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Channel: 新古今和歌集の部屋
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白洲正子 花にもの思う春

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白洲正子
花にもの思う春
白洲正子の新古今

平凡社ライブラリー207

著者:白洲正子
発行:平凡社
初版:1997年7月15日

随筆家の白洲正子の新古今集の随筆。
題は式子内親王の春歌下

勘違いが多少有る。

万葉歌碑 松柏美術館 高円桜

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春雨の
  しくしくふるに
     高まどの
 山の桜ハ
   いかにあるらむ
     松篁




巻第八 1440
河邊朝臣東人歌一首
春雨乃 敷布零尓 高圓 山能櫻者 何如有良武
春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ

上村松篁筆

奈良市登美ヶ丘2丁目 松柏美術館門横

万葉歌碑 松柏美術館 坪菫

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山吹の
  咲きたる野辺の
     つほすみれ
 この春の雨に
 さかりなりけり

      松篁


巻第八 1444
高田女王歌一首 [高安之女也]
山振之 咲有野邊乃 都保須美礼 此春之雨尓 盛奈里鶏利
山吹の咲きたる野辺のつほすみれこの春の雨に盛りなりけり

上村 松篁筆

奈良市登美ヶ丘2丁目 松柏美術館門横

古今集新古今集必携

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古今集新古今集必携
 別冊國文學No.9

藤平春男編
発行:學燈社

万葉・古今・新古今  藤平春男
古今集の世界と新古今集の世界  田中裕
※作品と背景
古今集  上野理
古今集から新古今集へ  後藤祥子
新古今集  松野陽一
古今集新古今集歌人事典  藤平春男、蔵中スミ、半田公平ほか
古今集新古今集表現事典  藤平春男、赤羽淑、滝沢貞夫ほか
※享受と研究
古今集享受史  新井栄蔵
古今集研究史  片桐洋一
古今集研究文献目録
新古今集享受史  石川常彦
新古今集研究史  松村雄二
新古今集文献目録
※テキストと注釈
古今集  小町谷照彦
新古今集  佐藤恒雄
視点
古今和歌集概説  窪田空穂
創作主体と古今集  松田武夫
平安文字一面おぼえ書  秋山虔
古今集の新しさ  大岡信
ありてなし  竹西寛子
新古今的なるものの範囲  風巻景次郎
有心と幽玄  岡崎義恵
新古今和歌集の撰定と後鳥羽院  小島吉雄
心底の秋  塚本邦雄
閑居百首  安東次男
古今集年表/新古今集年表  藤平春男編

ツレ
万葉集必携Ⅱ
徒然草必携

新古今集 美濃の家づとの序

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美濃の家づとの序

世中の人のあらまほしきは實心になむありける。そは萬の道を學ぶにかれこれの人のおなじ師につきていそしむ年月おなじほどなるにうまく其道を得るとえざるのとのけぢめこよなきは大かた心のまめなるとさしもあらぬとによりて也けり。さるは師も其人のまめ心を見得てなむ。心得がてなるふしをもねもころにときさとすものには有りける。こヽに我友美濃國大垣の大矢重門はおなじわが 鈴屋大人の御許にとし比まゐり通ひて歌の道まなぶに此まめ心の人よりはまさりてなむ有ける。一とせかのみもとにさもらひて月久にいそしみまなびけるひとつ心のまめなるを此大人深くめで給ひて新古今集の中に其比の人々のこヽろ深き歌どもをえり出てあるは一もじふたもじの心しらひのいとこまやかなるくま/"\までときあらはしてこたみの家づとにもせよかしとさづけ給へりしをおのれひとりつヽみもたらむよりはおなじ道しぬぶ世中の人どもにもあまねく見せむとてこの比木にゑらせたるはいよヽまめ心のいたれるになむありける。かれ磯足等も此めでたきつとものを得つるよろこびにえたへざるまヽにいさヽか其まめ心をたヽへてかくなむ。
                  尾張人藤原磯足

