新古今和歌集 巻第十二
戀歌二 戀の歌とて
二條院讃岐
みるめこそ
生ひぬる磯の草な
らめ
袖さへ
波の下
に朽ちぬる
読み;みるめこそおいぬるいそのくさならめそでさえなみのしたにくちぬる 隠
意味:海松布は、満潮になると波の下に隠れてしまう磯の草だろうが、私のあの人に逢うことは、かなわないばかりか、波のような涙に沈んで袖が朽ちてしまっています。
作者:さぬき1141?~?平安末期鎌倉初期の女流歌人。源頼政の娘。二条天皇、後鳥羽天皇中宮宜秋門院に仕えた。俊恵の歌林苑の一人。
備考:ミルメとは海松布と書いて海草のことで見る目(会う機会)と掛ける。異本では二句目は「入りぬる」で本歌の万葉集から入りぬるの誤記と思われる。 未詳
八代集抄、美濃の家づと、新古今注、新古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)