雨中無常といふことを
太上天皇
なき人の形見の雲やしぐる覧夕べの雨に色は見えねど
琵琶皇太后宮隠れて後十月ばかり彼の宮の人々の中
に誰ともなくてさしおかせたる
相模
神無月しぐるヽころもいかなれや空に過ぎにし秋のみや人
右大將通房身まかりて後手習ひすさびて侍りける
あふぎを見出してよみ侍りける
土御門右大臣女
てすさびのはかなき跡と見しかどもながき形見に成にける哉
読み:なきひとのかたみのくもやしぐるらむゆうべのあめにいろはみえねど
読み:かんなづきしぐるるころもいかなれやそらにすぎにしあきのみや人
読み:てすさびのはかなきあととみしかどもながきかたみになりにけるかな
太上天皇
なき人の形見の雲やしぐる覧夕べの雨に色は見えねど
琵琶皇太后宮隠れて後十月ばかり彼の宮の人々の中
に誰ともなくてさしおかせたる
相模
神無月しぐるヽころもいかなれや空に過ぎにし秋のみや人
右大將通房身まかりて後手習ひすさびて侍りける
あふぎを見出してよみ侍りける
土御門右大臣女
てすさびのはかなき跡と見しかどもながき形見に成にける哉
読み:なきひとのかたみのくもやしぐるらむゆうべのあめにいろはみえねど
読み:かんなづきしぐるるころもいかなれやそらにすぎにしあきのみや人
読み:てすさびのはかなきあととみしかどもながきかたみになりにけるかな