源氏物語 五十一帖 浮舟
やまのかたはかすみへたてゝさむきすさきにたてるかさゝきのすかたもところからはいともをかしうみゆるにうちはしのはる/\とみわたさるゝにしはつみふねのところ/\にゆきちかひたるなとほかにてめなれぬことゝものみとりあつめたるところなれはみたまふたひことになをそのかみのことのたゝいまの心ちしていとかゝらぬ人をみかはしたらたにめつらしきなかのあはれおほかりぬへきほとなり。
かさゝきの→さきの
高松宮家本(冷泉正為筆)、陽明文庫本、國冬本(伝空雅筆、桃園文庫)
和漢朗詠集 僧
閑居賦 張読
蒼茫霧雨之晴初 蒼茫たる霧雨の晴るる初、
寒汀鷺立。 寒汀に鷺立たてり。
重畳煙嵐之断処 重畳たる煙嵐の断ゆる処、
晩寺僧帰 晩寺僧帰る。