初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。
既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。
2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて短歌集「初心」と名付ける。
新年 2008年01月01日
何気ない休日の朝が始まる
ただそれが元旦というだけ
何時もと同じ朝で、つまらないテレビが延々と垂れ流している以外は何も変わらない。
ほとんどの店が休み、家の中にいる以外に何も無い。
とは言っても元旦だし、初詣でも行こうと思います。
お読み頂いた方に感謝申し上げます。
今年も愚詠、愚説を書き込みたいと思います。
早くコンピュータをなおして新古今和歌集の部屋を再開します。取りあえず今年の目標。
初夢 2008年01月05日
初夢に故里の山を見る
そんな歳になってしまったのだろう
故郷を十八の時に出て、約三十年も経ってしまった。
ふと昔歩いた山の緑のイメージが湧いた。
しかし、このコンクリートの都会にしがみついて生きるしかない。
節分 2008年02月02日
あと少し
あともう少しと春が呼んでいるよ
あと…もう少しだね
私は北国生まれのせいか春を待ち望む気持ちが強い
2/3に
明日から春というのに雪が降り続いている。
関東は立春過ぎてから雪が積もる事が多い
これも春の景色なのかも知れない
春一番 2008年02月23日
春いちばんといふ優しい名の冬吹き払ふ情熱のすごさよ
春一番は、優しく雅な名ですが、立春から春分の間に吹く強烈な風で、漁師には突然吹きすさぶ嵐の為、遭難が起きやすく怖い風の名前で、壱岐の漁師言葉だそうです。
また春の風を東風と呼び、南風なのに東風と書くのは、五行説からで、春は東を表すからとか。
皇太子を古典では春宮、現在も東宮と呼びますね。
東風は北陸ではあゆとも呼びます
今朝の東京地方は午前中は穏やかだったのですが、午後からは一転掻き曇り、4時頃又晴れたのですが、強風の為電車が止まってしまいました。
運転再開しないならそれも良しとして、駅前の居酒屋で休んで行こうかな…
春の宵の一刻値千金ですから。
生き物の定め 2008年03月05日
生き残る為に命を奪うイキモノの掟
私の悲しみ
三十億年前始めて生命が誕生した時は、海中に含まれる無機物、有機物を取り込みエネルギーとしていた。
そのうち、その集積された栄養を取り込む方が効率的という事で、他の生物をいかに効率よく摂取するかで進化してきた。又摂取されないようにするかで進化したとも言えます。
栄養学は、やっと入口が分かった所で、まだ本質は研究中。しかし、分かったつもりでサブリメントだけで生きていけると思っている人が多い。
やはりこれからも生き物の命を頂いて生きていかなけれはならないだろう。
そんな生き物の末裔として、せめて食べ物をそれぞれの命をいただく感謝の心を持ち、粗末に扱わない事としたい。
戯れ歌 2008年04月24日
こりずまの夜を明かして飲みつるに身を尽くしても帰る蓬生
懲りない性分で、つい夜通し飲んでしまうが、とにかく這ってでもわが家には帰ります。
という意味ですが、源氏物語の「須磨、明石、澪標、蓬生」を読み込んだものです。
どうも年度始めは、環境が変わるせいか歌が詠めない。
そこで戯れ歌でも作って詠めるようになるまで待つしかないと思っております。
コンピュータはやっと修理し、新古今和歌集の部屋は再開出来ましたが。
メモ 2008年05月01日
ホケットから忘れていた貴女に伝えるメモ
もう遅いけどね
本当は伝えたかった言葉
自分のエゴが伝えるのを邪魔したかも
もし伝えていたらと…
というのが頭に浮かびました。
寝坊 2008年05月11日
遅く起きた朝は誰かとの約束を忘れそう
気怠い気分
疲れているのか起きたら11時を回っていた。
昨日は急な呼び出しで出勤。
気怠い。天気まで気分を表すようだ。
誰かとの約束を忘れてしまった。まあ明日謝ろう。
時鳥 2008年05月17日
森の中
心が空間に溶け出してゆく…あ!時鳥が鳴いた
本当は聞こえていた音も心まで届いていなかったのだろうか?