新古今集 美濃家裏序

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美濃家裏序

おきにたつしら波を見てだに、花にもがなと、家づとには、願ひし人もありける海の、清きなぎさに、我しもかヽるたからをひろひ得て、かひありなどは、世の常の事をこそいはめ。うらやしくもと、旅衣かへる袂を、見ぬ人もなかりける此悦びを、つたなきおのれ獨やはとて、故郷人にもしめしけるに、故郷人も、かヽるめでたきおきつしら玉、光つみて、此里にのみはとて、世の中にひろめむ事をなむ、せちにそヽのかしあへりけるままに、梓の木にうつしゑりて、終に又その板をさへ、長きたからと、重門が家のくらのおくに、とりおさめつ。
                            美濃國大垣人大矢重門

新古今集 美濃の家づと 宣長序

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大矢ノ重門が物まなびに美濃國より來居て何くれととひける事どもの中に此集の歌どもの心ばへをなん、ことにこまやかにとひたづねたるに、さとしあげつらひたる趣を、おなじくは國にかへらむ家づとに、書しるしてえさせよとこへるまヽに、かきてあたふ。         本居宣長

春歌下 業平 俊成三十六歌仙コレクション

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はなに   いつも
 あかぬ   せし
   歎は  かとも
 にる  けふの
  時は   こよひ
   なし    に



新古今和歌集 巻第二春歌下
 題しらず      在原業平朝臣
花にあかぬ歎はいつもせしかども今日の今宵に似る時は無し
読み:はなにあかぬなげきはいつもせしかどもきょうのこよいににるときはなし
意味:花を見て、名残惜しいと思う歎きは何時もするのですが、今日の今宵ほど名残惜しいと思う時はありません。
備考:時代不同歌合 八代抄 俊成三十六人歌合

西洞院時直筆
西洞院時直
天正十二年(1584年)-寛永十三年(1636年)西洞院家27代目当主。西洞院時慶の長男。後水尾天皇の側近。歌人としても知られ、『参議時直卿集』が現存している。
少納言、右衛門督を経て、寛永三年(1626年)参議。寛永八年(1631年)従二位となった。

三位と有ることから1630年以前に執筆。

古筆了佐極
元亀3年(1572年) - 寛文2年(1662年)

平成28年1月22日 參點陸


春歌上 袖の梅香 筆者不明短冊コレクション

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むめの花たが袖ふれしにほひぞと

はるやむかしの月にとはばや



新古今和歌集 巻第一春歌上
        右衛門督通具 
梅のはな誰が袖ふれしにほひぞと春や昔の月にとはばや

読み:うめのはなたがそでふれしにほひぞとはるやむかしのつきにとはばや

本歌:月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして


御染筆

平成28年1月19日 壱點七


新古今歌風の形成

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新古今歌風の形成

著者:藤平春男
発行:明治書院
初版:昭和44年1月30日

序にかえて
第一章 基底
Ⅰ 新古今時代歌壇の範囲
Ⅱ 建久期の歌壇と新古今への道
Ⅲ 元久期歌壇の二三の疑問
Ⅳ 建保期歌壇の性格
Ⅴ 新勅撰和歌集と歌壇
第二章 態度と方法
Ⅰ 藤原俊成
Ⅱ 藤原定家
Ⅲ 新古今集における歌合負歌の入集
Ⅲ 新古今の方法
付録
Ⅰ 新古今歌風の形成序説
Ⅱ 新古今時代歌壇出詠歌人索引
索引
あとがき

古今新古今とその周辺

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古今新古今とその周辺

編著者:小沢正夫、島津忠夫
発行:大学堂書店
初版:昭和47年7月10日

万葉から古今への道 小沢正夫
新古今歌風の形成と万葉語・万葉調 島津忠夫
序詞の形式の発達に関する考察 柳生多賀子
小野小町の歌と生活 後藤由紀子
院政期歌壇と女流歌人待賢門院堀河 深萱由紀子
式子内親王の歌と新古今歌壇 榊原洋子
新勅撰和歌集の構成 山下三十鈴
金槐和歌集と五代集歌枕 富田絹子
花園院の和歌観とその作品 堀部久美子

