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Channel: 新古今和歌集の部屋
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鴨長明方丈記之抄 日野の庵4 友も無し

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友もなし。殊更に無言をせざれども、ひ

とりをれは口業をおさめつべし。かならす

禁戒を守るとしもなけれ共、境界

なければ何に付てかやぶらん。若跡の

白波に身をよする朝には岡の屋に

行かふ舟をながめて満沙弥が風情

をぬすみ、もし桂の風ばちをならす

夕には、潯陽の江をおもひやりて源

都督のながれをならふ。もしあまり興

あればしは/"\松のひゞき秌風の楽を

たぐへ、水の音に流泉の曲をあや

    友もなし。殊更に無言をせざれども、独りをれば、口業を修め つべし。必ず禁戒を守るとしもなけれ共、境界なければ、何に つけてか破らん。若し、跡の白波に身を寄する朝には、岡の屋 に行かふ舟を眺めて、満沙弥が風情を盗み、もし、桂の風ばち を鳴らす夕には、潯陽の江を思ひやりて、源都督の流れを習ふ。 もし、あまり興あれば、しはしば松のひびき、秋風の楽をたぐ へ、水の音に流泉の曲をあや   (参考)前田家本 人も無し。殊更に無言をせざれども独りをれば口業を修め つ。必ず禁戒を守るとしも無けれど、境界無ければ何に つけてか破らん。もし、跡の白波に身を寄する朝には、岡の屋 に行き交ふ舟を眺めて、満沙弥の風情を盗み、もし桂風、葉 を鳴らす夕には、潯陽の江を思ひやりて、源都叔の行ひを習ふ。 もし餘興あれば、しばしば松の響に秋風楽をたぐ へ、水の音に流泉の曲を操   (参考)大福光寺本 人モナシ。コトサラニ無言ヲセサレトモ独リヲレハ口業ヲゝサメ ツヘシ。必ス禁戒ヲマモルトシモナクトモ境界ナケレハナニゝ ツケテカヤフラン。若アトノシラナミニコノ身ヲヨスルアシタニハヲカノヤ ニユキカフ舩ヲナカメテ満沙弥カ風情ヲヌスミモシカツラノカセハ ヲナラスユフヘニハ尋陽ノエヲゝモヒヤリテ源都督ノヲコナヒヲナラフ。 若余興アレハシハシハ松ノヒゝキニ秋風楽ヲタク ヘ水ノヲトニ流泉ノ曲ヲアヤ
       
潯陽の江 白居易琵  琶行潯陽江頭夜送  客楓葉荻花秋瑟瑟。  など詠じて琵琶をき  くことあり。     琵琶行 一        白居易 潯陽江頭夜客を送る。 楓葉荻花秋瑟瑟。 主人は馬より下り、客は船に 在り。 酒を舉げて飮まんと欲して、管絃無し。 醉成さずして、歡慘として將に別れんとす。 別るる時茫茫として、江は月を浸す。 忽ち聞く、水上琵琶の聲。 主人は歸るを忘れ、客は發せず。 聲を尋ねて闇に問ふ。彈く者は誰ぞと。 琵琶聲停みて、語らんと欲して遲し。 船を移し、相ひ近づきて、邀へて相ひ見、 酒を添へ、燈を迴らし、重ねて宴を開く。 千呼萬喚始めて出で來たり。 猶琵琶を抱きて、半ば面を遮る。     雅楽 琵琶秘曲〈石上流泉・上原石上流泉〉各一返~平安時代末期琵琶譜『三五要録』にもとづく再現~

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