明月記 建永二年四月二十三日 最勝四天王院屏風和歌評定
明月記 建永二年 四月 二十三日。天晴る。召しに依り未の時に参上す。名所の内、若の浦を入れざる如何の由、仰せ事有り。人々の定むる所か。仍て清範と示し合せ、摂津の国小屋(昆陽)、長柄橋を止め、紀伊国若の浦、吹上の二所を入れ、之を書き置く。最勝講御聴聞了んぬ。出でおはしますの後に退下す。ー略ー 此の間に又、和歌の沙汰。三代集の歌以下と又書き進むべしと。纏頭し了んぬ。
View Article明月記 建永二年四月二十八日 新古今召出て御覧
明月記 建永二年 四月 二十八日。天晴る。午終に颷。早旦、京に出づ。ー略ー。 小御所に於て撰歌を御覧ず(予、今夜之を進む)。御合点あり(清範御前に候す)。又新古今を召し出して御覧ず。殆ど暁鐘に及ぶ。小男退出せしむ。予、名謁を待つの後に退出す。ー略ー。
View Article明月記 建永二年五月二日 御点歌を書く
明月記 建永二年 五月 二日。天晴る。巳の時に参上す。新古今御点歌を書く。ー略ー。 亥の時許りに家綱奉行、源氏の集一帖を賜はり、其の歌を書き進むべき由、仰せ事有り。終夜之を書く。暁鐘以降に進上す(家綱に付く)。ー略ー
View Article小倉山百人一首 婦教訓萬宝全書安都麻嘉雅美2
提 提の手を 長柄 の○小紙 にて十二まくなり 長柄のゑ 銚 をまくは 月の数に なぞらへ 子 十二巻閏年 もは十三也 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 女手ならひ 教訓の書 古しへにて物かゝ ぬ人も世におほ かりしとは師り ○今此めでたき 御代にむまれ て物をかゝねば 常にふじゆう な○のみ○あり ーーーーーーーーーーーーーーーー 不明 ーーーーーーーーーーーーーーーー...
View Article小倉山百人一首 持統天皇
かぐ山 天の てふ ほす 衣 白妙の けらし 夏きに 春過て 持統天皇 ーーーーーーーー ○持統天皇 ぢどうとにごり てよむなり 女帝也御母は越 智姫大臣蘇我 山田石川丸女なり 天智天皇第二の 皇女天武天皇の 后なり草壁皇 子母后なり在位 十一年都は大和國 高原郡藤原の 都なり 大宝二年十二月十 日に崩御した 給ふなり ーーーーーーーーーーーーーーーー 此哥の心は卯月朔日衣がへの御哥也...
View Article小倉山百人一首 山部赤人
山邉の赤人 田子のうらに うちいでゝ みれば 白 妙の 冨士の高根 に 雪はふりつゝ ーーーーーーーー ○山邉赤人 あかみとゝよむ説 あれ○たゞ赤人と よむがよきなり 父祖不詳 神亀の比の人也 是は人丸とおなじく 秘傳ある事也 山邉は姓なる所 の名なりそれを 姓とす人丸の后 を犯て流されしが 万葉の時召かえ されて赤人と名を かへたりと云説ある 古今序に山邊赤人 といふべ人丸は赤人...
View Article小倉山百人一首 伊勢
伊勢 難波 がた みじ かき あしの ふしのま も あはで この世を 過してよとや ーーーーーーーー ○伊勢 祭主輔親母 上東門院女房 仍号伊勢大輔 系圖大中臣能 宣が所ニアリ 上東門院中宮 ノ時候ト云云 玉簪曰天子門 九ツアリ 謂開門 遠郊門 近郊門 城門 皐門 庫門 雉門 應門 路門 ※伊勢と伊勢大輔の錯綜があり、伊勢の略歴は伊勢大輔の欄にある。 ーーーーーーーーーーーーーーーー...
