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日本書蹟大鑑 第二十三巻 目次 蔵書

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日本書蹟大鑑
小松茂美著
   講談社
拾點伍

第二十三巻

大忍国仙
慈雲
中井竹山
荒木田久老
荒木田麗女
十時梅厓
裏松固禅
古屋昔陽
柴野栗山
橘南谿
加藤千蔭
皆川淇園
上田秋成
村田春海
松村呉春
後桜町天皇
蒲生君平
中山愛親

山東京伝
頼春水
油小路隆前

柏木如亭
冷泉為章
木下幸文
上杉鷹山
塙保己一
式亭三馬
立原翠軒

小寺清先
菅茶山
田上春舎尼
尾崎蘿月
大槻玄沢
小林一茶
酒井抱一
野呂介石
大黒屋光太夫
本居春庭
山本由之


時雨亭方丈記 福原遷都4

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歎く。みちのほとりをみれば車にのるべきは馬に
のり衣冠布衣なるべきは多くひだれを着た
り。みやこの條里忽にあらたまりてたゝひなびたる
ものゝふにことならず。世の乱るゝ瑞相と○ける
もしるく日をへつゝよの中つきたちて人の心も
さだまらず。民の愁へついにむなしからざれば
同年の冬猶この京に帰り○ふき。されどこぼち
わたせし家どもはいかなる○○との
○○○○○つたへきく古のかしこき御代には
憐みをもちて國をおさめ給ふ。即みどのにかやを○

(前田家本)
嘆く。道の辺を見れば、車に乗るべきは馬に
乗り、衣冠布衣なるべきは、多く直垂を着た
り。都の条理、忽ちに改まりて、ただ鄙たる
武士に異ならず。世に瑞相とか聞ける
も著く、日を経つつ、世の中つき立ちて、人の心も
治まらず。民の憂へ、遂には空しからざりければ、
同じき年の冬、猶この京に帰り給にき。されども、毀ち
渡せりし家どもは、如何になりにけるにか、悉く元の樣に
しも造らず。伝へ聞く、いにしへのかしこき御世には、
憐れみを持ちて國を治め給。即ち、御殿に茅

(大福光寺本 )
ナケク。ミチノホトリヲミレハ車ニノルヘキハ馬ニ
ノリ衣冠布衣ナルヘキハ多クヒタゝレヲキタ
リ。ミヤコノ手振里タチマチニアラタマリテタゝヒナタル
モノゝフニコトナラス。世ノ乱ルゝ瑞相トカキケル
モシルク日ヲヘツゝ世中ウキタチテ人ノ心モ
ヲサマラス。タミノウレヘツヰニムナシカラサリケレハ
ヲナシキ年ノ冬ナヲコノ京ニ帰リ給ニキ。サレトコホチ
ワタセリシ家トモハイカニナリニケルニカ悉クモトノ様ニ
シモツクラス。ツタヘキクイニシヘノカシコキ御世ニハ
アハレミヲ以テ国ヲゝサメ給フ。スナハチ殿ニカヤ

明月記 元久二年三月二十八日 新古今仮名序草稿

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明月記 元久二年三月

廿九日。天晴る。…略。次で殿下に参ず。僧正の御坊、参じ給ふ。撰歌の間の事、頻りに召し問はる。又仮名序の御草賜はり、之を見る。殊勝と云々。尤も忩ぎ進覧せらるべき由、計ひ申し給ふ。愚意、又以て同じ。仮名序に云ふで古今殊に尋常に有り難き事かと。此の御文章、真実不可思議、此類なき者なり。終日御前に在り。夕に家長、新古今和歌集を持参し、先ず御覧を経。紕繆等直さるべきの由を申す。仰せ定めて、之を取り持ちて参ず。両三度、尋ね仰せらるる事等あり。又狼藉の目六を相副へて進上す。家長退出す。秉燭以後に退下す。…略。

仮名序

九条良経

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藤原良経ふじわらのよしつね1169~1206關白九條兼實の子。後京極殿と呼ばれた。新古今和歌集に関与

