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歌枕名寄  河内、和泉、摂津

歌枕名寄 河内、和泉、摂津

河内
生駒山
585 第六 冬歌 題しらず 西行法師 秋篠やとやまの里やしぐるらむ生駒のたけに雲のかかれる
交野・御野
539 第五 秋歌下 法性寺入道前關白太政大臣家歌合に 前參議親隆 鶉鳴く交野に立てる櫨紅葉散りぬばかりに秋かぜぞ吹く
688 第六 冬歌 鷹狩のこころをよみ侍りける 左近中將公衡 狩りくらし交野の眞柴折りしきて川瀬の月を見るかな
685 第六 冬歌 百首歌めしける時 崇院御歌 御狩する交野のみ野に降る霰あなかままだき鳥もこそ立て
114 第二 春歌下 攝政太政大臣家に五十首歌よみ侍りけるに 皇太后宮大夫俊成 またや見む交野のみ野のさくらがり花の雪散る春のあけぼの
1110 第十二 戀歌二 百首歌奉りし時 皇太后宮大夫俊成 逢ふことはかた野の里のささの庵しのに霧散る夜はの床かな
天の河
1652 第十七 雜歌中 天の河原を過ぐとて 攝政太政大臣 むかし聞く天の河原を尋ね來てあとなき水をながむばかりぞ
和泉

信太森
307 第四 秋歌上 題を探りてこれかれ歌よいけるにしのだの社の秋風をよめる 藤原經衡 日を經つつ音こそまされいづみなる信太の森の千枝の秋かぜ
1820 第十八 雜歌下 和泉式部道貞に忘られて後程なく敦道親王かよふと聞きて遣はしける 赤染衞門 うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風

奥津浜
934 第十 羇旅歌 守覺法親王の家に五十首歌よませ侍りけるに旅歌 藤原定家朝臣 こととへよ思ひおきつの濱千鳥なくなく出でしあとの月影

吹居浦
1721 第十八 雜歌下 殿上離れ侍りてよみ侍りける 藤原正 天つ風ふけひの浦にゐる鶴のなどか雲居にかへらざるべき

摂津
難波
973 第十 羇旅歌 入道前關白家百首歌に旅のこころを 皇太后宮大夫俊成 難波人葦火たく屋にやどかりてすずろに袖のしほたるるかな
1591 第十七 雜歌中 題しらず 紀貫之 難波女の衣ほすとて刈りてたく葦火の煙立たぬ日ぞなき
400 第四 秋歌上 八月十五夜和歌所歌合に海邊月といふことを 宜秋門院丹後 わすれじな難波の秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも
26 第一 春歌上 詩をつくらせて歌に合せ侍りしに水郷春望といふことを 藤原秀能 夕月夜しほ滿ちくらし難波江のあしの若葉を越ゆるしらなみ
823 第八 哀傷歌 大江嘉言對馬守になりて下るとて難波堀江の葦のうら葉にとよみて下り侍りにける程に國にて亡くなりにけりと聞きて 能因法師 あはれ人今日のいのちを知らませば難波の葦に契らざらまし
547 第五 秋歌下 津の國に侍りける頃道濟がもとに遣わしける 能因法師 夏草のかりそめにとて來しかども難波のうらに秋ぞ暮れぬる
1049 第十一 戀歌一 題しらず 伊勢 難波潟みじかき葦のふしのまもあはでこの世を過ぐしてよとや
57 第一 春歌上 百首歌奉りし時 源具親 難波潟かすまぬ浪もかすみけりうつるもくもるおぼろ月夜に
1553 第十六 雜歌上 題しらず 俊惠法師 難波がた汐干にあさるあしたづも月かたぶけば聲の恨むる

天王寺
1927 第二十 釋歌 天王寺の龜井の水を御覽じて 上東門院 濁なき龜井の水をむすびあげて心の塵をすすぎつるかな

御津
898 第十 羇旅歌 唐土にてよみ侍りける 山上憶良 いざこどもはや日の本へ大伴の御津の濱松待ち戀ひぬらめ

御津塩瀬
1920 第二十 釋歌 難波のみつの寺にて葦の葉のそよぐを聞きて 行基菩薩 葦そよぐ鹽瀬の浪のいつまでかうき世の中にうかび渡らむ

長柄
1594 第十七 雜歌中 長柄の橋をよみ侍りける 後大寺左大臣 朽ちにけるながらの橋を來て見れば葦の枯葉に秋風ぞ吹く
1593 第十七 雜歌中 長柄の橋をよみ侍りける 惠慶法師 春の日のながらの濱に船とめていづれか橋と問へど答えぬ

芦屋
1589 第十七 雜歌中 題しらず 在原業平朝臣 晴るる夜の星か河邊の螢かもわが住む方に海人のたく火か
255 第三 夏歌 百首歌奉りし時 攝政太政大臣 いさり火の昔の光ほの見えてあしやの里に飛ぶほたるかな
1588 第十七 雜歌中 題しらず 在原業平朝臣 葦の屋の灘の鹽やき暇なみ黄楊のをぐしもささず來にけり

