明月記 元久二年三月
廿九日。天晴る。…略。次で殿下に参ず。僧正の御坊、参じ給ふ。撰歌の間の事、頻りに召し問はる。又仮名序の御草賜はり、之を見る。殊勝と云々。尤も忩ぎ進覧せらるべき由、計ひ申し給ふ。愚意、又以て同じ。仮名序に云ふで古今殊に尋常に有り難き事かと。此の御文章、真実不可思議、此類なき者なり。終日御前に在り。夕に家長、新古今和歌集を持参し、先ず御覧を経。紕繆等直さるべきの由を申す。仰せ定めて、之を取り持ちて参ず。両三度、尋ね仰せらるる事等あり。又狼藉の目六を相副へて進上す。家長退出す。秉燭以後に退下す。…略。
仮名序
廿九日。天晴る。…略。次で殿下に参ず。僧正の御坊、参じ給ふ。撰歌の間の事、頻りに召し問はる。又仮名序の御草賜はり、之を見る。殊勝と云々。尤も忩ぎ進覧せらるべき由、計ひ申し給ふ。愚意、又以て同じ。仮名序に云ふで古今殊に尋常に有り難き事かと。此の御文章、真実不可思議、此類なき者なり。終日御前に在り。夕に家長、新古今和歌集を持参し、先ず御覧を経。紕繆等直さるべきの由を申す。仰せ定めて、之を取り持ちて参ず。両三度、尋ね仰せらるる事等あり。又狼藉の目六を相副へて進上す。家長退出す。秉燭以後に退下す。…略。
仮名序