巻第二春下 今日の今宵に似る時は無し
新古今和歌集 巻第二春歌下 題しらず 在原業平朝臣 花に あかぬ 歎はいつもせしかども 今日の 今宵に 似る時は無し 読み:はなにあかぬなげきはいつもせしかどもきょうのこよいににるときはなし 備考: 伊勢物語二十九段 むかし、春宮の女御の御方の花の賀に、めしあづけられたりけるに 花に飽かぬなげきはいつもせしかども 今日のこよひに似る時はなし
View Article哀傷歌 泣き寝 筆者不明コレクション
入道摂政の為に萬燈會をこなはれ侍りけるに 東三条院 みな底にちヾのひかりはうつれども昔の影は見えずぞありける 公忠朝臣身まかりける頃よみ侍りける 源信明朝臣 物をのみ思ひ寝覚のまくらには涙かからぬあかつきぞなき 一条院かくれ給にければその御事のみ戀ひ歎き給て 夢にほのかに見え給ければ 上東門院...
View Article巻第二春歌下 花に物思ふ
新古今和歌集巻第二春歌下 百首歌に 式子内親王 はかなくて 過ぎにしかたを 数ふれば 花に 物思ふ 春ぞ 経にける 読み:はかなくてすぎにしかたをかぞふればはなにものおもふはるぞへにける
View Article春歌下 花見雨
新古今和歌集 巻第二春歌下 題しらず 山部赤人 春雨はいたくな降りそ さくら花 まだ見ぬ 人に散らまくも 惜し 読み:はるさめはいたくなふりそさくらばなまだみぬ人にしらまくもおし
View Article春歌下 入相の鐘に花ぞ散りける
新古今和歌集 巻第二春歌下 山里にまかりてよみ侍りける 能因法師 山里の 春の 夕ぐれ来て見れば いりあひの かねに 花ぞ散りける 読み:やまざとのはるのゆうぐれきてみればいりあひのかねにはなぞちりける
View Article春歌下 花の下風
新古今和歌集 巻第二春歌下 花見侍りける人にさそはれてよみ侍りける 康資王母 山ざくら花のした風吹きにけり 木のもとごとの 雪のむらぎえ 読み:やまざくらはなのしたかぜふきにけりこのもとごとのゆきのむらぎえ
View Article春歌下 交野の桜狩
新古今和歌集巻第二春歌下 摂政太政大臣家に五首歌よみ侍りけるに 皇太后宮大夫俊成 またや見む 交野の み野のさくらがり 花の雪 散る 春のあけぼの 読み:またやみむかたののみののさくらがりはなのゆきちるはるのあけぼの 備考:伊勢物語
View Article春歌下 苔に散り敷く落花
新古今和歌集巻第二春歌下 堀河院御時百首歌たてまつりけるに花歌 大納言師頼 木の もとの苔の 緑も見えぬまで 八重散り しける やまざくらかな 読み:このもとのこけのみどりもみえぬまでやえちりしけるやまざくらかな 備考:堀河院御時百首歌
View Article春歌下 関路落花
新古今和歌集 巻第二春歌下 (五十首歌たてまつりし中に) 関路花を 宮内卿 あふさかや こずゑの花をふくからに 嵐ぞ かすむ 関の 杉むら 読み:あふさかやこずえのはなをふくからにあらしぞかすむせきのすぎむら
View Article雑歌上 大内花見に昇進しない恨み
新古今和歌集 巻第十六雑歌上 藤原定家朝臣 春を経て みゆきに 馴るる花の蔭 ふりゆく身をも あはれとや思ふ はるをへてみゆきになるるはなのかげふりゆくみをもあわれとやおもう
View Article春歌下 湖上落花の跡
新古今和歌集 巻第二春歌下 五十首歌たてまつりし中に湖上花を 宮内卿 花さそふ 比良の山風 ふきにけり 漕ぎ 行く 舟の あと 見ゆる まで 読み:はなさそふひらのやまかぜふきにけりこぎゆくふねのあとみゆるまで 備考:建仁元年(1201年)9~12月仙洞句題五十首 本歌: 世の中のを何に喩へむ朝ぼらけこぎゆく舟の跡の白波(拾遺 哀傷 万葉集巻三 沙弥萬譬)...
View Article春歌下 花散る夢
新古今和歌集 巻第二春歌下 凡河内躬恒 いも やすく ねられざりけり 春の夜は 花の 散るのみ 夢にみえつつ 読み:いもやすくねられざりけりはるのよははなのちるのみゆめにみえつつ 紅枝垂桜
View Article春歌下 虚しき春雨
新古今和歌集 巻第二春歌下 式子内親王 花は散り その色となくながむれば むなしき空にはるさめぞ 降る 読み:はなはちりそのいろとなくながむればむなしきそらにはるさめぞふる
View Article春歌下 花散る別れ
新古今和歌集 巻第二春歌下 題しらず 西行法師 ながむとて 花にもいたく馴れぬれば 散る 別れこそ 悲しか りけれ 読み:ながむとてはなにもいたくなれぬればちるわかれこそかなしかりけれ
View Article春歌下 白雲山桜
新古今和歌集 巻第二春歌下 内大臣に侍りける時望山花といへるこころをよみ侍りける 京極前関白太政大臣 白雲の たなびく 山の やまざくら いづれを 花と 行きて 折らまし 読み:しらくものたなびくやまのやまざくらいづれをはなとゆきておらまし
View Article春歌下 誰が為か明日は残さむ
新古今和歌集 巻第二春歌下 小野宮のおほきいまうちぎみ月輪寺に侍りける日よめる 清原元輔 誰がためか明日は残さむ 山ざくら こぼれて 匂へ 今日の形見に 読み:たがためかあすはのこさむやまざくらこぼれてにおへきょうのかたみに...
View Article春歌下 散り残る花
新古今和歌集 巻第二春歌下 春の暮つ方実方朝臣のもとに遣はしける 藤原道信朝臣 散り残る花もやあると うちむれて み山がくれを 尋ねてし がな 読み:ちりのこるはなもやあるとうちむれてみやまがくれをたずねてしがな 意味:散り残っている桜は未だあるかもしれないと、貴方と一緒に連れだって深い山に隠れた花を訪ねたいものですね。...
View Article春歌下 井手の山吹
新古今和歌集 巻第二春歌下 百首歌たてまつりし時 皇太后宮大夫俊成 駒とめて なほ水かはむ 山吹の はなの 露そふ 井出の玉川 読み:こまとめてなほみずかはむやまぶきのはなのつゆそふいでのたまがわ 井手町玉川の山吹
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