春歌上
春立つこころをよみ侍りける
みよし野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は來にけり
家の百首歌合に余寒のこころを
空はなほかすみもやらず風冴えて雪げにくもる春の夜の月
歸雁を
忘るなよたのむの澤をたつ雁も稻葉の風のあきのゆふぐれ
百首歌奉りし時
歸る雁いまはのこころありあけに月と花との名こそ惜しけれ
百首歌奉りし時
ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞ降る

春歌下
返し
さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪
殘春のこころを
吉野山花のふるさとあと絶えてむなしき枝にはるかぜぞ吹く
百首歌奉りし時
初瀬山うつろう花に春暮れてまがひし雲ぞ峯にのこれる
百首歌奉りし時
明日よりは志賀の花園まれにだに誰かは訪はむ春のふるさと

夏歌
千五百番歌合
有明のつれなく見えし月は出でぬ山郭公待つ夜ながらに
五十首歌人々によませ侍りける時夏歌とてよみ侍りける
うちしめりあやめぞかをる郭公啼くやさつきの雨のゆふぐれ
釋阿に九十賀給わせ侍りし時屏風に五月雨を
小山田にひくしめ繩のうちはへて朽ちやしぬらむ五月雨の頃
百首歌奉りし時
いさり火の昔の光ほの見えてあしやの里に飛ぶほたるかな
家百首歌合に
かさねても涼しかりけり夏衣うすきたもとにやどる月かげ
百首歌奉りし時
秋近きけしきの森に鳴く蝉のなみだの露や下葉染むらむ
五十首歌奉りし時
螢飛ぶ野澤にしげるあしの根の夜な夜なしたにかよふ秋風

秋歌上
百首歌奉りし時
荻の葉に吹けば嵐の秋なるを待ちける夜半のさをしかの聲
百首歌奉りし時
おしなべて思ひしことのかずかずになほ色まさる秋の夕暮
題しらず
暮れかかるむなしき空の秋を見ておぼえずたまる袖の露かな
家に百首歌よみ侍りけるに
物おもはでかかる露やは袖に置くながめてけりな秋の夕暮
五十首歌奉りし時月前草花
故郷のもとあらのこ萩咲きしより夜な夜な庭の月ぞうつろふ
建仁元年三月歌合に山家秋月といふことを
時しもあれふるさと人はおともせでみ山の月に秋風ぞ吹く
八月十五夜和歌所歌合に深山月といふことを
深からぬ外山の庵のねざめだにさぞな木の間の月はさびしき
五十首歌奉りし時
雲はみなはらひはてたる秋風を松にのこして月をみるかな
家に月五十首歌よませ侍りし時
月だにもなぐさめがたき秋の夜のこころも知らぬ松の風かな
五十首歌奉りし時野徑月
行くすゑは空もひとつのむさし野に草の原より出づる月かげ

秋歌下
百首歌よみ侍りけるに
たぐへくる松の嵐やたゆむらむおのえにかへるさを鹿の聲
和歌所歌合に月のもとに衣をうつといふことを
里は荒れて月やあらぬと恨みてもたれ淺茅生に衣打つらむ
百首歌奉りし時
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む
左大將に侍りける時家に百首歌合し侍りけるに柞をよみ侍りける
柞原しづくも色やかはるらむ森のしたくさ秋ふけにけり
家に百首歌合し侍りける時
立田姫いまはのころの秋かぜにしぐれをいそぐ人の袖かな

冬歌
百首歌奉りし時
笹の葉はみ山もさやにうちそよぎ氷れる霜を吹くあらしかな
題しらず
枕にも袖にも涙つららゐてむすばぬ夢をとふあらしかな
五十首歌奉りし時
水上やたえだえこほる岩間よりきよたき川にのこるしら波
百首歌奉りし時
かたしきの袖の氷もむすぼほれとけて寝ぬ夜の夢ぞみじかき
題しらず
いそのかみ布留野のをざさ霜を經て一よばかりに殘る年かな

