花にもはにもいとをみなへし
あさつゆをわけそぼちつゝはなみむと
いまぞ山べをみなへしりぬる
をがた
みよしのゝよしのゝ山にうかびいづる
たまをかたまのきかとみゆらん
きちかう
秋ちかう野はなりにけりしら露の
おける草葉のいろかはり行
りむだう
我やどのはなふみちらすとりうたう
のはなければやこゝにしもくる
としをへて君にのみこそねすみつれ
ことはこゝにやこをばなすべき
君といへばみなれみずまれふじのねに
めづらしげなくもゆるわがこひ
古今和歌集 物名 437
(をみなえし)
(白露を玉に抜くとやささがにの)花にも葉にもいとをみなへし
古今和歌集 物名 438
をみなえし
朝露をわけそぼちつゝ花みむと今ぞの山をみなへしりぬる
古今和歌集 物名 431
をがたまの木
み吉野の吉野の瀧にうかび出づるあはをかたまのきかとみつらん
古今和歌集 物名 440
きちかうの花
あきちかうのはなりにけりしら露のおける草葉の色かはり行く
古今和歌集 物名 442
りうたんのはな
我が宿の花踏みしだくとりうたんのはなければやこゝにしもくる
友則集
年を経て君にのみこそねすみつれことはこゝにやこをばなすべき
友則集(宗于集にも)
君といへばみなれみずまれ富士の根に珍しげなく燃ゆる我が恋