玉葉(九条兼実日記) 訓読玉葉(高橋貞一 著)第5巻 巻第三十六より
寿永三年(1184年)二月大一日庚申。天晴。穢気に依り春日祭延引す。然れども神斎例の如し。他人然らず。殿暦の説に就き為す所なり。雅頼卿来たり世上の事を談ず。斎院次官親能は(前明法博士広季の子)頼朝の近習者、又雅頼卿の門人なり。今度の陣の行事となり上洛をなす。去る二十一日件の卿に謁せし次、親能云はく。若し天下を直さるべくば、右大臣(兼実)世を知し食すべきなり。異論無しと云々。納言問ひて云はく。この条上奏に及ぶべきか如何。親能云はく。若し尋ねあらば、この旨を申すべき由の所存なりと云々。納言重ねて云はく。尋ね無くば、黙止すべきか。親能云はく。進み申すべき由は承らずと云々。ーー略ーー。
中原親能平安時代末期から鎌倉時代初期の下級貴族、鎌倉幕府の文官御家人。源頼朝の側近。正五位下、明法博士、斎院次官、美濃権守、式部大夫、式部大輔、掃部頭、穀倉院別当。鎌倉幕府 公文。
登場人物 | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
頼朝の外交官 中原 親能 (川島 潤哉) をご紹介しています。
特集 ムービー | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第16回より 中原親能役・川島潤哉さん