賀歌
京極殿にて初めて人々歌つかうまつりしに松有春色といふことをよみ侍りし
おしなべて木のめもはるの淺綠松にぞ千世の色はこもれる
百首歌奉りし時
敷島ややまとしまねも神代より君がためとやかため置きけむ
千五百番歌合に
濡れてほす玉ぐしの葉の露霜に天照るひかり幾世經ぬらむ
家に歌合し侍りけるに春の祝のこころをよみ侍りける
春日山みやこの南しかぞおもふ北の藤なみ春にあへとは

哀傷歌
返し
見し夢にやがてまぎれぬ吾身こそ問はるる今日もまづ悲しけれ

羇旅歌
旅歌とてよめる
もろともに出でし空こそ忘られぬ都の山のありあけの月
和歌所月十首歌合のついでに月前旅といへるこころを人々つかうまつりしに
忘れじと契りて出でし面影は見ゆらむものをふるさとの月

戀歌一
家に歌合し侍りけるに夏戀のこころを
空蝉の鳴く音やよそにもりの露ほしあへぬ袖を人のとふまで
百首歌奉りしに
かぢをたえ由良の湊による舟のたよりも知らぬ沖つしほ風
和歌所の歌合に忍戀をよめる
難波人いかなる江にか朽ちはてむ逢ふ事なみにみをつくしつつ

戀歌二
百首歌奉りし時戀歌
戀をのみすまの浦人藻鹽垂れほしあへぬ袖のはてを知らばや
左大將に侍りける時家に百首歌合し侍りけるに忍戀のこころを
洩らすなよ雲ゐるみねの初しぐれ木の葉は下に色かはるとも
水無瀬の戀十五首歌合に夏戀を
草ふかき夏野わけ行くさを鹿の音をこそ立てね露ぞこぼるる
水無瀬戀十五首歌合に
山がつの麻のさ衣をさをあらみあはで月日やすぎ葺けるいほ
千五百番歌合に
歎かずよいまはたおなじ名取川瀬々の埋木朽ちはてぬとも
千五百番歌合に
身に添へるその面影も消えななむ夢なりけりと忘るばかりに
家に百首歌合し侍りけるに祈戀といへるこころを
幾夜われ波にしをれて貴船川そでに玉散るもの思ふらむ

戀歌三
後朝の戀のこころを
又も來む秋をたのむの雁だにもなきてぞ歸る春のあけぼの
水無瀬にて戀十五首歌合に夕戀といへるこころを
何故と思ひも入れぬ夕べだに待ち出でしものを山の端の月

戀歌四
題しらず
思ひ出でて夜な夜な月に尋ねずは待てと契りし中や絶えなむ
八月十五夜和歌所にて月前戀といふことを
わくらばに待ちつる宵もふけにけりさやは契りし山の端の月
百首歌奉りし時
いはざりき今來むまでの空の雲月日へだててもの思へとは
家に百首歌合し侍りけるに
思ひかねうちぬる宵もありなまし吹きだにすさめ庭の松風
家百首歌合に
いつも聞くものとや人の思ふらむ來ぬ夕暮のまつかぜの聲

雜歌上
百首歌奉りし時
月見ばといひしばかりの人は來でまきの戸たたく庭のまつ風

雜歌中
天の河原を過ぐとてむかし聞く天の河原を尋ね來てあとなき水をながむばかりぞ
百首歌奉りしに山家のこころを
忘れじの人だに訪はぬ山路かな櫻は雪に降りかはれども
百首歌よみ侍りけるに
ふる里はあさぢがすゑになりはてて月に殘れる人のおもかげ

雜歌下
千五百番歌合に
舟のうち波の下にぞ老いにけるあまのしわざも暇なの世や
千五百番歌合に
浮き沈み來む世はさてもいかにぞと心に問ひて答へかねぬる
題しらず
われながら心のはてを知らぬかな捨てられぬ世のまた厭はしき
題しらず
おしかへし物を思ふは苦しきに知らずがほにて世をや過ぎまし

