絵入横本源氏物語 賢木 榊葉 蔵書
「榊をいささか折て、持給へるを差し入れて」 / /かはらぬ色をしるべにてこそ。いがき をもこえ侍にけれ。さも心うくと きこえ給へば 御息所 / 神がきはしるしのすぎもなき ものをいかにまがへておれるさか木ぞ。 と聞え給へば 源 / をとめこがあたりと思へはさかき ばのかをなつかしみとめてこそおれ...
View Article筆道稽古早学問 瀟湘八景 洞庭秋月 蔵書
洞庭秋月 西 風 剪 出 暮 天 霞 萬 頃 煙 波 浴 桂 花 漁 翁 不 知 羈 客 恨 直 吹 寒 影 過 蘆 花 秋にすむ水すさまじく さよ ふけて月 をひた せば おきつ しらなみ 洞庭秋月 玉澗 西風剪出暮天霞 西風剪り出す暮天の霞、 萬頃煙波浴桂花 万頃煙波桂花を浴す。 漁笛(翁)不知羈客恨...
View Article八雲御抄 正義部 学書 蔵書
八雲抄巻第一 正義部 学書 万葉集以下代々勅撰子細在他巻。 号菅家万葉集。菅家撰也。二巻書也。序曰、寛平五 裁秋九月廿五日。下巻延㐂十三年八月廿一日云々。是 他人撰也。或説源相公説云々。如何。 多々法眼源賢撰樹下集二十巻 有假名序。 能因撰玄々集一巻 有序。 山伏集 選者不知。 良暹打聞 隆經三巻集...
View Article筆道稽古早学問 瀟湘八景 江天暮雪 蔵書
江天暮雪 雲淡天低 叅 玉塵扁 舟 一 葉 寄 吟 身 前 湾 咿 軋 数 聲 櫓 疑 是 山 陰 乗 興 人 あしの葉にかゝれるゆきも ふかき えのみぎ はの 冬はゆふべともなし 江天暮雪 玉澗 雲淡天低叅玉塵 雲淡く天低(た)れて玉塵に〔米+叅〕(こながき)す。...
View Article絵入横本源氏物語 賢木 旅準備 蔵書
中/\こともゆかぬにや 源 大かたの秋のわかれもかなしきに なくねなそへそ野べの松むし。くや しきことおほかれとかひなければ、 明ゆく空もはしたなくて出給。みち 御息所のほといと露けし。女もえ心づよか らず。名残あはれにてながめ給。ほの 見奉り給へる月かげの、御かたちな をとまれるにほひなど、わかき人々" は身にしめて、あやまちもしつべく 地...
View Article筆道稽古早学問 瀟湘八景 平沙落雁 蔵書
平沙落鴈 古 字 書 空 淡 墨 横 幾 行 秋 鳥 下 寒 汀 蘆 花 錯 作 衡 陽 雪 誤 向 斜 陽 刷 凍 翎 まづあさるあしベのともに さそはれてそら行かりも またくだるなり 平沙落雁 玉澗 古字書空淡墨横 古字空に書して淡墨横たふ。 幾行秋雁下寒汀 幾ばく行(かう)ぞ秋鳥〔雁〕寒汀に下る。...
View Article恵慶集 尊経閣叢書 蔵書
恵慶集 外題、端首二葉は、藤原定家筆。その他は、娘の民部卿局筆。 初六枚は、烏丸光広筆。 次六枚は、中村通村筆。 次六枚は、小堀政一(遠州)筆。 最後の六枚は、松花堂昭乗。 尊経閣叢刊 初版:昭和十年三月二十二日 発行:前田育徳財団
View Article筆道稽古早学問 瀟湘八景 遠〔煙〕寺晩鐘 蔵書
遠寺晩鐘雲 遮 不 見 梵 王 宮 殷 々 鐘 聲 訴 晩 風此 去 上 方 猶 遠 近 為 言 只 在 此 山 中 くれかゝるきりよりつたふかねのをとにをちかた人も みちいそぐなり 煙〔遠〕寺晩鐘 玉澗 雲遮不見梵王宮 雲遮って見へず梵王宮。 殷殷鐘聲訴晩風 殷々たる鐘声晩風に訴ふ。 此去上方猶遠近 ここ去って上方猶遠近、 爲言只在此山中...
View Article絵入横本源氏物語 賢木 別の御櫛 蔵書
「二条院の前なれば、大将の君、いと哀れにおぼされて、さか木にさして」 源 やしまもるくにつみ神も心あらば あかぬわかれの中をことはれ。思ひ 給ふるに、あらぬ心ちし侍かなと あり、いとさはかしきほとなれと、御 ◯かへりあり。宮の御をば、女別"當し てかゝせたまへり 御息所 くにつかみそらにことはる中ならば なをざりごとをまづやたゞさむ。大"将 は御有さまゆかしうて、うちにも参ら...
View Article春歌下 散花 恵慶集上巻
上巻 9頁ウー10頁オ 中院通村筆 春をあさみ旅のまくらを結べき 草葉もわかきころにもあるかな こひ ふるさとをこふるた本はきしちかみ おつる山水いづれともなし ある所にさくらおしむに 櫻花まつとせしまに春くれて そならぬ事は思やはする 山ざとに人の許にてさくら のちるをみて さくらちる春の山べはうかりけり新世をのがれにとこしかひもなく 年かへりて二月になるまで...