騒音ではない音の世界にいると心に着ていた鎧が溶け出していくようです。
月と少女 2008年05月19日
月は君を見守っているよ
だっていつも君に付いてくるだろう
小生に、透き通るような文を書くお嬢さんからメールが来ました。
西行の歌、
願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃
が大好きとのこと。
もし娘がいたとしたら、この子ぐらいかと。
彼女の次のブログが楽しみだ。若い人の感性は、いつも驚かされる。
青柳 返し 2008年06月01日
変はらじと言ひし柳も秋来れば
露を含ませ葉を落とすらむ
栄花物語 暮れまつ星の女御藤原生子と後朱雀院とのやり取りの歌
後朱雀院 青柳の糸は方々靡くとも思ひ染めてむ色は変はらず
に返歌を作るという企画があり、面白いので作ってみました。
返歌のルールは、相手の言うことを否定したものを贈るという事です。
秋と飽き、柳葉と言葉を掛けて、秋、露(涙)、落葉とセットにしてみました。
昼下がりのアダージョ 2008年06月03日
藤だなのこもれ日の中を
なつかしい風がとおっていったよ
日曜日は日本ダービーということで何時もの浅草の場外に出掛けました。
藤棚の木陰の中、めいめいがそれぞれの午後を楽しんでいる。
梅雨前の晴天の3時半はそれほど暑くも無く寒くも無く、風が通っていました。
アダージョ(adagio)は、音楽用語で「静かにゆっくりと」、イタリア語の「くつろいで」。そんな午後ですね。
セピア色加工で拙い写真も良く見えますね。
緑の風 2008年06月17日
木々の葉が風にざわめき喜ぶと
子供達がかけぬけていった
まるで子供達が、風を起こし、木々がそれを喜んでいる様な日曜午後の公園です。
私といえば、新古今集の関係書をベンチで寝転びながら読んでおります。家の中にいるのは惜しい気がして。
カクテル 2008年06月18日
ソウルの店で
カクテルを頼む
オーダーは何か合う美味しいものを
ソウルミュージックが流れる何か気取る店ではない。
暑けれはそのカクテルを
蒸し蒸しすればそのカクテルを
貴方のデザインをくれ、と味も分からずオーダーしました。
彼は自分の舌を使いジンとウイスキーをカクテルしてくれました。
曖昧の人生に合うカクテルを
難しいオーダーですね。酔っ払いに対したバーテンさんは。
生死 2008年06月18日
生きて死ぬ
神のみぞ知る
定めは誰も知らない
ただ今日を生きる
だいぶ酔って来た
そろそろ帰えろう
死にたいと言ひし人には
あてもなく
とりあえず生きろと
言ふは悲しき
月とシャンパン 2008年06月23日
月より薄い色の液体(シャンペン)
想いに生まれ…消える泡
次々と
ある少女のブログからイメージしました。
ノンアルコールのシャンパンをシャンメリーと言います。
大人と子供の中間にある飲み物ですね。
淡い想いの月夜に飲むのも良いかと思いますよ。
マリンスノー 2008年07月01日
まりんすのーはね、
その命をおえたとき、
しんかいのかにの命になる
深海をテーマに作った五首のうちの一つ。後の四つは理屈ぽかった。
マリンスノーというプランクトンの死骸が、しんしんと淡雪の様に降って、太陽エネルギーの届かない深海まで到達して、エネルギー(炭素、リン酸・・・)の循環の役割を果たしているそうです。
深海は生命の生まれた場所ともいわれますね。
箱根登山電車 2008年07月02日
まんえふしふと登山電車に乗る
風を感じる場所がないから
万葉集を持って箱根に来た
梅雨の谷間の晴
木陰の風が気持ち良い
高原の霧雨 2008年07月04日
風が笑っていたよ
霧が奏でていたよ
木々がよろこんでいたよ
精霊が木々の間に降り下りて木魂と遊ぶ
森よ育てと
箱根の山は、温かい海からの風が当たり、朝霧が発生しやすいとタクシーの運転手さんが言っていました。
見事な風と霧雨で、ケータイの電池が切れて写真が取れなかったのが残念。
下界に下りると雨の痕跡も無かった。
このような霧が森を育てているんだろうと思った。
少し宮澤賢治風にこの頃なっている。賢治モードで暫くいてみます。二首目はもののけ姫ぽいなあ~。
工場の虹 2008年07月15日
一分間に数百の虹が流れていくミクロとの闘い
全く違う業種の3つの工場を見せてもらう機会があった
どこの工場も製品は一分間に数百流れていて目がついては行かなかったが、何故かどの工場も製品は虹色だった。何とかという独楽の色の原理らしい。
もちろん担当者のそれぞれの製品に対する誇りが感じられました。
こういった一人一人のプライドが日本を支えていると思いました。
各者に共通は口を揃えて石油の高騰!
