和漢朗詠集 無常 含哀傷歌 元禄五年版
宋之問 年々歳々花相似歳々年々人不同 後江相公 生者必衰釋尊未免栴檀之煙 楽尽哀来天人猶逢五衰之日 義孝少將 朝有紅顔誇世路暮為白骨朽郊原 後江相公 雖観秋月波中影未遁春花夢裏名 よの中をなにゝたとへむあさぼらけ こぎゆくふねのあとのしらなみ 満誓法師...
View Article読癖入清濁付伊勢物語 四十段〜四十三段 蔵書
九段 八橋 天知書色紙 四十昔、わかき男、げしうはあらぬ女を思ひけり。さがしらするおや有てお ほかもひもぞつくとて、此女を外へをひやらんとす。さこそいへ、まだおひやらず人の子 なれば、まだ心いきほひなかりければ、とゞむるいきほひなし。女もいやしければ、す ちから...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 雛遊び 蔵書
「男君は、朝拝に参り給ふとて、さし覗き給へり。『今日よりは、大人しくなり給へりや』とて、打笑み給へる。いとめでたう愛嬌つき給へり。いつしか雛をし据へて、そそきゐ給へり。三尺の御厨子一具に、品々しつらひ据へて、又小さき屋共、作り集めて、奉り給へるを、所せきまで遊び広げ給へり。」 兵部 源心もほす。くれぬれば、みすのうちに入給をうらやまし...
View Article読癖入清濁付伊勢物語 四十四段〜四十八段 蔵書
四十五段 ゆく蛍 奈良絵 むま四十四昔、あがたへ行人に、馬のはなむけせんとて、よひて、うとき人にしあらざりけれ いへ さかつき うたよんば、家とうじ盃させて、女のさうぞくかづけんとす。あるじの男哥讀で物ごしにゆひ 付さす...
View Article恋歌三 小侍従 憂身不知 画家不明女房三十六歌仙絵掛軸コレクション
つらきをも うらみぬ我に ならふなよ うき身を しらぬ 人もこそ あれ 新古今和歌集巻第十三 恋歌三 題知らず 小侍従 つらきをも恨みぬわれに習ふなようき身を知らぬ人もこそあれ よみ:つらきをもうらみぬわれにならうなようきみをしらぬひともこそあれ 撰者無 隠...
View Article田兒之浦從 百人一首注 永青文庫蔵
百人一首注 永青文庫蔵 題しらず 山辺赤人 時代は聖武天皇人丸と同時の人也 官位不詳 新古今田子の浦に打いでゝみれば白妙のふじの高根に雪はふりつゝ...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 葵との夫婦仲 蔵書
京都堀川通 風俗博物館 小納言詞ことしだにすこしおとなびさせたまへ。とをにあま りぬる人は、ひゐなあそびはいみはべるものをかく 御おとこなどまうけたてまつり給ては、あるべか しうしめやかにてこそみえ奉らせ給はめ。御ぐ しまいるほどをだに、ものうくせさせ給など、少な みごんきこゆ。御あそびにのみ心いれ給へれば、はづかし...
View Article田兒之浦從 百人一首幽斎抄 彰考館蔵
百人一首幽斎抄 山辺赤人 父祖不詳。神亀天平之比ノ人也云々。或ハ聖武ノ御時ノ人云々。一説人丸同時ノ人ト云々。 古今ノ序ニ云又山のべのあか人といふ人ありけり。哥にあやしくたへなりけり。人まろはあか人がゝにたゝむことかたく、あか人は人丸がしもにたゝんことかたくなんありけるとあり。哥仙のほどを思べし。 新古田子の浦にうち出てみれば白妙の富士のたかねに雪はふりつゝ万三...
View Article八雲御抄 作法部 序者 蔵書
八雲抄巻第二作法部 一 序者 公宴序は大臣、若大納言、中納言也。参議雖有例猶上卿 之役也。非成業人、於和哥序希代事也。仍一度書たる人は 多不書之。宸宴序は同人不可過、一両度。能々撰人求才 事也。雖公宴密々事などは侍臣なども随便書之。勝 遊の樣によるべき事也。長治元年中宮和哥会、 右兵衛督師頼為序者宗忠記日、如此時序代、儒者、殿上...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 皇子誕生 蔵書
京都堀川通 風俗博物館 左大臣へだてどもなるべし。おとゞも、かくたのもしげなき 御心を、つらしと思ひきこえ給ながら、みたてまつり 給ふときは、うらみもわすれて、かしづきいとなみ 源 左大臣きこえ給ふ。つとめて出給ところに、さしのぞき 左大臣給て、御さうぞくし給ふに、なたかき御おび、てづ...
