Quantcast
Channel: 新古今和歌集の部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

前田家本 方丈記 日野の庵3 南に筧あり

$
0
0

みにかけひありいはをたてゝ

みすをためたり。はやしのきちか

けれはつまきをひろふにともし

からす。名をとやまといふまさきの

かつらあとをうつめり。たにし

けゝれと西はれたり。觀念のた

よりなきにしもあらす。春

ふしなみをみる。紫雲のことく

して西方におふ。夏はほととき

(南)

に筧あり。

岩を立てて、水を溜めたり。

林の木近ければ、爪木を拾ふに乏しからず。

名を外山といふ。

正木の葛、跡を埋めり。

谷繁けゝれど、西は晴たり。

觀念の便り、無きにしも非ず。

春藤波を見る。

紫雲の如くして西方匂ふ。

夏は郭公

※「はやしのき」は「林、軒」は採用せず。

(参考)大福光寺本

南ニカケヒアリ

イワヲタテゝ水ヲタメタリ

林ノ木チカケレハツマ木ヲヒロウニトモシカラス

名ヲヲトハ山トイフ

マサキノカツラアトウツメリ

谷シケケレハ西ハレタリ

観念ノタヨリナキニシモアラス

春ハフチナミヲミル

紫雲ノコトクシテ西方ニゝホフ

夏ハ郭公


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4231

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>