くわんしゆ う ぶりやう
勧酒 于武陵
きみにすゝむきんくつし。まんしやくぢすべからず。
はなひらけばふうゝおゝく、じんせいべつりにたる。
いまそこもとに上だす其さかづきとくと一はい上まずさしだしなされを此のごとく
はながひらきても見てたのしむうち、いまにも雨風があれはちりまする人けんも其ごとく
會者定離あふはわかれのはじめなればりうりに事たりこものてこざるよふてたのしまればと也
勸君金屈巵
満酌不須辭花發
多風雨人生足
別離
勧酒 于武陵
君に勧む金屈巵。
満酌辞すべからず。
花発(ひら)けば風雨多く、
人生別離に足る。
意訳
君にこの黄金の杯で酒を勧めよう。
だから、なみなみと注いだ酒を断ったりするものでは無いよ。
まあ今を盛りと花が開いていても、兎角突然の風雨で散ってしまうものだ。
人生は別離はつきもの。だから今日は風景を楽しみ、十分飲んで語り合おう。
※金屈巵 黄金製の杯で、取手がついてティーカップの様な形で贅沢なもの。
※不須辞 辞退するには及ばない。
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