View Article和漢朗詠集 無常 含哀傷歌 元禄五年版
宋之問 年々歳々花相似歳々年々人不同 後江相公 生者必滅釋尊未免栴檀之煙 楽尽哀来天人猶逢五衰之日 義孝少將 朝有紅顔誇世路暮為白骨朽郊原 後江相公 雖観秋月波中影未遁春花夢裏名 よの中をなにゝたとへむあさぼらけ こぎゆくふねのあとのしらなみ 満誓法師...
View Article忠岑集 西本願寺本三十六家集 蔵書
兵衛佐さだふむがいへのう たあはせに はるたつといふばかりにやみよしのゝ やまもかすみてけさはみゆらん いのちもてはるかひとむるよなりせば われはふたゝびかぎらざらまし たゞみねおほせありてたてまつる 拾遺集春歌上 巻頭歌 平のさたふんか家歌合によみ侍りける春立つといふばかりにやみ吉野の山も霞みて今朝は見ゆらん...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 藤壺の苦悩 蔵書
京都堀川通 風俗博物館 かば、人わらはれにやとおほしつよりてなん。やう/\す 御門地こしづゝさはやい給ひける。うへのいつしかとゆかし 源心げにおぼしめしたることをかぎりなし。かの人しれ ぬ御心にも、いみじう心もとなくて、人まにまいり 給て、うへのおぼつかながりきこえさせ給を、ま...
View Article羈旅歌 有馬山 猿丸集 西本願寺本三十六家集 蔵書
ましな あしびきの山したかぜはふかねど もよな/\こひばかねてさむしも ものへまかるみちにきり のたちたるをみて しながどりゐなのをゆくはあり ま山ゆふぎりたちぬともなしにし て ものへまかるみちひぐら しのなきはべればふは山 新古今和歌集巻第十 羇旅歌 題しらず よみ人知らずしなが鳥猪名野を行けば有馬山ゆふ霧立ちぬ宿はなくして...
View Article田兒之浦從 うひまなび
百人一首 宇比麻奈備 賀茂真淵 山部赤人 山部宿禰は顕宗天皇元年、来目部小楯てふ人に 山部連姓を賜り、其後天武天皇十三年に宿 禰となしたまふ。日本紀。赤人もその氏にて、 万葉の中みな山部ノ宿禰赤人と書たり。然るに古 今の真名序に、山辺赤人と書たるはひがごとぞ。 山辺氏は、続日本紀、光仁天皇の条。宝亀年 中に、和気王及諸王等賜山辺真人と有て氏 かべねともに別也。同紀の延暦四年五月の詔に、...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 若宮の参内 蔵書
源氏物語 常夏 撫子歌 筆者不明コレクション ふ物から、心づきなしとおぼす時もあるべきを、いと 春宮わびしく思ひのほかなる心ちすべし。四月に内へ まいり給ふ。ほどよりはおほきにおよすけ給ひて、 やう/\おきかえりなどし給。あさましきまでまぎ れ所゛なき御かほつきを、おぼしよらぬことにしあ 御門心...
View Article友則集 西本願寺本三十六家集 蔵書
花にもはにもいとをみなへし あさつゆをわけそぼちつゝはなみむと いまぞ山べをみなへしりぬる をがた みよしのゝよしのゝ山にうかびいづる たまをかたまのきかとみゆらん きちかう 秋ちかう野はなりにけりしら露の おける草葉のいろかはり行 りむだう 我やどのはなふみちらすとりうたう のはなければやこゝにしもくる としをへて君にのみこそねすみつれ ことはこゝにやこをばなすべき...
View Article絵入源氏物語 紅葉賀 藤壺の消息 蔵書
「例の事なれば、しるしあらじかしと、くづをれて眺め臥し給へるに、胸打騒ぎて、いみじう嬉しきにも泪落ぬ。」 て、命婦゛の君のもとに、かき給ふことおほかるべし 源 √よそへつゝみるに心はなぐさまで露けさまさる なてしこの花。√はなにさかなんと思ひ給へしも、か 命婦ひなきよに侍ければ、とあり。さりぬべきひまにや ありけん、御らんぜさせて、たゞちり斗此花びらにと 藤つほ...
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