暁 賈島 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
佳人盡飾於晨粧魏宮鐘動遊子猶行於残月函谷鶏鳴和漢朗詠集 暁 暁賦 賈島佳人尽飾於晨粧 佳人尽く晨粧を飾る。魏宮鐘動 魏宮に鐘動く。遊子猶行於残月 遊子なほ残月に行く。函谷鶏鳴 函谷に鶏鳴く。令和元年12月20日 肆點參
View Article羇旅歌 丹後 古今集伊勢 玄珎筆コレクション
宜秋門院丹後都をば天津そらとも 聞~ざりき 何ながむ 覧雲のはた て を身はの山いかに待見むとしふとも尋ぬる人もあらじとおもへば 新古今和歌集 羈旅歌 和歌所歌合に羈中暮といふことを...
View Article尾張廼家苞 哀傷歌2
尾張廼家苞 三 きえはてしなり。すべて今の世の歌人は、はてし はつるといふ詞を、何心なくみだりにそへてよむ はひがごとなり。(はてしはつるにかぎらず、何詞にてもみ だりによみてはわろかるべし。母の身 まかられしがきえたるにて、そのなきがらをだにとゞめずをさめ たるが、きえはてし也といはるれど、身まかられていまだ葬ら ずとも、蘇生だにせられずは、...
View Article暁 貫之 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
あかつきのなからまし かば しらつゆの おきてわびしき わかれせ ましや和漢朗詠集 暁後撰集 人のもとよりかへりてつかはしける 貫之暁のなからましかば白露のおきてわびしき別せましや拾遺集 はしめて女の許にまかりて、あしたにつかはしける...
View Article松 白居易 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
但有雙松當 砌下更 無一事到 心中 和漢朗詠集 松 新昌坊閑居 白居易 紗巾角枕病眠翁 紗巾角枕の病眠の翁忙少閑多誰與同 忙少なく閑多く誰と与にか同じうせん但有雙松當砌下 但だ双松の砌の下(もと)に当れる有り更無一事到心中 更に一事(いっし)の心の中(うち)に到る無し金章紫綬看如夢 金章紫綬看るに夢の如く皂蓋朱輪別似空 皂蓋朱輪別に空に似たり暑月貧家何所有...
View Article兼載雑談20 清水柳蔭、我さへ忍草
兼載雑談一、道のべの清水流るゝ柳かげしばしとてこそ立ちとまりつれ是もけれにては、曲なかるべし。一、住みかねて我さへのきの忍草しのぶかた/"\しげき宿かな周防の内侍、家を賣りてよめるうたなり。
View Article松 許渾、紀長谷雄 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
青山有雪諳松性碧落無雲称鶴心千丈凌雪應喩嵆康之姿百歩乱風誰破養由之射和漢朗詠集 松 寄殷堯潘先輩 許渾十載功名翰墨林 十載の功名は翰墨林為從知己信浮沈 為に知己に従い浮沈を信ず青山有雪諳松性 青山に雪有りて松の性を諳(そら)んず碧落無雲稱鶴心 碧落に雲無くして鶴の心に称(かな)へり帶月獨歸蕭寺遠 月を帯び独り帰る蕭寺遠く玩花頻醉庾樓深 花を玩び頻りに醉ひ庾樓深い思君一見如瓊樹...
View Article松 源宗于 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
ときはなる まつのみどりも 春くればいまひとしほの いろま さりけり和漢朗詠集 松古今和歌集 寛平御時きさいの宮の歌合によめる 源宗于ときはなる松のみどりも春くればいまひとしほの色まさりけり公任三十六人撰令和元年12月20日 肆點參
View Article草 大江朝綱 和漢朗詠集作者不詳巻子本コレクション
草色雪晴初布護鳥聲露暖漸綿蠻和漢朗詠集 草春日山居 後江相公(大江朝綱)古洞春來對碧灣 古洞春来たりて碧湾に対す茶烟日暮與雲閑 茶烟日暮れと雲閑か山成向春斜陽裡 山成春に向ひ斜陽の裡水似囘流迅瀨間 水は囘り流れるに似て瀬間迅し草色雪晴初布護 草の色は雪晴れて初めて布護す鳥聲露暖漸綿蠻 鳥の声は露暖かにして漸く綿蛮誰知圯上獨遊客 誰知る圯上の独り遊客を疑□留候授履還...
View Article絵入自讚歌注 家隆2
絵入自讚歌註 宗祇思ひいるところのふかきよし也。されども草のつゆをいへる。つらきよせひあるにや。こゝろは人のつれなくてさま/"\たのめしすゑもかれはてゝはげしき風のごとくなれば我身のつゆたえがたきよしにや。なをたづぬべし。 おもひ出よたがかねごとのすゑならん...