神祇歌
大將に侍りける時勅使にて大神宮に詣でてよみ侍りける
神風や御裳裾川のそのかみに契りしことのすゑをたがふな

釋敎歌
家に百首歌よみ侍りける時十界のこころをよみ侍りけるに縁覺のこころを
奧山にひとりうき世は悟りにき常なき色を風にながめて

新古今集断簡 蔵書

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ノートルダム清心女子大学
古典叢書第三期1

新古今集断簡




編集:ノートルダム清心女子大学古典叢書刊行会
編集責任 赤羽淑
初版:昭和56年10月1日
発行:福武書店


解題 赤羽淑
正宗敦夫文庫。旧正宗家旧蔵本ではあるが、昭和51年ノートルダム清心女子大学所蔵となった。元々は京都のさる寺の襖の裏に貼ってあったものを昭和20年に正宗敦夫氏が姫路の古本屋から購入と聞く。54年補修。
一面10行一首二行で鎌倉期写本と推察。

巻第十一から巻第十六までの残葉を一帖に集めたもの。
撰者名と隠岐本柵除合点と切出合点注記をあわせ持つ隠岐本系統。
撰者名は片字「ナウ⻖牙」
切出合点注記は「被出了」。

能宣の「みづぐきの」歌(1801)には詞書、詠者名にも合点があり、他本では切出歌に分類されている事から切出合点と推測。

小宮本に近く、独自の異同や鷹司本、久曽神本、穂久邇本との一致部分もある。

絵入雁笹表紙 新古今和歌集 第三巻 蔵書

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挿絵入り新古今和歌集 第三巻
恋歌一~恋歌五

表紙雁と笹

刊行年代不明。元禄2年刊本のようであるが絵が少ない。その分表紙に絵が有る。
題紙は剥がれて無い。



旧蔵者
マツシン 松原亭 不明

裏表紙

明月記 元久二年四月三日 良経の呼出

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明月記 元久二年四月

三日。天晴る。…略。
殿下より、勅撰の事仰せ合せらるべし。参ずべき由、仰せらる。明後日参ずべきの由、申し了んぬ。

明月記 元久二年四月五日 良経の質問

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明月記 元久二年四月

五日。天晴る。早旦に京を出で、直ちに九条に入る。即ち宜秋門院殿下に参ず。御神事と雖も、此の御所に於て、仰せらるべき事等ありと云々。未の時、殿下参ぜしめ給ふ。即ち台盤所の方に於て、尋ね仰せらる事等あり。昏景に入りおはしまして、退下す。…略。

万葉集 貧窮問答歌 万葉集古義

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萬葉集古義五巻之下 百二十三頁

貧窮問答歌并短歌
ヨノナカヲ  ウ シ ト ヤ サ シ ト    オ モ ヘ ドモ   トビタチカ ネ ツ  トリニ シ ア ラ ネ バ
世間乎。宇之等夜佐之等。於母倍杼母。飛立可禰都。鳥禰之安良禰婆。
ウ シ ト ヤ サ シ ト   ウルサ    ハヅカ
宇之等夜佐之等は厭し思ひ、耻しと思へどもの意なり。
…略。
○歌ノ意はかく貧しく窮て世ノ間に住むは厭し思ひ、耻しと思へどもの、鳥にてあらねば飛て去む事も叶はずして、いと苦しとなり。

紅葉賀 青海波 画家不明コレクション

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朱雀院の行幸は、神無月の十日あまりなり。 世の常ならず、おもしろかるべきたびのことなりければ、 御方々、物見たまはぬことを 口惜しがりたまふ。 主上も、 藤壺の見たまはざらむを、飽かず 思さるれば、 試楽を御前にて、せさせたまふ。

源氏中将は、青海波をぞ舞ひたまひける。 片手には 大殿の頭中将。容貌、用意、人にはことなるを、立ち並びては、なほ花のかたはらの深山木なり。
 入り方の日かげ、さやかにさしたるに、楽の声まさり、もののおもしろきほどに、同じ舞の足踏み、おももち、世に見えぬさまなり。詠などしたまへるは、「これや、仏の御迦陵頻伽の声ならむ」と聞こゆ。おもしろくあはれなるに、 帝、涙を拭ひたまひ、 上達部、親王たちも、みな泣きたまひぬ。詠はてて、袖うちなほしたまへるに、待ちとりたる楽のにぎははしきに、顔の色あひまさりて、 常よりも光ると見えたまふ。



