美濃の家づと 二の巻 秋歌上9
和哥所歌合に海邊月 家隆朝臣 秋のよの月やをじまのあまのはら明方ちかき沖のつり舟 明方ちかき程に、沖につり舟の見ゆるは、をじまのあまの、 月ををしむとて、こぎ出たるにやと也。 二三の句、いひかけ の重なりたるは、少しうるさし。 だいしらず 通光卿 立田山よはにあらしのまづふけば雲にはうときみねの月影 めでたし。 三の句、まづは先也。松とかける本はひが ごとぞ。...
View Article雑歌中 山、閑居 筆者不明断簡コレクション
題不知 在原元方 春秋もしらぬときはの山里は住人さへやおもがはりせぬ 五十首歌奉りし時 前大僧正慈円 花ならでたゞ柴の戸をさして思心のおくもみよしのゝ山 題しらず 西行法師 吉野山やがて出じと思身を花ちりなばと人や待つらん 藤原家衡朝臣 いとひても猶いとはしき世成けりよし野の奥の秋の夕暮...
View Article萬葉・古今・新古今集選 蔵書
萬葉・古今・新古今集選著者:松田武夫初版:昭和12年1月5日訂正版:昭和16年3月10日発行:白帝社万葉地図万葉集 1~ 98頁古今集 99~126頁新古今集 127~160頁底本は全て流布本を使用し下記を参考に更訂を加えた。万葉集 校本万葉集、新訓万葉集等古今集 大島雅太郎氏蔵本新古今集 大島雅太郎氏蔵隠岐老比丘本...
View Article雑歌下 松無常 筆者不明断簡コレクション
けふまでは人をなげきてくれにけりいつ身の上にならむとすらん だいしらず 清慎公みちしばの露にあらそふ我身哉いづれかまづはきえんとすらん 皇嘉門院何とかやかべにをふなる草のなよそれにもたぐふ我身なりけり 権中納言資実こし方をさながら夢になしつればさむるうつゝのなきぞかなしき 松の木のやけたるをみて...
View ArticleYouTube貼り付け試作 青海波
9分辺り。朱雀院の行幸は、神無月の十日あまりなり。 世の常ならず、おもしろかるべきたびのことなりければ、 御方々、物見たまはぬことを 口惜しがりたまふ。 主上も、 藤壺の見たまはざらむを、飽かず 思さるれば、 試楽を御前にて、せさせたまふ。源氏中将は、青海波をぞ舞ひたまひける。 片手には...
View Article美濃の家づと 二の巻 秋歌上10
定家朝臣 さむしろやまつよの秋の風ふけて月をかたしく宇治の橋姫 二三の句、詞めでたし。 本哥√さむしろに衣かたしき 云々。 こゝの哥も思ひやりたるさまなれば、らむなどいふ 詞なくてはいかゞ。又月のあへしらひの詞も、あらまほし。 又さむしろやとうち出たるも、いせのうみや、難波江やなど いへるとは、やうかはりて、よろしくも聞えず。或人の云。√さむし...
View Article尾張廼家苞 恋歌二8
尾張廼家苞 四之上 してとは、我故とはしりながらよそのことになしてと いへるにこそあれ。(我をこひおもふとはしりつゝ、誰をこひて袖の上 に月のやどるほどなきぬらし給ふぞといはんは、其 人を哢するにて、俗になぶるといふもの也。 しかいひて人のとへかしと、こひねがふべき事かは。) 久戀 越前...
View Article凡河内躬恒 俊成三十六人歌合 画家不明色紙コレクション
左 凡河内躬恒いづくとも はるの ひかりは わかなく にまたみよしのゝ 山は雪ふる俊成三十六人歌合いづくとも春の光はわかなくにまたみ吉野の山は雪ふる躬恒集いづことも春の光はわかなくにまたみ吉野の山は雪ふる 一打曇 上藍下紫令和2年3月13日 七/拾枚
View Article歌論 無名抄 基俊僻難事
基俊僻難事 俊恵云法性寺殿にて哥合ありけるに俊頼 基俊ふたり判者にて名をかくして當座に 判しけるに俊頼哥に くちをしや雲井がくれにすむたつも おもふ人にはみえける物を これを基俊鶴と心えてたつはさはにこそすめ。雲 井にすむことやはあると難じてまけになして ける。されど俊頼その座にはことばもくはへず。其 時殿下こよひの判の詞をの/\かきてまいらせよ とおほせられけるときなん俊頼朝臣これはた...
View Article紀友則 公任三十六人撰 画家不明歌仙絵色紙コレクション
右 紀友則 秋風に初かり がねぞ きこゆ なる たがたまづさを かきて きつらむ 古今和歌集 これさたのみこの家の歌合のうた 友則 秋風にはつかりがねぞきこゆなるたがたまづさをかけてきつらむ 公任三十六人撰 和漢朗詠集 打曇 上藍下紫 令和2年3月13日 七/拾枚
View Article尾張廼家苞 恋歌二9
尾張廼家苞 四之上 下句は、我は人をおもふに、人は我をおもはざるは、同じ心なら ざるに,せめては我をいふ心をなりとも,我と同じ心ぞと思ひてなぐ さめんと也。(一首の意,人にいとはるゝやうなうき身故,我さへいとふほどに,いよ/\ いとひ給へ、我身をいとふ心ばかりは、人もわれも同じ心なりとて、心を なぐさめんと也。同じ心に思はざる故に、同じ...
