す。いかゝわか身を奴婢とするとなら
は若なすへき事あれはすなは
ちおのか身をつかふ。たゆからすし
もあらねとひとをしたかへひとを
かへりみるよりはやすし。若ある
くことあれはみつからあゆむ。
くるしといへともむまくらうし
くるまとこゝろをなやますに
はしかす。いま一身をわかちてふた
しかず。
いかゞ我が身を奴婢とするとならば、もしなすべき事あれば、すなはち己が身を使ふ。
たゆからずしもあらねど、人を従へ人を顧みるよりは易し。
もし、あるくべき事あればみづから歩む。
苦しといへども、馬鞍牛車と心を悩ますにはしかず。
今一身を分かちて、二
(参考)大福光寺本
イカゝ奴婢トスルトナラハ若ナスヘキ事アレハスナハチヲノカ身ヲツカフ。
タユカラスシモアラネト人ヲシタカヘ人ヲカヘリミルヨリヤスシ。
若アリクヘキ事アレハミツカラアユム。
クルシトイヘトモ馬クラ牛車ト心ヲナヤマスニハシカス。
今一身ヲワカチテ二