平成29年12月8日 參點弐

夏歌 慈円 晩夏荻上風 櫛笥某筆コレクション

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櫛笥前中納言隆○卿
    前大僧正慈鎮

ほに   雲まよふ

  いでぬ 夕に秋を

 おぎの   こめながら

   上哉   風も


新古今和歌集巻第三 夏歌
  夏の歌とてよみ侍りける
雲まよふ夕べに秋をこめながらかぜもほに出でぬ荻のうへかな
読み:
くもまようゆうべにあきをこめながらかぜもほにいでぬおぎのうえかな 隠


櫛笥家で中納言だったのは
隆朝 1645 権中納言
隆賀 1697-1700 権中納言
隆成 1722-1724 権中納言
隆兼 1732-1737 権中納言
隆望 1767-1772 権中納言

雑歌中 良経 関路秋風2 筆者不明コレクション

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〇〇中納言〇〇

 後亰極攝政前太政大臣

人すまぬ不破の

  せきやのいた○
        し
 あれにしのちは

   たゞあきのかぜ


新古今和歌集 巻第十七 雜歌中
 和歌所の歌合に關路秋風といふことを
             攝政太政大臣
人住まぬ不破の關屋の板びさし荒れにし後はただ秋の風

読み:ひとすまぬふわのせきやのいたびさしあれにしあとはただのあきのかぜ 隠

意味:人が住まなくなった不破の関の板の庇に、すっかり荒れてしまった後は、ただ秋風だけが寂しく吹いている

作者:藤原良経ふじわらのよしつね1169~1206關白九条兼実の子。後京極殿と呼ばれた。新古今和歌集に関与

備考:和歌所影供歌合
歌枕名寄、新三十六人歌合、定家十体、美濃の家苞、常縁原撰本新古今和歌集聞書、新古今抜書抄、新古今注、九代抄、九代集抄、聞書連歌、古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)


筆者不明

平成29年12月5日 點參參

明月記 元久二年四月十五日 良経の切り接ぎ

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明月記 元久二年四月

十五日。天晴る。巳の時許りに京より告げて云ふ、夜部家長云ふ、御神事全く憚らず。明日早々参上すべしといへり。即ち馬を借り求めて馳せ出で、午の時、院に参ず。新古今、又取り破らる。殿下より申さしめ給ふの故と云々。散々に切り次ぐ。今日、功を終へず。或は入れ或は出す。又其の所を置き替ふ。予の歌三首出され、四首入れらる。今度の歌、皆尋常の由存ずる歌なり。悦びとなし、夕に退出す。…略。

恋歌二 家隆 飛鳥井某筆コレクション

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飛鳥井中納言雅○

   從二位家隆

     思ひ出
昨日の    よ
 雲の   たが

 跡の    かね事
         の
   山  すゑ

    かぜ  ならむ


新古今和歌集巻第十二 恋歌二
千五百番歌合に
    藤原家隆朝臣
思ひ出でよ誰がかねごとの末ならむ昨日の雲のあとの山風

千五百番歌合


飛鳥井家で江戸時代に中納言だったのは
飛鳥井雅庸 1612 権中納言
飛鳥井雅章 1649 権中納言
飛鳥井雅豊 1706-1711 権中納言
飛鳥井雅香 1739 権中納言
飛鳥井雅重 1756 権中納言
飛鳥井雅威 1792 権中納言
飛鳥井雅光 1824 権中納言
飛鳥井雅久 1843 権中納言
飛鳥井雅典 1861 権中納言

