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Channel: 新古今和歌集の部屋
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美濃の家づと 秋歌上4

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         顕昭

水ぐきの岡のくず葉も色づきてけさうらがなし秋の初風

めでたし。詞もすべてめでたし。 上句、万葉十に、√水ぐ

きの岡のくず葉も色付にけり。 四の句は、後拾遺秋上、√まく

ず原玉まく葛のうら風のうらがなしかる秋はきにけり。

うらは、葛の縁の詞なり。

         越前

秋はたゞ心よりおく夕霧を袖のほかともおもひけるかな

四の句に袖といへるにて、二三の句の、心よりおく露は、涙なること

 

をしらせ、三の句に露といへるにて、四の句の袖の外は、草葉の露な

ることをしらせたり。かやうの所はたらき也。心得おくべし。

一首の意は、秋のほど、露のしげきは、たゞ物おもふ心より

おく、袖の涙なる物を、草葉のうへとのみ思ひけることよとなり。

  後撰集に√我ならぬ草葉もものはおもひけり袖よ

り外におけるしら露。

五十首哥奉りし時秋の哥   雅經

きのふまでよそに忍びし


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