きなるもちいさきもひとつ
としてやふれさるはなし。さなから
ひらにたうれたるもありけた
はしらはかりのこれるもあり。門
のうへをふきはらひてとなりと
ひとつになせり。いはんやいゑの
うちの資財かすをつくしてそ
らにあり。ひはたふきいたのた
くひは冬の木の葉のかせにみた
(大)
きなるも小さきも一つとしてや破れざるは無し。
さながら平に倒れたるもあり。
桁柱ばかり残れるもあり。
門の上を吹き払ひて隣と一つに為せり。
況や家の内の資財、数を尽くして空にあり。
檜皮、葺板の類は、冬の木の葉の風に乱
ヲホキナルモチヰサキモヒトツトシテヤフレサルハナシ
サナカラヒラニタフレタルモアリ
ケタハシラハカリノコレルモアリ
カトヲフキハナチテ四五町カホカニヲキ又カキヲフキハラヒテトナリトヒトツニナセリ
イハムヤイヱノウチノ資財カスヲツクシテソラニアリ
ヒハタフキイタノタクヒ冬ノコノハノ風ニ乱