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Channel: 新古今和歌集の部屋
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源家長日記 元久元年十一月十日春日社歌合

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此内大臣殿の御事に、ひさしく御歌あはせなどもはへざりき。そのつぎのとし冬比、春日社の歌合とて侍りき。此つかひはをなし程のよみくちと、世の人のてつかひおもへるをえりあはせられたりしかば、いつよりも此たびはまけしはやなどと、だれも/"\思あへり。此歌合に、よみくちときこゆるひとびとせう/\歌めされ侍。祝部成茂と申ものはし「めて歌めさるれば、成中がまご政中が子也。重代のうへによみくち」と人々申しあへり。読てたてまつりしうち落葉といふ題の歌、
冬の來て山もあらはに木のはふりのこる松さへみねにさびしき
此御歌合、和歌所にて衆儀はん也しに、この歌をよみあげたるを、たび/"\詠せさせ給、よろしくよめるよしの御氣色なり。
次のあしたによべの御歌合めしよせて御らんずるを、成茂が歌かんしおぼしめすよし、御教書を仰くださる。やがて御教書かきてつかはしき。

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