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前田家本方丈記 富める者を尊び1 懇ろなるを先とす

るをさきとす。かならすしも

なさけあるとすなをなるとを

はあいせす。たゝ紫竹花月をと

もとするにはしかす。人のやつ

こたるは賞罰はなはたしく

恩顧あつきをさきとす。さら

にはくゝみあはれふとやすく

しつかなるをはねかはす。た

たわか身を奴婢とするにはしか


(懇ろな)るを先とす。

必ずしも情けあると素直なるとをば愛せず。

ただ紫竹花月を友とせんにはしかず。

人の奴たる者は賞罰はなはだしく、恩顧あつきを先とす。

更にはぐゝみあはれぶと、やすくしづかなるをば願はず。

ただ、我が身を奴婢とするにはしか

 

(参考)大福光寺本

ルヲサキトス。

必スシモナサケアルトスナホナルトヲハ不愛。

只糸竹花月ヲトモトセンニハシカシ。

人ノヤツコタル物ハ賞罰ハナハタシク恩顧アツキヲサキトス。

更ニハクゝミアハレムトヤスクシツカナルトハネカハス。

只ワカ身ヲ奴婢トスルニハシカ


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