、公任三十六人撰。 白賦 謝観 泰皇の驚歎は燕丹が去しとる日烏の頭ら。 漢帝傷嗟す蘇武が帰りし時の鶴の髪。 白詩 源順 銀河澄朗(ちようらう)たり素秋の天、 また林園に白露の円(まどか)なるを見る。 毛宝が亀は寒浪の底に帰り、 王弘が使、晩花前に立てり。
有所思 宋之問 年々歳々花相似たり。歳々年々人同からず。 願文 大江朝綱 生ふる者のは必衰す。釋尊未だ栴檀の煙を免れ玉はず。 楽に尽き哀み来る。天人猶五衰の日に逢り。 中陰願文 藤原義孝 朝には紅顔有て世路に誇れども、暮には白骨と為て郊原に朽ぬ。 無常 大江朝綱 秋の月の波の中の影観ずと雖、春花の夢の裏名に未だ遁れず。 拾遺集哀傷歌 題知らず 沙弥満誓 世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く舟の跡の白波 古今集雑歌下 題知らず よみ人知らず 世の中は夢かうつつかうつつとも夢とも見えずありてなければ
手にむすぶ水にやどれる月かげの あるかなきかの世にこそありけれ 貫之 すゑのつゆもとのしづくやよの中の をくれさきだつためしなるらん 良僧正 白 謝観 泰皇驚歎燕丹之去日烏頭漢帝 傷嗟蘇武之歸時鶴髪 順 銀河澄朗素秋天又見林園白露圓 同 毛寶龜歸寒浪底王弘使立晩花前 拾遺集哀傷歌 世の中心細く覚えて常ならぬ心地し侍れ ば公忠朝臣の許によみてつかはしける。 この間病重くなりにけり 紀貫之 手に結ぶ水にやどれる月影のあるかなきかの世にこそありけれ 新古今和歌集巻第八 哀傷歌 題知らず 遍照 末の露もとの雫や世の中のおくれさきだつためしなるらむ よみ:すえのつゆもとのしずくやよのなかのおくれさきだつためしなるらむ 有定隆雅 隠 意味:葉の末につく露も葉の元に溜まる雫は、遅れて消える先に消える違いはあっても共に滅びてしまうという世の中の実例なんだろう。 備考:和漢朗詠集、公任三十六人撰。 白賦 謝観 泰皇の驚歎は燕丹が去しとる日烏の頭ら。 漢帝傷嗟す蘇武が帰りし時の鶴の髪。 白詩 源順 銀河澄朗(ちようらう)たり素秋の天、 また林園に白露の円(まどか)なるを見る。 毛宝が亀は寒浪の底に帰り、 王弘が使、晩花前に立てり。