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新古今増抄 巻第一春歌上 西行 立春
一 西行法師 散位康清男佐藤也俗名 義清左兵衛尉。九十四首入。 一 岩まとぢし氷も今朝はとけ初て苔の下水道もとむらん 増抄云。春のきたりてのしるしにいわまをとぢ はてたる氷もとけて水となりて、こほらぬさき ながれし苔の下道もとむらんと也。こほり はてたるがとけてうれしからんと思ひやり てよめる作意也。苔といふ物は岩につきて生る 物なればかくとりあはせたり。或説に氷もの...
View Article宇津の山辺 俊成 つたの細道公園歌碑
藤原俊成 夢路にも 馴しやとみる うつゝには うつの山邊の 蔦ふける庵 読み 夢路にも 馴れしやとみる うつつには うつの山辺の 蔦ふける庵 出典 玉葉和歌集 (一三一三年成立) 作者 藤原俊成は幽玄歌風を深め、『古今集』 から『新古今集』への橋渡し役を 果たした中世和歌の最高指導者で、 『千載和歌集』の選者である。 書 岡部町殿 山本庄吾...
View Article新古今増抄 巻第一春歌上 風まぜに 立春
一 よみ人しらず 八雲云。清輔云。讀人不知ト云ニ有三樣。一ハ不 知。二ニハ雖知凡卑。三ニハ詞など有憚哥なり。 古今蝉丸哥不書名後撰書之。如此類多。 詞花西行如此。又千載平家依勅勘者 不各欠。 一 風まぜに雪はふりつゝしかすがに霞たなびき春は きにけり 増抄云。かぜまぜとは、冬は一向にかきくれて雪...
View Article雨の表現
雨という日本語をgoo辞書大辞林より調べてみました。159語。季語は太文字にしております。 あお‐しぐれ【青時雨】 青葉の木立から落ちる水滴を、時雨に見立てた語。《季 夏》 あき‐さめ【秋雨】 秋に降る雨。しゅうう。《季 秋》「―や水底の草を踏み渡る/蕪村」 あき‐しぐれ【秋時雨】 秋の末に降るしぐれ。《季 秋》「―いつもの親子すずめかな/万太郎」 あき‐ついり【秋入梅/秋黴雨】...
View Article短歌:黄色の道を行こう
黄色の道をあの娘の家まで行こうちょうど桜の咲いているよ 春の散歩は、様々な花に出会えるから楽しい。いつも拝見している方の、菜の花が綺麗と言う紹介で、川沿いの道を行ってみる事にした。菜の花の道と言う事で、黄色の道をテーマに短歌を書こう。黄色の道と言うと、オズの魔法使い「Follow The Yellow Brick...
View Article新古今増抄 巻第一春歌上 時は今 立春
心こめり。 一 時は今春に成ぬとみ雪ふる遠き山べにかすみたなびく 古抄に云。この哥はときは、いまに春になりぬとよみ きりて、遠きやまべに霞たなびくと 云句にかけてみるべし。 増抄に云。古体の哥なり。遠きやまべと いへるこゝろをつくべし。遠山はかきくもり 雪がふるが、そのやまべを遠くみわたせば、 かすみてみゆるとなり。やまべはゆきふり、 そのこなたはかすめる景氣なり。時は...
View ArticleYouTube短歌:忙し過ぎるのもほどほどに
私に働け!と 出来ないものはできん! 桜が散ったらやろふリストの超絶技巧練習曲集第4曲集マゼッパ練習曲なら、本番はもっときついだろう?いつも拝見している方が、余りに仕事に力が入り過ぎているので。
View Article俳句 ホトケノザ
ホトケノザ娑婆の菩薩よ涌き出でよ妙法蓮華経従地涌出品第十五我が娑婆世界に自ら六万恒河沙等の菩薩摩訶薩あり。一一の菩薩に各六万恒河沙の眷属あり。是の諸人等能く我が滅後に於て、護持し読誦し広く此の経を説かん。仏是れを説きたもう時、娑婆世界の三千大千の国土地皆震裂して、其の中より無量千万億の菩薩摩訶薩あって同時に涌出せり。
View Article中山輔親氏蔵本源氏物語 鈴虫 蜂巣葉 蔵書
源氏物語絵 橋姫 画家不明コレクション ねよりもけにくゆりいてたるほいな きわざなり。またかうせちのをりは おほかたのなりをしつめてのとかに ものゝ心をもきゝわくへきことなれは はかりなききぬのをとない人のけは ひしめりてなむよからんなとれいの ものふからぬわか人とものよういをしへ たまふ。宮は人けにをされ給ていと ちヰさくおかしけにてひれふし給へ り。わか君らうかしからむいたきかくし...
