源氏物語 五十一帖 浮舟
山の方は霞隔てて、 寒き洲崎に立てる鵲の姿も、所からはいとをかしう見ゆるに、宇治橋のはるばると見わたさるるに、柴積み舟の所々に行きちがひたるなど、他にて目馴れぬことどものみとり集めたる所なれば、見たまふたびごとに、なほ そのかみのことのただ今の心地して、 いとかからぬ人を見交はしたらむだに、めづらしき仲のあはれ多かるべきほどなり。
源氏物語 五十一帖 浮舟
山の方は霞隔てて、 寒き洲崎に立てる鵲の姿も、所からはいとをかしう見ゆるに、宇治橋のはるばると見わたさるるに、柴積み舟の所々に行きちがひたるなど、他にて目馴れぬことどものみとり集めたる所なれば、見たまふたびごとに、なほ そのかみのことのただ今の心地して、 いとかからぬ人を見交はしたらむだに、めづらしき仲のあはれ多かるべきほどなり。