View Article小倉山百人一首 藤原兼輔
中納言兼輔 みかの原 わきて ながるゝ 泉 川 いつみき とてか 恋しかるらん ーーーーーーーー ○中納言兼輔 左中將利基男号 堤中納言左衞門 督從三位 系圖三条右大臣ノ 所ニ見エタリ 羕平三年五十七 歳ニテ薨 引哥 月かげもけふ みかのはら いづみ川 浪にやどりせ 今しばし 見ん ○○く けふみかのはら いづみ川 かわ風さむみ ころも...
View Article小倉山百人一首 紫式部
紫式部 めぐり あひ て 見しや それ とも わかぬ まに 雲かくれ にしよはの 月かな ーーーーーーーー ○紫式部 母常陸介攝津 守藤原為信女 上東門院女房 或鷹司殿女房 閑院左大臣 冬嗣公六男 良門──┐ ┌────┘ ├利基──┐ └高藤─┐│ ┌───┘│ │┌───┘ │└兼輔─┐ │┌───┘ │└惟正─┐ │┌───┘ │└為時─┐ │┌───┘ │└紫式部...
View Article時代不同歌合絵巻 業平vs良経 東博
廿二番 左 業平朝臣 はなにあかぬなげきはいつもせしかども けふのこよひににるときはなし 右 後亰極摂政前太政大臣 ふるさとのもとあらのこはぎさきしより よな/\にはのつきぞうつろふ 廿三番 左 月やあらぬはるや昔しのはるならむ わが身ひとつはもとのみにして 右 もらすなよ雲ゐるみねのはつしぐれ このはゝしたにいろかはるとも 廿四番 左 たがみそぎゆふつけどりかからころも...
View Article時代不同歌合絵巻 小町vs家隆 東博
十九番 左 小野小町 はなの色はうつりにけりないたづらに わが身よにふるながめせしまに 右 正三位家隆 したもみぢかつちるやまのゆふしぐれ ぬれてやしかのひとりなくらん 廿番 左 いろみえでうつろふものは世中の 人のこゝろのはなにぞありける 右 まつのとをおしあけがたの山かぜに くもゝかからぬつきをみるかな 廿一番 左 あまのすむうらこぐふねのかぢをなみ...
View Article時代不同歌合絵巻 敏行vs丹後 東博
廿五番 左 藤原敏行朝臣 秋きぬとめにはさやかにみえねども かぜのをとにぞおどろかれぬる 右 丹後 わすれじななにはの秋のよはのそら ことうらにすむつきはみるらん(とも) 廿六番 左 あきはぎのはなさきにけりたかさごの をのへのしかはいまやなくらん 右 おぼつかなみやこにすまぬみやこどり ○とゝふ人にいかゞこた○し 廿七番 左 あけぬとてかへるみちにはこきたれて...
View Article新古今和歌集遠鏡 蔵書
新古今和歌集遠鏡 佐佐木信綱 校閲 鴻巣盛廣 著 新古今和歌集遠鏡 東京 博文館蔵版 註釋者:鴻巣盛廣 初版:明治43年2月5日 発行:博物館 古今集遠鏡に倣って口語で註。但し、送り仮名はカタカナ。 底本は北村季吟の八代集抄と二十一代集流布本。 文中「美濃」とあるのは「美濃の家づと」、「尾張」とあるのは「尾張の家苞」、「抄」とあるのは季吟の「八代集抄」。
View Article時代不同歌合絵巻 元良親王vs定家 東博
三十一番 左 元良親王 はなのいろはむかしながらにみし人の こゝろのみこそうつろひにけれ 右 権中納言定家 ひとりぬるやまどりのをのしだりおの 重要文化財 為家本時代不同歌合絵巻 東京国立博物館蔵 名称:為家本時代不同歌合絵 年代世紀:鎌倉時代・14世紀 列品番号:A-19
View Article小倉山百人一首 曽祢好忠
曽祢好忠 ゆらのとを わたる 舟人 かぢ を たえ 行衛も しらぬ 恋の道かな ーーーーーーーーー ○曾祢好忠 先祖不見 寛和之比人云云 任丹後掾云云 依号曾丹 新古 紀の國やゆらの みなとに ひろふてふ 玉さかに だにあひ みてしがな 引哥 梶をたえ いのちも たゆと しらせばや なみだの うらに しずむ 舟人 ーーーーーーーーーーーーーーーー...
View Article