View Article季重ね メモ
去来抄許六曰。一句に季節を二ツ用ゆる事、初心の成がたき事也。季と季のかよふ処あり。去来曰。一句に同季節を二つ用る事は、巧者初心によるべからず。雪解けや春立つ一日(ひとひ)あたたかし (正岡子規)あたたかな雨がふるなり枯葎 (正岡子規)学僧に梅の月あり猫の恋 (高浜虚子)谷深くうぐいす鳴けり夕霞 (水原秋櫻子)啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 (水原秋櫻子)紫陽花に秋冷いたる信濃かな (杉田久女)
View Article新古今増抄 巻第一 藤原国信 残雪
一 堀川陰ノ御時、百首哥たてまつりけるに、残雪の 心をよみはべりける。 増抄云。堀河院とは、人皇七十三、諱ハ善仁。白河 㐧二ノ子也。母ハ中宮ノ賢子。藤大政大臣師実ノ猶子 也。実ハ右大臣源ノ顕房ノ之女也。應徳三年二月 廿六日ニ即位。立元在丁卯、在位二十一年、嘉承 二年七月十九日、譲位。崩於堀河院。寿三十。 此百首ハ初度の百首也。或説云。田納言公実 卿勧進云云。仍無院ノ御製欠。年記可勘注。 一...
View Article宇津の山辺 吉田兼好 つたの細道公園歌碑
兼好法師 ひと夜ねしかやの松屋の 跡もなし 夢かうつゝか 宇津の山ごへ 読み ひと夜ねし かやの松屋の 跡もなし 夢かうつつか 宇津の山ごえ 出典 兼好法師家 作者 兼好法師(吉田兼好)は、鎌倉時代末期 から南北朝期の隠者歌人で、 有名な随筆『徒然草』の作者として、 知られている。 書 岡部町三輪 片山君榮静岡市 丸子宿高札場
View Article俳句 擬人法
流星の使ひきれざる空の丈 (鷹羽狩行) 命惜しいのち惜しとて鉦叩 (稲畑汀子) 新涼や豆腐驚く唐辛 (前田普羅)わがよはるわがよはるとてきりぎりす「我が世」と「我が夜」、「弱る」と「よ春」の掛詞。本歌きりぎりす夜寒に秋のなるままに弱るか声の遠ざかりゆく(新 西行)
View Article新古今増抄 巻第一 山部赤人 若菜摘
火のごとくもゆるゆへに、扨も冬の雪さへあるに、 消やすきあわ雪が消ぬ事よとなり。消 ぬは面白と冬よりは一入深切の心なり。 一 題しらず 山邊赤人 父祖不詳。神亀之比ノ人也。是は人丸と 同じく、秘傳ある事也。山邊は姓なり。所の名 なり。それを姓とす。 一 あすからは若菜つまむとしめしのにきのふもけふも雪はふり...
View Article蔦楓 林羅山 つたの細道公園歌碑
林羅山山中回首費吟呻遺愛蔦楓秋又春今古冥々名與境 業平謌後更無人 読み 山中首を回らして吟呻を費やす 遺愛の蔦楓 秋又春 今古冥々 名を境と 業平の謌後 更に人無し 出典 羅山林先生集(一六六二年刊行) 作者 林羅山は江戸時代初期の朱子学者で 徳川家康の厚遇を得、幕藩体制の 理論的基礎づけをした。 書 岡部町内谷 片山茂樹坂下地蔵堂 宇津の谷(明治のトンネル)行き
View Article俳句 嵐後桜花
この櫻こよひ見むとて 気も漫ろ連日強烈な南風が吹き荒れ、ソメイヨシノの残花を吹き飛ばしてしまった。さて、咲き始めた八重桜はどうだろうか?世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(伊勢物語)の心境。
View Article新古今増抄 巻第一 壬生忠見 若菜摘
増抄云。あすとは初春の朝をさしていふ なるべし。冬のうちこそあれはるのくるあす からは、雪消ぬべければ、わがなつまむとしめ おきぬれば、春のきてまた雪がつゞきて ふることよ。これはいつはれてわかなをばつむ ぞとなり。 一 天暦御時屏風哥 天暦は、年号也。村上天皇を申也。諱ハ成明。 醍醐帝第十四ノ子也。朱雀ハ同母ノ㐧なり。母ハ皇 太后藤原穏子。関白太政大臣基経ノ女也。天...
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