絵入横本源氏物語 紅葉賀
はじめに
1 源氏物語小本 寛文版を、1記事3ページ、先ず現代ひらがなに直した。
2 どうしても読めない字は、○で表記した。
3 そしてそれを読み易いように、適宜漢字にし、送り仮名を加え、句読点を加え、濁音点を付し、段落に分けた。特殊な読みは( )内にそのまま記載した。源氏物語集成による青表紙大島本との差異をアンダーラインで付した。
4 タイトルは、物語の内容から、適当に付けた。
5 挿絵以外は、写真も源氏物語関連の撮り溜めたものを使用したので、物語とはあまり関係のない。
6 素人が読んだので、誤読、誤字が有ったら、指摘頂ければ幸いである。
試楽 朱雀院の行幸は、神無月の十日余りなり。世の常ならず
行幸 物思ふに立ち舞まふべくもあらぬ身の袖打振りし心知りきや
参賀恩賞 日暮かかる程に、景色ばかり打時雨て、空の景色さへ見知
紫手習 殿の内の人にも、誰と知らせじとおぼして、なを離れたる
雛遊び ほす。暮れぬれば、御簾の内に入り給ふを羨ましく、昔は
葵との夫婦仲 今年だに少し大人びさせ給へ。十に余りぬる人は、雛
皇子誕生 隔て共なるべし。大臣も、かく頼もしげ無き御心を、辛し
藤壺の苦悩 かば、人笑はれにやとおほしつよりてなん。やうやう少し
若宮の参内 ふ物から、心付き無しとおぼす時もあるべきを、いと侘
藤壺の消息 て、命婦゛の君の元に、書き給ふ事多かるべし。√よそへ
紫から離れず なふとおぼす。保曽呂倶世利と言ふ物は、名は憎くけ
源典侍 くて聞こゆるは」など、さぶらふ人共聞こえあへり。内に
源典侍相聞 似つかはしからぬ扇の樣かなと見給ひて、我が持給へるに
東屋の馬屋 ぬ物憂さに、いと久しうなりにけるを、夕立して、名残り
頭中将乱入 大人しき人に、かく似げなき振る舞ひをして、見つけられ
中の衣 好ましう若やぎて、もてなしたる上辺こそ、さても有けれ
縹の帯 の事共や、おり立ちて、乱るる人は、むべ烏滸がましき事
藤壺立后 るべき限り整ひて、何事もあらまほしく、足らひてぞ、も