平成29年12月5日 點參參

文屋康秀 百人一首久世通夏筆コレクション

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久世三位通夏卿

    文屋康秀

吹からに

   野邊の

風を    草木の

あらしと しほぬれば
 いふ
  らむ   むべ山

古今集巻第五 秋歌下
これさだのみこの家の歌合のうた
       文屋やすひで
吹くからに秋の草木のしをるればむべ山かぜをあらしといふらむ


[user_image 5a/08/a3d1a1a84d0aa101ee65216e96865529.jpg久世通夏
延享四年(1747)
中院通茂の三男、経式の嗣子。初名顕長・通清改めて通夏。熊沢蕃山高弟の父に依り厳しい訓を受け、学問に深く傾倒した。正二位権大納言を務める。
通称:蝦大納言
1686 左近衛少将
1690 左近衛中将
1698 正四位下
1702 従三位  ★
1710 正三位
1717-1719 参議 ★
1720 従二位
1727 権中納言
1734 正二位
1736 権大納言

平成29年12月5日 點參參

日本書蹟大鑑 第二十四巻 目次 蔵書

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日本書蹟大鑑
小松茂美著
   講談社
拾點伍

第二十四巻

松平定信
近藤守重
石川雅望
良寛
十返舎一九
堀田正敦
頼山陽
巻菱湖
本居太平
古筆了意
頼杏坪
田能村竹田
豪湖寛海
華岡青洲

最上徳内
大塩平八郎
仙厓義梵
宙宝宗宇
谷文晁
光格天皇
立原杏所
屋代弘賢
林述斎
渡辺崋山
加茂季鷹
鈴木牧之
小寺清之
頼梅颸
香川景樹
平田篤胤
松崎慊堂
猪飼敬所
仁孝天皇
伴信友
日野資愛
小山田与清
穂井田忠友
滝沢馬琴

帆足万里

高野長英

水野忠邦
銭屋五兵衛

千種有功

万葉集 貧窮問答歌 万葉集代匠記

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萬葉集代匠記巻之五下
貧窮問答歌并短歌

ヨノナカヲ ウ シ ト ヤ サ シ ト  オ モ ヘ ドモ  トビタチカ ネ ツ トリニ シ ア ラ ネ バ
世間乎宇之等夜佐之等於母倍杼母飛立可禰都鳥爾之安良禰婆。
ヤサシトは論語云、邦有道貧且賤焉恥也、此意なり。飛立カ子ツは毛詩栢舟云、靜言思之不能奮飛、魏文帝雜詩云、願飛安得翼欲濟河無梁。


論語 泰伯第八 13
子曰。篤信好學。守死善道。危邦不入。亂邦不居。天下有道則見。無道則隱。邦有道。貧且賤焉。恥也。邦無道。富且貴焉。恥也。

子曰、篤く信じて学を好み、死を守りて道を善す。危邦には入ず、乱邦には居ず。天下道有れば則ち見われ、道無ければ則ち隠る。邦に道有るに、貧しく且賤しきは恥なり。邦に道無きに、富且貴きは恥なり。

『万葉代匠記』
江戸時代の国学者・契沖が著した『万葉集』の注釈・研究書。
水戸光圀の志により、『万葉集』の諸本を集め校訂する事業を行っており、寛文・延宝年間に下河邊長流が註釈の仕事を託された。長流が病でこの依頼を果たせなくなったときに、同好の士である契沖を推挙した。
代匠記が着手されたのは天和3年の頃であり、「初稿本」は貞享4年頃に、「精選本」は元禄3年に成立した。初稿本が完成した後、水戸家によって作られた校本(四點万葉集と中院本)と『詞林采葉抄』が契沖に貸し与えられ、それらの新しい資料を用いて初稿本をあらためたのが精選本である。

第二巻 41頁
種村宗八
早稲田大学出版

万葉集 貧窮問答歌 万葉集考証

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萬葉集攷證 第五巻

ヨノナカヲ   ウ シ ト ヤ サ シ ト   オ モ ヘ ドモ   トビタチカ ネ ツ トリニ シ ア ラ ネ バ
世間乎。(宇之等夜佐之等。於母倍杼母。飛立可禰都。鳥爾之安良禰婆。)
 ウ シ ト ヤ サ シ ト   
 宇之等夜佐之等。夜佐之は恥しき意也。
         上(攷證此巻四丁)に出たり。

