明月記 元久二年
二月
廿八日。天晴る。皇子御著袴に依り、院に参ぜず。巳の時許りに召しに依り殿に参ず。未の時許りに退出し、中納言中将に参ず。見参の後、院に参ぜしめ給ふ。女院に参じ、戌の時許りに帰宅す。今日聞く、右京権大夫入道、日来病悩。夜前巳に入滅すと。聞き及ばずして、病を問はず。臨終の体殊勝。高声に念仏し、清衣を著け、五色の糸を引き、坐し乍らに終ふと云々。今夜、忠弘を以て之を問はしむ。
二月
廿八日。天晴る。皇子御著袴に依り、院に参ぜず。巳の時許りに召しに依り殿に参ず。未の時許りに退出し、中納言中将に参ず。見参の後、院に参ぜしめ給ふ。女院に参じ、戌の時許りに帰宅す。今日聞く、右京権大夫入道、日来病悩。夜前巳に入滅すと。聞き及ばずして、病を問はず。臨終の体殊勝。高声に念仏し、清衣を著け、五色の糸を引き、坐し乍らに終ふと云々。今夜、忠弘を以て之を問はしむ。