素戔嗚尊(牛頭天王)の神輿である事は、鳳凰を乗せた鳳輦である事から分かる。
その横では、動物舞の原形である獅子舞が、笛や太鼓で踊っている。
神輿の前を鉾を持った者が4名おり、これが山鉾の原形で、人が持ち運べなくなった事から台車で運ぶように、人が乗って演奏するようになったのが、山鉾巡行である。
さらにその前を太鼓と鉦を棒に吊り下げ前後二人で担ぎ、演奏している。
横を獅子舞が行われており、元々の祇園囃子は、獅子舞の曲だったと考えられる。事実、現在良く聞く祇園囃子の曲名は獅子である。
さらにその前を市女笠を被った巫女が騎乗している。現在は山鉾巡行に女性が参加する事は無いが、平安期には、巫女が三名も、しかも騎乗で参加していた。
その横では、散手(天狗舞)を踊っている。現在の雅楽の散手は、このように鉾を抱えるような仕種は無く、独特の踊りであろ。鼻の高い天狗面を付けており、神輿の先導した猿田彦を演じているのかも知れない。現在でも、八坂神社の摂社で猿田彦を祀っている。