トビタチカ ネ ツ
於母倍杼母。一首の意は、世の中てふものは、憂く恥しきものにぞとは思へども、
      鳥ならねば、いづくへも飛たちのがるゝ事なりがたしと也。



岸本 由豆流
寛政元年(1789年) - 弘化三年(1846年))
江戸時代後期の国学者。やまぶき園、尚古考証園と号した。
国学者・村田春海の門に入り、国学を学ぶ。早くに家業の弓弦師を長男に譲って退隠し、考証・著作に専念したという。著書に『万葉集考証』『土佐日記考証』『後撰集標注』などがある。

万葉集考証 171頁
岸本由豆流 著
武田祐吉 校丁
古今書院

万葉集 貧窮問答歌 万葉拾穂抄

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萬葉拾穂抄

貧窮歌并短歌

  反歌
世 間乎 宇之等夜佐之等於母倍杼母。
世のなかをうしとやさしとおもへども
飛 立 可禰都鳥 禰之安良禰婆
とびたちかねつとりにしあらねば

世のなかをうしとやさしと やさしは窶(ヤツシ)の字也。貧して礼なきを窶と云。
世をうし窶して賤ましとは云へども飛立んやう毛なし。鳥ならねばと也。

万葉拾穂抄
万葉集の注釈書。二〇巻三〇冊。北村季吟著。1686年成立、90年刊。従来の注釈を集大成したもの。初の全歌注釈として広く用いられた。

万葉拾穂抄 第2巻 201頁
北村季吟 著
新典社

年中行事絵巻 摸写コレクション

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年中行事絵巻は、後白河院の下命で藤原光長が画いたものである。
これを江戸時代の後水尾院が、住吉如慶、具慶親子に貸し与え、摸写させたものが現存している。
なお、住吉如慶は、土佐光吉の次男で、後水尾院より池尻宮内卿を通じて住吉姓を与えられ、法橋の位を授かった。寛文元年(1661年)に出家し、如慶と名乗った。
現在、住吉家伝来の摸本十六巻は、明治の終わり頃、田中有美、親美親子が買い求め、田中家の秘庫に入った。

オリジナル本については、万治四年 (1661)正月十五日の二条邸から出火した火事により、大内、仙洞御所、公卿邸119、寺院16、民家558軒を焼き付くした際に、灰塵となった。

それ以外の摸本としては、
①鷹司本 宮内庁書陵部
②芸大Ⅰ本 東京芸術大学蔵
③京大本 京都大学蔵
④陽明文庫Ⅰ本 陽明文庫蔵
⑤東博本 東京国立博物館蔵
⑥角川本 角川家蔵
⑦陽明文庫Ⅱ本 陽明文庫蔵
⑧松岡本 宮内庁書陵部
などが知られる。
その他、伏見稲荷大社本、小堀靹音旧蔵本、芸大Ⅱ本他がある。
①は住吉家本とは別系統。⑤は狩野探幽摸写本の系統。

当該摸写本は、年中行事絵巻の内、祇園会、そして伏見稲荷大社神幸祭の奔馬が疾駆して鐙が外れ、牛車、見物人が逃げ惑い、驚いた牛が暴走し、市女笠を轢いてしまった部分である。
伏見稲荷の一部が混入した理由は不明である。

住吉家本に比べると、同じく彩色を施されて無いが、住吉家本は、墨で塗り潰している部分も当該摸写本は、線のままである。
住吉家本
そして一ヶ所女性の衣に朱で模様が描かれている。

そして、紙の張り合わせが縦横にある。
つまり、オリジナル本を摸写した下絵と考えて良い。

惜しむらくは、一ヶ所最近破けて穴が開いている。何が描かれているか分からず、安物の下絵だと、扱いをぞんざいにしたのかも知れない。

平成29年12月20日 拾點壱肆
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