新潮日本古典集成 上下巻
校注:久保田淳
出版:新潮社
初版:昭和54年3月5日
底本:伝蜷川新右衛門親元筆
国歌大観番号
下巻に出典、隠岐本合点・撰者名一覧
特徴
切出歌二首146ロ赤人1975ロ肥後を含む。
真名序、仮名序の順。
新古今和歌集 巻第十五恋歌五
よみ人知らず
君があたり
見つゝを居らむ
生駒山
雲なかくしそ
雨は降るとも
読み:きみがあたりみつつをおらむいこまやまくもなかくしそあめはふるとも
意味:あの人がいる大和の国の方をみていたいので、生駒山を雲で隠さないでください。例え雨が降ったとしても。 備考:伊勢物語 第二十三段 万葉集 第巻十二 3032寄物陳思 君之當 見乍母将居 伊駒山 雲莫蒙 雨者雖零君があたり見つつも居らむ生駒山雲なたなびき雨は降るとも新古今和歌集 巻第十六 雑歌上
朝毎に汀の氷
ふみわけて
君につかふる
道そかし
こき
百首歌奉りしに
土御門内大臣
歌:朝ごとにみぎはの氷ふみわけて君につかふる道ぞかしこき
読み:あさごとにみぎわのこおりふみわけてきみにつかうるみちぞかしこき 隠
意味:毎朝、汀の氷を踏み分けて、君に仕え申し上げる道を通っているが、畏れ多くもったいないことだ
作者:源通親みなもとのみちちか1149~1202雅通の子。養女在子を後鳥羽天皇に入内させ、土御門天皇となり、後鳥羽院政の中権力を握る。
備考:本歌 峰の雪汀の氷踏み分けて君にぞ惑ふ道は惑はず(源氏物語 浮舟) 戦々恐々深淵に臨むが如く、薄氷を踏むが如し(詩経 小雅)
定家十体、新古今注、十代抄書
石井行豊(いわい ゆきとよ)承応ニ年ー正徳三年(1653-1713)江戸時代前期-中期の公卿。権中納言平松時量の子。東福門院につかえた石井局(西洞院時慶の娘行子)の養子となり,養母の称号を家名として石井家をおこす。従二位,権中納言。
古筆了栄?琴山極印
平成27年11月22日 壱
新古今和歌集 巻第九離別歌
おいたるおやの七月七日つくしへくだりけるにはるかに
はなれぬる事を思て八日あか月をひてふねにのる
所につかはしける 加賀左衛門
有 あまのがはそらにきえにし舩でには我ぞまさりてけさはかな
しき
実方朝臣みちのくへくだり侍りけるに餞す
とてよみ侍ける 中納言隆家
督
別路はいつもなげきのたえせぬにいとヾかなしき秋のゆふぐれ
隆
返し 實方朝臣
○
とヾま覧ことは心にかなへどもいかにかせまし○○○○○(あきのさそふ)を
隆
七月はかりみまさかへくだるとてみ○この人