後京極摂政前太政大臣
きり/"\す
鳴や霜
よの
さむ
し
ろに
衣かたし
き
ひとり
かもねむ
ーーーーーーーーー
○後京極攝政
前太政大臣
良經公系圖法
性寺殿の下に有
後法性寺前関
白兼實公二男
母從三位藤季
行女
引哥
ほとゝぎす
なくや
さ月の
みじか夜も
ひとり
し
ぬれば
明し
かね
つゝ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
此哥の心は霜夜の比さむしろに
ひとりねてきり/"\すのとこの
ほとりになくこゑをきゝ夜も
すがらさびしくもあはれにもか
なしくも思ひつゞけてながきよ
をあかしたる心ばへまことにその
人になして見侍らばゆうに哀
なるべしさむしろはたゞむしろなり
せばきむしろとかけりひとり
かもねんによくいひかなへたる也
あし引の哥の
こゝろを
おもひ侍らん
ーーーーーーーーーーーーーーーー
万葉集巻第十
夏相聞
寄鳥
霍公鳥来鳴五月之短夜毛獨宿者 明不得毛
霍公鳥来鳴く五月の短夜もひとりし寝れば明かしかねつも