新古今和歌集 巻第十四 戀歌四
水無瀬の戀十五首の歌合に
太上天皇
里は荒れぬ
尾上の宮のおの
づから
待ち來し
宵も
昔なりけり
読み:さとはあれぬおのえのみやのおのずからまちこしよいもむかしなりけり 隠
意味:古い離宮のあった里も自然と今は荒れ果てて、后の宮が帝を待っていた宵も昔となってしまった。
作者:後鳥羽天皇ごとば1180~1239譲位後三代院政をしく。承久の変により隠岐に流される。多芸多才で、新古今和歌集の院宣を発し、撰者に撰ばせた後更に撰ぶ。
備考:水無瀬恋十五首歌合。尾の上の宮 高円山にあった離宮。
本歌 高円の峰尾上の宮は荒れぬとも立たしし君の御名は忘れめや(万葉集巻第二十 4507 大原今城)
二月於式部大輔中臣清麻呂朝臣之宅宴歌十五首
依興各思高圓離宮處作歌五首
多加麻刀能 乎能宇倍乃美也波 安礼奴等母 多々志々伎美能 美奈和須礼米也
右一首治部少輔大原今城真人
八代集抄、美濃の家づと、常縁原撰本新古今和歌集聞書、新古今抜書抄、新古今注、九代抄、九代集抄、新古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)
写真 高円離宮のあったと推定される高円高校から高円山を