養和元年五月 日鴨長明
いまはたゝ(イよりは)しでの山路ぞいそがるゝせめては(さきだつイ)親のあとやふむとて
遁世の時よめる。かくて山城日野法泉寺といふところに方丈をつくりてすめり。びはの三曲を常にひける石あり。三曲石といひてあり。方丈の記とて一帖あり。一丈四方なる所なればをきどころなくてしけると也。
養和元年五月 日鴨長明
いまはたゝ(イよりは)しでの山路ぞいそがるゝせめては(さきだつイ)親のあとやふむとて
遁世の時よめる。かくて山城日野法泉寺といふところに方丈をつくりてすめり。びはの三曲を常にひける石あり。三曲石といひてあり。方丈の記とて一帖あり。一丈四方なる所なればをきどころなくてしけると也。