住吉
1419 第十五 戀歌五 題しらず 藤原元眞 すみよしの戀忘草たね絶えてなき世に逢へるわれぞ悲しき
396 第四 秋歌上 八月十五夜和歌所歌合に月前松風といふことを 寂蓮法師 月は猶もらぬ木の間もすみよしの松をつくして秋風ぞ吹く
739 第七 賀歌 千五百番歌合に 藤原定家朝臣 わが道を守らば君を守らなむよはひはゆづれすみよしの松
1606 第十七 雜歌中 御返事 大貳三位 住吉の松はまつともおもほえで君が千年のかげぞ戀しき
1792 第十八 雜歌下 題しらず 皇太后宮大夫俊成 憂きながら久しくぞ世を過ぎにけるあはれやかけし住吉の松

住之江
725 第七 賀歌 天喜四年皇后宮の歌合に祝のこころをよみ侍りける 前大納言隆國 住の江に生ひそふ松の枝ごとに君が千歳の數ぞこもれる
1856 第十九 神祇歌 この歌は或人の住吉に詣でて人ならば問はましものを住の江の松は幾度生ひ變るらむとよみて奉りける御返事となむいへる (よみ人知らず) いかばかり年は經ぬとも住の江の松ぞふたたび生ひ變りぬる

住吉社
1855 第十九 神祇歌 住吉の御歌となむ (よみ人知らず) 夜や寒き衣や薄きかたそぎの行きあひの間より霜やおくらむ
1857 第十九 神祇歌 伊勢物語に住吉に行幸の時おほん神現形し給ひてとしるせり (よみ人知らず) むつまじと君はしらなみ瑞垣の久しき世より祝ひ初めてき
1914 第十九 神祇歌 奉幣使に住吉に參りて昔住みけるところの荒れたりけるをみてよみ侍りける 津守有基 すみよしと思ひし宿は荒れにけり神のしるしをまつとせし間に

敷津
916 第十 羇旅歌 敷津の浦に罷りて遊びけるに舟にとまりてよみ侍りける 藤原實方朝臣 船ながらこよひばかりは旅寝せむ敷津の浪に夢はさむとも

名児海
35 第一 春歌上 晩霞といふことをよめる 後大寺左大臣 なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふおきつしら浪
猪名野有馬山
910 第十 羇旅歌 題しらず よみ人知らず しなが鳥猪名野を行けば有馬山ゆふ霧立ちぬ宿はなくして

生田
289 第四 秋歌上 百首歌よみ侍りける中に 藤原家隆朝臣 昨日だに訪はむと思ひし津の國の生田の森に秋は來にけり

布引の滝
1650 第十七 雜歌中 京極前太政大臣布引の瀧見に罷りて侍りけるに 二條關白内大臣 みなかみの空に見ゆるは白雲のたつにまがへる布びきの瀧
1651 第十七 雜歌中 最勝四天王院の障子に布引の瀧かきたる所に 藤原有家朝臣 ひさかたの天つをとめがなつごろも雲居にさらす布引の瀧

三島江
228 第三 夏歌 題しらず 大納言經信 みしま江の入江の眞菰雨降ればいとどしをれて刈る人もなし
25 第一 春歌上 詩をつくらせて歌に合せ侍りしに水郷春望といふことを 左衞門督通光 みしま江や霜もまだひぬ蘆の葉につのぐむほどの春風ぞ吹く

須磨
1041 第十一 戀歌一 題しらず 藤原道信朝臣 須磨の蜑の浪かけ衣よそにのみ聞くはわが身になりにけるかな
1117 第十二 戀歌二 海邊戀といふことをよめる 藤原定家朝臣 須磨の蜑の袖に吹きこす鹽風のなるとはすれど手にもたまらず
1210 第十三 戀歌三 天暦御時まどほにあれやと侍りければ 女御徽子女王 馴れゆくはうき世なればや須磨の蜑の鹽燒衣まどほなるらむ
1065 第十一 戀歌一 人に遣はしける 藤原正 須磨の浦に蜑のこりつむ藻鹽木のからくも下にもえ渡るかな
1083 第十二 戀歌二 百首歌奉りし時戀歌 攝政太政大臣 戀をのみすまの浦人藻鹽垂れほしあへぬ袖のはてを知らばや
1433 第十五 戀歌五 題しらず よみ人知らず 白波は立ち騷ぐともこりずまの浦のみるめは刈らむとぞ思ふ
1555 第十六 雜歌上 和歌所の歌合に海邊月といふことを 藤原定家朝臣 藻汐くむ袖の月影おのづからよそにあかさぬ須磨のうらびと
1596 第十七 雜歌中 春須磨の方に罷りてよめる 藤原孝善 須磨の浦のなぎたる朝は目もはるに霞にまがふ海人の釣舟
1597 第十七 雜歌中 天暦御時屏風歌 壬生忠見 秋風の關吹き越ゆるたびごとに聲うち添ふる須磨の浦なみ

敏島
651 第六 冬歌 文治六年女御入内屏風に 正三位季經 風さゆるとしまが磯のむらちどり立居は波の心なりけり

垂水社 ※歌枕では無い
32 第一 春歌上 題しらず 志貴皇子 岩そそぐたるひの上のさ蕨の萌えいづる春になりにけるかな

五月山 ※歌枕では無い
193 第三 夏歌 題しらず よみ人知らず 五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまたなかむかも

待難山
205 第三 夏歌 寛治八年前太政大臣高陽院歌合に郭公を 周防内侍 夜をかさね待ちかね山のほととぎす雲居のよそに一聲ぞ聞く

羽束
1569 第十六 雜歌上 頼綱朝臣津の國の羽束といふ所に侍りける時遣はしける 前中納言匡房 秋果つるはつかの山のさびしきに有明の月を誰と見るらむ


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