あふいるきやうにつかひに しん/\
逢入京使 岑参
こゑんひんかしにのそめはみちまん/\そうしうりやうしやうとしてなんたすかわか
故園東望路漫〃雙袖龍鍾淚不乾
は せうにあいあふて なし し ひつ よつてきみにてんごしてふうせしむへいあんを
馬上相逢無紙筆憑君傳語報平安
われこのへんさいへきていれば,こきやうのみちはまん/\ととをい事じや.みやこへのつかひにあふ
たれば,なにかをわすれて両方のそでになみたをうるをして,かわくまもない.りやうしやうとゆき
やらず。つかひをうらやましく,こきやうへ状をたのみたけれど,馬のうへなれは,紙筆は
なし.たゝこなたによつて伝言するほどに,すいぶんそくさいでいると,いふてくれられい
京に入る使いに逢ふ 岑参 故園、東に望めば路漫漫。 双袖龍鍾として淚乾かず。 馬上に相逢ふて紙筆無し。 君に憑(よっ)て伝語して平安を報ぜしむ。 意訳 故里の長安の家のある東の方角を望むと、路は遙々遠い。 私の両袖は、涙に濡れて乾く間もない。 長安に向かう京使に出会ったが、馬上故、紙も筆も無い。 だから京使の君に、家族に無事でいると伝言して欲しい。 ※龍鍾 涙が溢れている様子 ※伝語 伝言、言づて。 唐詩選畫本 七言絶句 巻四
京に入る使いに逢ふ 岑参 故園、東に望めば路漫漫。 双袖龍鍾として淚乾かず。 馬上に相逢ふて紙筆無し。 君に憑(よっ)て伝語して平安を報ぜしむ。 意訳 故里の長安の家のある東の方角を望むと、路は遙々遠い。 私の両袖は、涙に濡れて乾く間もない。 長安に向かう京使に出会ったが、馬上故、紙も筆も無い。 だから京使の君に、家族に無事でいると伝言して欲しい。 ※龍鍾 涙が溢れている様子 ※伝語 伝言、言づて。 唐詩選畫本 七言絶句 巻四