医心方とは、鍼博士丹波康頼が編纂し、永観二年(984年)朝廷に献上された日本現存最古の医学書である。
巻第十四「卒死并傷寒」
治住病方第十一
24 小児、寒熱シテ頭痛ミ、身熱ク及ビ一タビ吐哯セバ、麻子如リノ一丸ヲ服セ。
小児※しょう痩(ヤセヤセ)丁奚(アシタタズ)シ、食スルコト能ワズ、食スモ化セザルハ、将ニ二丸ヲ日ニ三タビ服セ。
丁奚(テイケイ)
「現代病名にはないが原文にアシタタズの傍訓がある。丁はクギ状のもの。奚はふくれた腹のこと。栄養失調で腹がふくれ、手足がクギのように痩せて立つことが出来ない状態であろう。」としている。
参考
医心方 丹波康頼撰、槇佐知子全訳精解 筑摩書房
写真:今熊野観音寺医聖堂と医心方碑