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Channel: 新古今和歌集の部屋
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尾張廼家苞 恋歌二4

尾張廼家苞 四之上    水無瀬戀十五首歌合に    摂政山がつの麻のさ衣おさをあらみあはで月日や杉ふける庵  本歌、すまの海人の塩やき衣おさをあらみまどほにあれや  君が來まさね。萬葉に杉板もてふける板目のあはざらば (いかにせんとて  我ねそめけん。)云々。(此二首をとり合せ給へり。上ノ句はたゞ間遠なりといふ事なる...

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賀歌 良経 松有春色 冷泉為村筆掛軸コレクション

 亰極殿にて初て   人々哥つかうまつりしに   松有春色といふ      事をよみ侍           し    攝政太政大臣 をしなべて木のめも         はるの  浅みどり松にぞ千世            の       色はこもれ            る 新古今和歌集巻第七 賀歌  京極殿にて初めて人々歌つかうまつ  りしに松有春色といふことをよみ侍  りし...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上2

            顕昭 水ぐきの岡のくず葉も色づきてけさうらがなし秋の初風 めでたし。詞もすべてめでたし。 上句、万葉十に、√水ぐ きの岡のくず葉も色付にけり。 四の句は、後拾遺秋上、√まく ず原玉まく葛のうら風のうらがなしかる秋はきにけり。 うらは、葛の縁の詞なり。             越前 秋はたゞ心よりおく夕霧を袖のほかともおもひけるかな...

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羈旅歌 業平 伊勢物語八段 浅間嶽 筆者不明懐紙コレクション

むかしおとこ有けり   京やすみうかりけむ     あづまのかたに           ゆきて   すみ所もとむとて      ともとする       人       ひとり         ふたり         して          ゆき            けり しなのなる 浅まのたけ にたつけぶり 遠近人の みやはとがめむ 新古今和歌集巻第十 羇旅歌...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌3

  だいしらず      七條院ノ権ノ大夫 秋來ぬと松吹風もしらせけりかならず荻の上葉ならねど めでたし。下句詞めでたし。 かならずは、俗にあながち といふ意なり。こは哥にはをさ/\よまぬ詞なるを、此哥に にては、一首のまなことなりて、めでたし。 百首哥に        式子内親王 うた●ねの朝けの袖にかはるなりならす扇の秋のはつかぜ 七夕のうた       俊成卿...

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美濃の家づと 巻の一 夏歌7

      題しらず        西行 道のべにし水ながるゝ柳かげしばしとてこそ立どまりつれ しばしとおもひてこそ立どまりたるを、あまりすゞしさに、 えたちさらで、思はず時をうつしたることよと也。こそといひ、 つれといへるにて、その意見たり。 よられつる野もせの草のかぎろひて涼しくくもる夕立の空 下句詞めでたし。 初句は、夏の暑き日影に、草葉のよれ しゞみたるをいふ。...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上3

だいしらず      七條院ノ権ノ大夫 秋來ぬと松吹風もしらせけりかならず荻の上葉ならねど めでたし。下句詞めでたし。 かならずは、俗にあながち といふ意なり。こは哥にはをさ/\よまぬ詞なるを、此哥に にては、一首のまなことなりて、めでたし。 百首哥に        式子内親王 うたゝねの朝けの袖にかはるなりならす扇の秋のはつかぜ 七夕のうた       俊成卿...

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尾張廼家苞 恋歌二5

尾張廼家苞 四之上 (意、上の句は序。夕烟たつとかゝる。四五の句折かへして心うべし。  人をおもふおもひのたえずして、恋すといふ名のたつがくるしと也。)    海邊戀         定家朝臣 須广の蜑の袖に吹こす汐かぜのなるとはすれど手にもたまらず  なれゆけばうき世なればやすまのあまの塩焼衣まどほ  なるらむといふ哥をとりて、衣を風にかえて、風は袖になれ...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上4

百首哥に        摂政 荻の葉にふけばあらしの秋なるをまちけるよはのさをしかの聲 詞めでたし。 秋なるをとは、秋の聲にてかなしき 物を、といふこゝろなり。 一首の意は、嵐は荻の葉ふけば、 かなしき物を、又そのあらしのつてに、鹿の音を侍けること よ。何しに侍けむ。鹿の音も、きけば又いよ/\かなしさをそ ふるものをと也。秋なるをといひ、まちけるといふ。詞のいきほひ をもて知るべし。...