写真はもちろん厳禁で見学前のお姉さんから注意を受けました。
靖国の朝顔 2008年08月08日
俳句
よられつるあさがをの花しほらしく
朝顔もこんなに大輪だと味がないですね。
西行歌本歌取りです
よられつる野もせの草のかげろひてすずしく曇る夕立の空
短歌
靖国の露と消えにしますらおの朝顔の花を夢に見るらむ
立秋を過ぎたのでやっと朝顔の句を披露出来ます。
靖国神社の朝顔も暑さで…というよりは、12時近くで萎れ加減です。
「露と朝顔は何の比喩ですか?」という質問があったので
そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。
という鴨長明の方丈記の序にあるとおり、実家の比喩です。
五月、寄水恋 2008年08月23日
五月
スキップする樣な五月が好き風も木々も
う~と背伸びしているね
寄水恋
袖ひじて顔洗う時君が出すタオルに心解く笑顔かな
題詠で短歌を投稿し、技法を何か使うという条件付きのものがあり、五月は擬人、水は古今集春上紀貫之
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立けふの風やとくらむ
の本歌取りです。
他に春、秋、冬、太陽などがありました。
寄水恋は、クラブ活動で疲れて顔を洗っているとマネージャーがそっと差し出すタオルで恋心を抱くといった風景でしょうか。
啖呵、タンカ 2008年09月10日
やぃやぃやぃ
こちとら江戸っ子でぃ
おととい來やがれすっとこどっこい
火事と喧嘩は江戸の華
確かに「嘩」は口の華と書きますね
時には威勢の良く啖呵を切ってみたいが、喧嘩はご法度のご時世
短気は損気の慰謝料だ
せめて短歌の中で
勿論タンカの懸詞なのですが
開かずの踏切 2008年09月13日
君に言う言葉も忘れちまった
開かずの踏切を待つ間に
日本橋の三井美術館に寄ったらかなり予定を過ぎてしまいました。
品川は沢山の電車が通っていて開かずの状態だとか
夏のおもひで 2008年09月17日
ポシェットに仕舞ひこんだ潮騒
時々取り出す
あの日のおもひで
なんという貝か知らないが、三浦海岸で拾った紫の貝。
ポケットにしようかとは思ったが、ポシェットがイメージに合ったので。
少女雑誌 2008年09月17日
ソレイユ
過ぎた日の日記
オペレッタ
少女の好きな言葉と挿絵
前後しますが
弥生美術館で少女雑誌の挿絵やタイトルを見て
写真は挿絵の大家竹久夢二
たまき、彦乃、お葉、恋人を変えるたびに感性が研ぎ澄まされていったと思います
モデルも変わったのですが
宵待草は賢(カタ)との恋から生まれたとか。銚子まで行こうか。
風の小僧 2008年09月17日
風の小僧となつて坂を駆け降りると
磯のかほりが
直ぐ湊だ
自転車で坂を上ったり下りたりしてやっと三崎漁港までたどり着いた。
最後は風と同化していた。
旋頭形式 君の為に 2008年09月21日
「なんでも私の好きなものだけちょうだい」
君の為お金は使い果たしちゃったよ
掛け合いの樣な形式の和歌を旋頭歌といい、577、577の形をとります。
一人のものが、まずみんなに呼びかけ、みんながそれに和して答える
または、みんなが一人に呼びかけ、一人がそれに和して答える
という民謡が発達したと思います。
相聞の形をとるものも多かったのですが、一首が分裂するのでその後廃れました。
形式はちょっと変ですが、一応旋頭歌に。
豊かさ 2008年09月25日
豊かさってなんだろう?
何を捨てたから得たんだろう?
あ!夕焼けだ
ALWAYS 続・三丁目の夕日を久しぶりにDVDを借りて見た。
お金の豊かさと心の豊かさを表現しておりましたが。
あの時代、みんな貧乏だったけど、昨日より今日、今日より明日、明日より明後日日に日に生活が豊かになっていく。だからみんな夢があった。
今はそれが無い。今日より明日、明日より明後日悪くなる気がする。
昔も人をだましてお金を巻き上げる人もいたけど、今は老人とかの生活弱者をだまして巻き上げる詐欺が横行している。
何かがこの十年で狂い始めた気がしてしょうがない。
引き算 2008年09月25日
この頃引き算ばかり計算している
この割り切れない世の中で
プラス思考マイナス思考という言葉があるが、何か今はマイナス思考です。
自分にとってマイナスであるかないかが判断の基準となっており、以前はまだプラスかマイナスかと言っておりました。
前向きになれない世の中ですね。社会の前向き思考をバブル経済が吸い取ったのかも知れません。しかしこの前の反省を懲りていない人達がサブプライムに手をだし痛いに会うのはしょうがないでしょうが、景気の足(ひいては私の給料まで)を引っ張るのは許せないですね。何の恩恵を受けていない者に取っては。
石油バブルだけは、早く崩壊して欲しい。渇いた雑巾を絞ったコストダウンも吹っ飛ばし我慢競べになっているので。
山頭火 2008年09月28日
山頭火は嫌いだ
二三日頭から消えない魔法のジュモン
私は、あまり人の句を読まないことにしている。
特に種田山頭火は大変だ。うっかり読んでしまうと、その魔力で頭から離れなくなり、自分の俳句が出来なくなってしまいます。そして作った句は、山頭火に比べて、似ても似つかないもの。ただの単語の羅列で自分の才能を卑下してしまいますので。
彼の性格は、ただの酔っぱらいで支援者の家が傾きかけたと伝えられており、どうしようもない男だが、その魔力に捕まったのでしょうね。