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Channel: 新古今和歌集の部屋
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西行物語 佐藤義清

佐藤義  そもそも靜かに案ずるに、にんじんを受くること、ぼんてんより糸をくだして、大海の底なる針をつらぬくがごとしといひ、また、佛法に會ふこと、まうきのうきぎの穴に逢へるに同じと見えたり。されど幻のさかえに心をかけ、いつたんの妻子にほだされて、ごせのくいんを受くること、あはれなるかな。...

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西行物語 菩提心

発菩提心  かくて、日西に傾き、月東にいづるほどに及びて、あひしたしき佐藤さゑもんのじようのりやすといふ者とうちつれてまかりいづ。道にて、憲康語りける。...

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西行物語 出家

出家  年頃にしやまのふもとに相知りたりけるひじりのもとに走りつき、あかつきがたに及びて、ついに出家を遂げにけり。ほふみやうは西行といふ。また、年頃身近く召し使ひける者、同じくさまを變へにえけり。彼をば、さいぢゆうと付けにけり。次の朝、いほりあたりなるひじりたち集まりて、こはいかに。思はずの御事かな。あさましくも。とて驚きあやしみければ、西行、...

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西行物語 伊勢

伊勢 さてもだいじんぐうにまうではべりぬ。みもすそがはのほとり、杉のむらだちの中に分け入り、一の鳥居の御前にさぶらひて、はるかにごてんを拝し奉りき。...

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歌論 無名抄 頼政并俊惠撰事

建春門院の殿上の哥合に、關路落葉と云題に、頼政卿の哥に、 都にはまだ青葉にて見しかども紅葉散しく白川の關 と詠まれ侍りしを、其度此題の哥あまたよみて、當日までおもひわづらひて、俊惠を呼びて見せられければ、 此哥は、かの能因が『秋風ぞ吹く白川の關』と云哥ににてはべり。されども、これはいでばへすべき哥なり。彼哥ならねど、かくもとりなしてむと、いしげによめるとこそ見えたれ。...

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歌論 無名抄 鳰巣事

同たび、水鳥馴てちかきといふ題にておなじ人、 子をおもふにほのうきすのゆられきてすてじとすれや見がくれもせぬ 此哥めづらしとて勝にき。祐盛法師、是を見ておほきに難じて云、...

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西行物語 伊勢別院

伊勢別宮 花の盛りにもなりければ、かみぢやまの櫻、吉野の山にもはるかにすぐれたりければ、神官ども、みもすそがはのほとりに集まり、えいじけるに、 岩戸あけしあまつみことのそのかみに櫻をたれか植ゑはじめけむ かみぢやまみしめにこもる花盛りこはいかばかりうれしかるらむ 風の宮の花、ことにわりなく咲き亂れたるを見て この春は花を惜しまでよそならむ心を風の宮にまかせて...

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西行物語 東下り 天竜川

東下り     天竜川  すでにあづまのかたへ下るに、ひかず積ば、とほたうみのてんちゆうの渡りといふ所にて、もののふの乗りたりける船に、びんせんをしたりけるほどに、人多く乗りて船あやふかりけむ、 あの法師下りよ下り よといひけれど、渡りの習ひと思ひて、聞き入れぬさまにてありけるに、情なくむちをもて西行を打ちけり。...

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西行物語 東下り 小夜の中山

小夜の中山   西行、心強くもどうきやうの入道をば追ひ捨てたりけれども、年頃あひなれし者なれば、さすがなごりは惜しかりけれど、ただ一人、さやのなかやま、事のままの明神の御前に侍りて にゃくいしょくけんが いいせいぐが(若以色見我 以音聲求我) ぜにんぎやうじゃだう ふのうけんにょらい(是人行邪道 不能見如来) とらいはいし、さやの中山を越えてかくなむ。...

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西行物語 東下り 岡部

岡部...

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西行物語 東下り 清見潟

清見潟 かくうちながめて行くほどに、はつあきかぜも身にしみて、いつしか野邊のけしきもあはれに、蟲の聲々おとづれ、たがことづてを待つとしもなきこしぢのかりもおとづれ、心細くおぼえて 秋立つと人は告げねど知られけりみやまのすその風のけしきに おぼつかな秋はいかなるゆゑのあればすぞろに物の悲しかるらむ 白雲をつばさにかけて飛ぶかりのかどたの面の友慕ふなり...