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歌論 無名抄 同人名字讀事

同人哥ニ名字ヲヨム事 法性寺殿に會ありけるとき俊頼朝臣まひりたり けり。兼昌こうじにて哥よみあぐるにとしよりの 哥に名をかゝざりければみあはせてうちしわぶきて 御名はいかにとしのびやかにいひけるをたゞよみ給へと いはれければよみける哥に   うのはなの身のしらがともみゆるかな   しつがかきねも俊頼にけり とかきたるを兼昌したなきしてしきりにうな づきつゝめでかんじけり。殿きかせ給てめして御...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上5

題しらず      寂蓮 さびしさはその色としもなかりけり槇たつ山の秋の夕暮 めでたし。           西行 こゝろなき身にもあはれはしられけり鴫たつ沢の秋の夕暮 めでたし。 西行法師すゝめける百首哥に           定家朝臣 見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮 二三の句、明石ノ巻の詞によられたるなるべけれど、けりといへる...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上6

千五百番哥合に        通具卿 深草のさとの月影さびしさもすみこしまゝの野べの秋風 めでたし。詞もめでたし。 深草の里の月を、今きて 見れば、昔住て見し時のまゝなるが、野べの秋風のさび しさも、又其時のまゝなるよと也。さびしさもといへる、も°ゝじ にて、月の昔のまゝなるといふ意を聞せたる也。月影のさび しといふにはあらず。三の句は下へつけて心得べし。 五十首歌奉りし時杜間月   俊成卿女...

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短歌:さくら花

    自閑さくら花   うつろふまでは     しばしとて ともに眺めて    ともにかたらむ

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尾張廼家苞 恋歌二6

尾張廼家苞 四之上  らん物をとしては、詞のうへも風流  に餘情かぎりなき物をや。    けしきといへる、此集のころの  歌におほし。文字ごゑ           にあらず。    かたらひ侍ける女の夢にみえて侍ければ                後德大寺左大臣 さめて後夢なりけりとおもふにも逢は名残のをしくやはあらぬ (一首の意は、おもふ人にあふと夢にみて、其夢がさめてから、さて今あふたのは...

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美濃の家づと 巻の二 秋歌上7

  題しらず        従三位頼政 こよひだれすゞふく風を身にしみてよしのゝたけの月を見るらん めでたし二三の句殊によろし。 月をみてあはれなる まゝに、思ひやれるなり。 四の句、奥といふべきを、たけといへ る。おもしろし。たけの月を見るは、おくなる事、おのづから聞ゆ。 和哥所の哥合に湖邊月  家隆朝臣 にほの海や月の光のうつろへば波の花にも秋は見えけり...

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恵慶 百人一首 八条隆秀筆色紙コレクション

    恵慶法師 さび   しき   やへむ      に      ぐら 人こそ         しげれ   みえね     る  秋はき    やど    にけり    の     拾遺集 秋  河原院にて、荒れたる宿に秋来るといふ心を、  人々詠み侍りけるに                 恵慶法師 八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり       八条宰相隆秀卿...

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尾張廼家苞 恋歌二7

尾張廼家苞 四之上    水無瀬戀十五首歌合に春戀                俊成卿女面かげのかすめる月ぞやどりける春やむかしの袖のなみだに  面かげのかすめる月とは、月をみれば人の俤のかすみて  みゆるその月をいふ。(子細                なし。)春やむかしの袖とは、つゞめていはゞ  あひみし人のことを恋しのぶ袖をいふ意也。(主意はさしもたが...

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美濃の家づと 二の巻 秋歌上8

        八月十五夜和哥所哥合に深山月 深からぬ外山のいほの寐覚だにさぞな木ノ間の月はさびしき だには、すらの意なり。 さぞなは、かくの如くぞといふ意也。 一首は、外山の庵のねざめに、木ノ間の月を見てさびしき につきて、深山の月のさびしさを、おしはかりたるれり。 されど深山月といふ題に、かくよみてはいかゞ。さぞなを、おし はかりたる詞として、下を深山の事ともすべけれども、さては...

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歌論 無名抄 琳賢謀基俊

琳賢基俊ヲタバカル事 いかなりけるときにか琳賢は基俊となかのあし かりければたばらんとおもひてあるとき後撰の 恋の哥の中に人もしらずみゝどをきかかぎり 廿首をゑりいだしてかきつがひてかの人のもとへ もていにけり。こゝに人のことやうなる哥合をして かちまけをしらまほしくつかまつるにつけて給 はらんとてとりいでたりければこれを見て 後撰の哥といふ事ふつとおもひもよらずおもふ...

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忠岑 百人一首 日野西国豊筆色紙コレクション

有明のつれなく   みえし別より    あかつきばかり    うき物はなし 古今和歌集  題しらず                 壬生忠岑 有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかり憂きものはなし   俊成三十六人歌合 定家十体(幽玄様) 定家八代抄 別本八代集秀逸 時代不同歌合 百人一首   日野西殿國豊卿   日野西国豊(ひのにし くにとよ)とは - コトバンク...

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