View Article藤原敦忠 公任三十六人撰 画家不明歌仙絵色紙コレクション
左中納言 敦忠 あひみての 後の心に くらぶれ ば むかしは ものを おもはざりけり 拾遺集 題しらず 中納言敦忠 逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔は物も思はざりけり 公任三十六人撰 百人一首 九 打曇 上藍下紫 令和2年3月13日 七/拾枚
View Article藤原高光 公任俊成三十六歌仙 画家不明歌仙絵色紙コレクション
右 藤原高光 かくばかりへがたく みゆる 世中に うらやまし くも すめる 月かな 拾遺集 法師にならむとおもひたち侍りける比、月を見侍りて かくばかりへがたく見ゆる世の中にうらやましくもすめる月かな 公任三十六人撰 俊成三十六人歌合 和漢朗詠集 栄花物語 十 打曇 上藍下紫 令和2年3月13日 七/拾枚
View Article源公忠 公任俊成三十六歌仙 画家不明歌仙絵色紙コレクション
左 源公忠朝臣 行やらで山路 くらしつ ほとゝぎす 今一聲の きかま ほし きに 拾遺集 北宮の裳着の屏風に 源公忠 ゆきやらで山路くらしつほととぎす今ひと声のきかまほしさに 公任三十六人撰 俊成三十六人歌合 和漢朗詠集 十一 打曇 上藍下紫 令和2年3月13日 七/拾枚
View Article美濃の家づと 二の巻 秋歌上11
題しらず あくがれてねぬよのちりのつもるまで月にはらはぬ床のさむしろ めでたし。 月には、月故になり。 百首哥奉りし秋のうた 式子内親王 秋の色はまがきにうとくなりゆけど手枕なるゝねやの月影 めでたし。下句詞めでたし。 上句は籬なる千種の花 の過行をいふ。 下句は次㐧に月のさやかなる比になりて、 手枕になるゝなり。 さて千種の花も月も、秋の物 なるが、其秋の色は、籬にうとくなれども、手枕なるゝと...
View Article都名所図会 巻之二 平安城尾 蔵書
都名所圖會 平安城 二 再 刺都名所図会 文章は秋里籬島 挿絵は竹原春朝斎 全6巻11冊 天明六年(1768年)刊 江戸時代後期に刊行された京都に関する地誌。「都名所」と称しているものの、その記述内容は洛中・洛外に限らず広く山城国全域に及んでいる。 都名所圖會巻之二目録 平安城尾 官者殿参 祇園御旅所 四條道場金蓮寺 十住心院 染殿地臧 大雲寺 祇園會鉾図...
View Article源順 公任俊成三十六歌仙 画家不明歌仙絵色紙コレクション
右 源順水のおもにてる 月なみを かぞふれば こよひぞ 秋のもなか 也 ける拾遺集屏風に、八月十五夜、池ある家に人あそびしたる所 源順水のおもに照る月なみをかぞふれば今宵ぞ秋のも中なりける公任三十六人撰俊成三十六人歌合和漢朗詠集令和2年3月13日 七/拾枚
View Article都名所図会 祇園会 蔵書
祇 園 會 鉾に 乗る 人の きほひも 都哉 其角山鉾の祭式いにしへは 名も異にして山崎の定 鉾大舎人の笠鷺鉾所〃 の跳鉾家々の笠車風流 の造り山八撥癖舞など いふありて荘も麁微なり 今は和漢の錦繍をまとひ 七宝を鏤め行粧厳重に して天下第一の奇観とも いふべし。 家集かさにさす 山鳥の尾の 長き日に 神の園とぞ けふ祭るらん 為家...
View Article清原元輔 公任三十六人撰 画家不明歌仙絵色紙コレクション
右 清原元輔 音なしの川とぞ つゐに ながれ出る いはで ものおもふ 人のなみだは拾遺集 しのびてけさうし侍りける女のもとにつかはしける 清原元輔 おとなしの川とぞつひに流れけるいはで物思ふ人の渡は 公任三十六人撰 おとなしの滝とぞつひになりにけるいはでものおもふ人のなみたは 「ながれいづる」とするものは無い。 十三...
View Article夏歌 夕顔 都名所図会 蔵書
夕顔塚は五条あたり 今の堺町松原のとあり。 源氏物語に出る夕 がほの前此所に住 けるよしいひ侍べり。 新古今 夕がほを よめる 白露の なさけ をきける ことのはや ほの/\みへし 夕顔の花 前太政大臣 謡曲 夕顔 新古今和歌集 夏歌 夕顔をよめる 前太政大臣...
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