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西行物語 東下り 富士

富士  するがの國にかかりて、ざいちゆうじやうの山は富士のねいつとてかといひけむも、ことわりとおぼえて、はるかに富士のたかねを見上ぐれば、折知り顏の煙立ちのぼり、山のなかばは雲に隱れ、ふもとに湖水をたたへ、南にはかうげんあり、前にはさうかいまん/\として、でうぎょの助けにたよりあり。  都をいでて、多くさんせんかうかいをしのぎし旅の憂さも、ここにて少し忘るるここちしておぼえける。...

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西行物語 東下り 相模

相模  あしがらやまにかかりて、昔さねかたの中將の名も足柄の山なればとながめ、またはくむやま深くしてとりいつせいといひし人の事なども思ひいださるる折ふし、こがらしらしの風身にしむばかりなりければ 山里は秋の末にぞ思ひ知る悲しかりけりこがらしの風  さがみの國おほばといふ所、とがみがはらを過ぐるに、野原の霧のひまより風に誘はれ、鹿の鳴く聲聞えければ...

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西行物語 東下り 武蔵

武蔵...

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倭名類聚抄 目次

倭名類聚抄  目次 巻第一 天部第一 景宿類第一 雲雨類第二 風雪類第三 地部第二 山谷類第四 巌石類第五 林野類第六 田園類第七 塵土類第八 水部第三 水泉類第九 河海類第十 涯類第十一 歳時部第四 春三月第十二 夏三月第十三 秋三月第十四 冬三月第十五 巻第二 鬼神部第五 神霊類第十六 鬼魅類第十七 人倫部第六 男女類第十八 老幼類第十九 工商類第二十 漁猟類第廿一 微賎類第廿二 乞盗類第廿三...

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歌論 無名抄 このもかのもの事

二條院和哥このませおはしましける時、おかざきの三位、御師徳にて候はれけるに、此道の聞きたかきに依て、清輔朝臣めされて殿上にさぶらひけり。 いみじき面目なりけるを、或時の御會に、清輔いづれの山とか、「このもかのも」といふ事をよまれたりければ、三位これを難じて云、 筑波山にこそ、「このもかのも」とはよめ。大かた山ごとにいふべき事にはあらず。 と難ぜらられければ、清輔申て云、...

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家長日記 長明出家

家長日記 何ばかりの事ならぬいたづらわざも、事一つに極めたる人の、その事に引かれて、こよなき御惠みどもの侍るに、鴨長明が望みの遂げざりしぞ、さきの世の事とのみ聞き侍りし。 すべて、この長明みなし子になりて、社の交じらひもせず、こり居て侍りしが、歌の事により、きたおもてへ參り、やがて、和歌所の寄人になりて後、常の和歌の会に歌參らせなどすれば、まかり出づることもなく、よるひる奉公おこたらず。...

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家長日記 長明との再会

家長日記 其ノ後、思ひがけず對面して侍りしに、それかとも見えぬほどに痩せ衰へて 世をうらめしと思ひ侍らざらましかば、憂き世の闇は晴るけず侍りなまし。これぞ眞の朝恩にて侍るかな。 と申して、苔の袂もよゝとしほれ侍りし。 憂き世を思ひ捨てず、少しのほだしにもこれが侍り。 とて、歌の返し書きたりし琵琶の撥を、經袋より取り出でゝ、 これはいかにも、苔の下まで同じ所に朽ち果てむずるなり...

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幽州新歳作 帳説

去歳荊南梅似雪  去歳荊南梅雪に似たり 今年薊北雪如梅  今年薊北雪梅の如し。 共知人事何嘗定  共に知る。人事何ぞ嘗て定まらん。 且喜年華去復來  且らく喜ぶ。年華去りて復た来たるを。

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感春 張籍

遠客悠悠任病身  遠客悠悠として病身に任す。 誰家池上又逢春  誰が家の池上にか又春に逢はん。 明年各自東西去  明年各自、東西に去らば 此地看花是別人  此の地に花を看るは是れ別人。

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