View Article歌論 無名抄 隠作者事
隠作者事大方は哥を判ずるには作者をかくすといひながらひとへにしらぬもゆゝしき大事也。又名あらはれたるもはゞからはしくおもてにまくる事おほかり。たゞかくをるやうにてうち/\にいさゝか心みたるがめでたきなり。
View Article草 人丸 和漢朗詠集作者不詳巻子本コレクション
かのをかにくさかる をのこしかな かりそ ありつゝもきみが きまさん みまくさにせん和漢朗詠集 草拾遺集 人丸かのをかに草かるをのこしかなかりそありつつも君がきまさんみまくさにせん万葉集巻第七 1291此岡莫苅小人然苅有乍公来座御馬草為 右二十三首柿本朝臣人麻呂之家集出この岡に草刈る童然な刈りそねありつつも公が来まさむ御馬草にせむ旋頭歌
View Article尾張廼家苞 哀傷歌3
尾張廼家苞 三 堂にとまりてよみ侍ける まれにくるよはもかなしき松風を絶ずや苔の下に聞らん まれに来てきくだに悲しき此松風の音を、苔の下 にて、夜ごとに絶ずや聞らんと也。 こゝろざしあはれ なるうたなり。 十月ばかり、水無瀬におはしましゝ此、前大僧正 慈圓のもとへ、ぬれてしぐれのなど申つかはして、...
View Article歌論 無名抄 道因歌に志深事
道因哥ニ志深事 此道に心ざしふかゝりしことは道因入道なら びなき物なり。七八十になるまで秀哥よませ 給へといのらんためかちよりすみよしへ月まうで したるいとありがたき事也。ある哥合に清輔 判者にて道因が哥をまかしたりければわざ と判者のもとにまうでゝまめやかになみだをなが しつゝなきうらみければ亭主いはんかたなく かばかりの大事にこそあはざりつれとぞかたられ...
View Article絵入自讚歌注 具親1
絵入自讚歌註 宗祇 具親朝臣 なにはがたかすまぬなみもかすみけり うつるもくもるおぼろ月夜におぼろなる月にゑひしてしろたへのなみさへかすむよしなり。 ときしもあれたのむの鳫の別さへ 花ちるころのみよしのゝさと時しもあれにこゝろをよくつけてみ侍るべし。こゝろはあらはなり。 しきたへのまくらのうへを過ぬなり...
View Article猿 大江朝綱 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
谷靜纔聞 山鳥語梯危斜踏 峽猿聲和漢朗詠集 猿送歸山僧 江相公(大江朝綱)一自方袍振錫行 一に方袍で錫を振りて行くより別師還媿六塵情 師に別れて還えり媿る六塵の情雖觀秋月波中影 秋の月の波の中の影を観ずといへども未遁春花夢裏名 未だ春の花の夢の裏の名を遁(のが)れず。谷靜纔聞山鳥語 谷静かにしては纔(わづ)かに山鳥(さんちょう)の語(ご)を聞く梯危斜踏峽猿聲...
View Article歌論 無名抄 俊成入道物語
俊成入道物語 五条三位入道云俊惠は當世の上手也。されど俊頼 には猶およびがたし。俊頼は(本ノマヽ)まのなくおもひ いたらぬくひとかたならずよめるがちからも をよばぬ也。今の世には頼政こそいみじき上手 なれ。かれだに座にあればめのかけられてかれにこと ひとつせられぬとおぼゆるなり。
View Article兼載雑談21 恋歌、新島守
兼載雑談一、 二聲とたゝかぬさきに戸を明けて基佐が句なり。連歌合の句なりしに、皆人勝の札を打ちたりしに、兼載戀の本意、無念なりとて劣の札うたれしに、滿座かんじけると云々。 たゞたのめたとへば人のいつわりをかさねてこそは又もうらみめ 戀 下もえにおもひきえなむ煙だにあとなき雲のはてぞかなしき 俊成女これらを戀の本と被申き。 身にうきふしを猶ぞしたへる つれなくば我もといはむ中ならで...
View Article猿 凡河内躬恒 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
わびしらにましら なゝきそ あしびきのやまのかひある けふにやは あらぬ和漢朗詠集 猿古今集 法皇、にしかはにおはしましたりける日、さる山のかひ にさけぶといふ事を題にてよませたまうける みつね わびしらにましらな鳴きそ足引きの山のかひあるけふにやはあらぬ令和元年12月20日 肆點參
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