View Article絵入横本源氏物語 賢木 遺言 蔵書
と聞え給へれど、いとくらう物さはがし きほどなれば、またの日せきのあな たよりぞ、御返しあり 御息所 すゞか川“八十瀬の波にぬれ/\ず いせまでたれか思ひをこせんこと そぎてかき給へるしも御ていと 源よし/\しく、なまめきたるに、哀なる けを、すこしそへ給へらましかはとお ほす。霧いたうふりてたゝならぬあ さけに、うちながめてひとりごちおはす 源...
View Article夏歌 楢葉茂涼 恵慶集下巻
下巻 13頁ウー16頁オ 定家女 民部卿局筆 もゝちのうたのだいこれは世中 にそねのよしたゞといふ人の よめるうたの返し わがすべらぎやみづ(天德の末)のころほひあは(ざ) なぞた(む)ごといふ人もゝちどりもゝ ちのうたをさぐりいだしいはまの し水のいはまし(そ)きかぎりいひ いたら(ながし)たる事どもそのありさま 春の花おり/\につけて秋のもみぢ 色々になむ。うぐひすきゝすぐし...
View Article秋歌上 初秋 恵慶集上巻
上巻 4頁ウー5頁オ 烏丸光広筆 (ある所に屏風のゑに) はつ秋 秋といへばちぎりをきてやむすぶ新 らんあさぢがはらのけさのしらつゆ むまにのりたる人秋の秋ののをゆく 秋の野ゝ花に心をよせつゝ◯ こまうながさぬけふにもある哉 人の家に女どもきたり わがやどの物とのみみば秋のよの 月よゝしとも人につげまし 月夜にふえふきておとこゆく 月影にふえのねいたくすみぬ也...
View Article絵入横本源氏物語 賢木 崩御 蔵書
「おどろおどろしき樣にも、おはしまさで、隠れさせ給ひぬ。足を空に思ひ惑ふ人多かり」 まつらせ給にも、さま/"\御心みだれて おぼしめさる。よろづのことを聞え 春宮しらせ給へど、いと物はかなき御ほど 院心なれば、うしろめたくかなしう見たて 源 院詞まつらせ給。大将にも、おほやけにつ...
View Articleカンフー詩 湖上照月
月遍ク湖上ヲ照ラシ、 草中蛩聲ニ滿テリ。 獨居六月過ギ、 頭頂亦タ霜増エタリ。 カンフー詩とは、漢詩の平仄、押韻などの決まりを無視した、漢詩風の詩を云ふ。 カンフー映画を見て、ブルース・リーに成った気分に浸っているのに似たり。気分は、杜甫の五言絶句だが、五言絶句では決して非ず。
View Article雑歌中 長柄橋 恵慶集下巻
下巻 12頁ウー13頁オ 民部卿局筆 ちひろさらせるぬのびきのたき なつすまのうらにたび人ゆく まちどをに宮この人はおもふらむ すまのはまべはすみうかりけり ながらのはしをふねこぐ 夏の日のながらのはし浦にふねとめて いづれがはしとゝへどこたへぬ すみよしにあまのいへあり かぜふかぬなつのひなれどすみのえの まつのこずゑはなみぞたちける 秋さが野に花みる女あり...
View Article八雲御抄 作法部 歌合 内裏歌合 蔵書
八雲抄巻第二作法部 一 内裏歌合 院宮哥准之 天徳四年 永承四年 承暦二年、以此三ヶ度為例。 自余者、或菊合、根合等次、又率尓内々密儀也。寛和二 年 哥合者、雖非密儀、不均三度例。仍以天德例、勘入 永承、承暦并延㐂十三年亭子院哥合已下例也。 兼日定左右頭事 天徳三月一日、哥合晦日。 永承十月中旬、哥合十 一月九日。承暦、三月一日、哥合四月廿八日。天徳、以更衣為...
View Article雑歌中 無主宿 恵慶集下巻
下巻 8頁オー10頁オ 民部卿女筆 くれの春かはらの院にてはるか に(山の)さくらみる。かねてはあれたる やどのむかしのあるじこふる 心ばへの哥よみ人は もとすけかねもりよしのぶ のぶまさ?とかねすけ也。 けふはゝつかひとひになりにけり。 のこりの春もいくばくならず。そらの ◯◯◯(かすみ)もたち返ぬべし。あを やぎのいとまのひまにしらまゆみ はるのやま(べ)にゆきちりぬべき花...
View Article絵入横本源氏物語 賢木 右大臣世 蔵書
ましう、みなほか/\へと出給ほとにかな 藤つほしきことかぎりなし。宮は三条 の宮にわたり給。御むかへに兵部卿 みやまいり給へり。雪うちちり風は げしうて、院のうちやう/\人めかれ 源ゆきてしめやかなるに、大将殿"こな たに参り給て、ふるき御物語聞え 給。おまへの五えうの雪にしをれて、 兵部した枝かれたるを見給て、みこ...
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