春歌上 立春 良経 新古今和歌集巻子コレクション

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  春 歌 上

 はるたつこヽろをよみ

       はべりける

みよし野はやまもかすみて

しらゆきのふりにしさとに春は

きにけり

 春立つ心をよみはべりける
      摂政太政大臣
みよし野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり

読み:みよしのはやまもかすみてしらゆきのふりにしさとにはるはきにけり

作者:藤原良経

筆者 幕内成峰

春歌上 立春 後鳥羽院 新古今和歌集巻子コレクション

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  はるのはじめのうた

ほの〃〃と春こそそらにきにけら

し  あまのかぐやまかすみたな

           びく

 春の始めの歌
         太上天皇
ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく

読み:ほのぼのとはるこそそらにきにけらしあまのかぐやまかすみたなびく

作者:後鳥羽院



筆者 幕内成峰

春歌上 立春 式子内親王 新古今和歌集巻子コレクション

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  百首うたたてまつりしとき

   はるの歌

 やまふかみ春ともしらぬ

まつのとにたえ〃〃かヽるゆきのた
              まみづ


  百首歌奉し時春の歌
     式子内親王
山ふかみ春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水

読み:やまふかみはるともしらぬまつのとにたえだえかかるゆきのたまみず


筆者 幕内成峰

春歌上 立春 宮内卿 新古今和歌集巻子コレクション

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  五十首歌たてまつりし時

かきくらしなほふるさとのゆきのう

ちに あとこそみえねはるはきに
            けり


  五十首歌奉し時
            宮内卿
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり

読み:かきくらしなほふるさとのゆきのうちにあとこそみえねはるはきにけり


筆者 幕内成峰


春歌上 立春 俊成 新古今和歌集巻子コレクション

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けふといへばからつちまでもゆく

はるを宮こにのみとおもひけるか

               な


皇太后宮大夫俊成
今日といへば唐土までも行く春を都にのみと思ひけるかな


読み:きょうといへばもろこしまでもゆくはるをみやこにのみとおもいけるかな


筆者 幕内成峰

春歌上 立春 俊恵 新古今和歌集巻子コレクション

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  だいしらず

はると言へばかすみにけりなきのふ

までなみまに見えしあはぢ

       しまやま

 俊恵法師
春といへば霞みにけりな昨日まで波間に見えし淡路島山

読み:はるといへばかすみにけりなきのうまでなみまにみえしあわじしあやま

春歌上 立春 西行 新古今和歌集巻子コレクション

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  岩まとぢし

こおりも今朝はとけそめて

          こけの

  下水みちもとむらん

 

  題知らず
      西行法師
岩間とぢし氷も今朝は解けそめて苔のした水道もとむらむ

読み:いわまとじしこおりもけさはとけそめてこけのしたみずみちもとむらむ


筆者 幕内成峰

雑歌上 神館の別れ

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左衛門督家通中将に侍りける時祭の使にて
かんだちに泊りて侍りける曉齋院の女房の
中よりつかはしける

よみ人知らず

立ち出づるなごりありあけの月影にいとどかたらふ時鳥かな

返し      左衛門督家通

いく千世と限らぬ君が御代なれどなほ惜しまるる今朝の曙


藤原家通は永暦元年(1160年)~永万二年(1166年)左近中将で、この時の斎院は式子内親王。

定家同母姉の高松院新大納言を妻とした。 撰者は、定家。作者は定家の姉の斎院女別当か?

新古今集とその歌人

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新古今集とその歌人
 谷山茂著作集 五

著者:谷山茂
発行:角川書店
初版:昭和58年12月10日

第一章 和歌史における新古今集
千載集から新古今集へ
新古今的妖艶美と平家一門の栄華

第二章 新古今作品論
新古今集の歌枕
古今集・新古今集の自然観
万葉・古今・新古今の比較の一方法
家持の歌と新古今集
春の哀傷歌
寿本新古今和歌集

第三章 新古今の歌人 感傷の底に意欲するスフィンクスの一群
序説
高風派に属する人々
寂風派に属する人々
艶風派に属する人々

第四章 新古今作家論
西行の人と歌
慈円の世界における西行の投影
定家と家隆
定家
付 石田吉貞著『藤原定家の研究』書評

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