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尾張廼家苞 羇旅歌4
尾張廼家苞 三 は誤也。(わすれね人をは、人を忘れねといふ事。打かへして 語勢をそへたる也。此集の比の哥に多し。 )結句はさやと いふ詞にいひかけたり。さやはさやうにやは也。(さやうにやは恋し のぶべきといふ事 を、さやと斗い ひてはきこえず。)一首の意は、嵐の声も故郷にて聞しには...
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壺中天地乾 坤外夢裏身名旦暮間和漢朗詠集 仙家 幽栖 元稹野人自愛幽棲所 野人は自らを愛して棲む所は幽すか近對長松遠是山 近く長松に対し遠く是れ山盡日望雲心不繋 尽日(ひめもす)に雲を望めば心繋がれず有時見月夜正閑 時ありて月を見れば夜正に閑かなり壺中天地乾坤外 壺中の天地は乾坤の外夢裏身名旦暮間 夢の裏の身名は旦暮の間遼海若思千歲鶴 遼海若し千歲鶴を思ふ且留城市會飛還...
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王尚書之蓮府麗則麗恨唯有紅顔之賓嵆仲散之竹林幽則幽嫌殆非素論之士和漢朗詠集 山家本朝文粋九巻 詩序二 人事部 暮春藤亜相山庄尚齒会詩序 菅三品(菅原文時)當斯時也君子大夫之心在敬老者倩見其逍遙動履之抜俗僉以爲王尚書之蓮府麗則麗 王尚書が蓮府は麗しきことは則ち麗し恨唯有紅顔之賓 恨むらくは唯紅顔の賓のみ有ることを嵆仲散之竹林幽則幽...
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ぬれてほす 山ぢのきくの つゆのまにいかでかわれは ちよを へぬらん和漢朗詠集 仙家古今集仙宮に菊をわけて人のいたれるかたをよめる 素性法師ぬれてほす山路のきくの露のまにいかでかわれは千代をへぬらむ寛平御時菊合令和元年12月20日 肆點參
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やまざとはふゆぞ さびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば和漢朗詠集 山家古今集 冬の歌とて詠める 源宗于山ざとはふゆぞさびしさまさりける人めもくさもかれぬとおもへば令和元年12月20日 肆點參
View Article田家 高丘相如 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
蕭索村風 吹笛處 荒涼隣月 擣衣程 和漢朗詠集 田家 高相如 蕭索村風吹笛處 蕭索たる村風は笛を吹く処 荒涼隣月擣衣程 荒涼たる隣月は衣を擣つ程 ※高丘相如 高岳相如(たかおかの すけゆき)とは - コトバンク デジタル版 日本人名大辞典+Plus - 高岳相如の用語解説 - ?-?...
View Article田家 斎宮内侍 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
はるのたを ひとにまかせて われは たゞはな にこゝろを つくる けふかな和漢朗詠集 田家拾遺集 承平四年中宮の賀し給ひける時の屏風に 斎宮内侍はるの田をひとにまかせてわれはただ花にこころをつくるころかな備考皇太后穏子の五十の賀の屏風令和元年12月20日 肆點參
View Article隣家 菅原文時 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
池邊別業 是何人聞道陸張 昔卜隣和漢朗詠集 隣家 題隣家 菅三品(菅原文時)池邊別業是何人 池辺(ちへん)の別業は是れ何人ぞ聞道陸張昔卜隣 聞くならく陸張は昔隣を卜すと意訳池の辺りに有る別荘は誰が住んでいるのだろう?聞くところによると、南朝の宋の陸慧暁と魏の張融が昔隣り合って住んでいた所だと言う。令和元年12月20日 肆點參
View Article隣家 貫之 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
きみがやどわがやど わくる かきつばた うつろはぬまに みむ人 もがな和漢朗詠集 隣家古今和歌六帖 貫之集おきかぜがもとにかきつばたにつけてやる君がやどわがやどわけるかきつばたうつろはぬ時見む人もがな※わくる嘉禎本、集注※わかぬ伝後宇多本※うつろはぬまに集注※見る人も嘉禎本、貞和本令和元年12月20日 肆點參
View Article山寺 都良香、高丘相如 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
三千世界 眼前尽十二因縁 心裏空泉飛雨洗 聲聞夢葉落風吹 色相秋和漢朗詠集 山寺 晩夏遊竹生島述懐 都良香三千世界眼前盡 三千世界は眼(まなこ)の前に尽き十二因縁心裏空 十二因縁は心の裏に空し意訳琵琶湖を一望すれば、三千世界の全てが眼前に見尽くされ、十二因縁の煩悩は心の中まで取り払われるようだ。石山寺作 高相如泉飛雨洗声聞夢 泉飛んでは雨声聞の夢を洗ふ葉落風吹色相秋...
View Article山寺 読人不知 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
やまでらのいりあひの かねの聲ごと に けふもくれぬと きくぞ かなし き和漢朗詠集 山寺拾遺集 よみ人しらず山でらのいりあひのかねのこゑごとにけふもくれぬときくぞかなしき令和元年12月20日 肆點參
View Article仏事 白居易、慶滋保胤 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
百千万劫菩提 種八十三年功 徳林十方佛土 中以西方為望 九品蓮臺之間 雖下品應足 和漢朗詠集 仏事贈鉢 塔院如満大師 白居易 百千萬劫菩提種 百千万劫菩提の種 八十三年功德林 八十三年功徳の林 若不秉持僧行苦 若し僧行の苦しきを秉持せずんば 將何報答佛恩深 何を将てか仏恩の深さに報答せん 慈悲不瞬諸天眼 慈悲瞬かず諸天の眼 清靜無塵幾地心 清浄塵無し幾地の心 每歳八關蒙九授...
View Article釈教歌 最澄 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション
あのくたら 三みやく 三ぼだい の ほとけ たちわがたつそまに みやうが あらせ た まへ和漢朗詠集 仏事新古今和歌集 釈教歌比叡山中堂建立の時歌 伝教大師阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ読み:あのくたらさんみゃくさんぼだいのほとけたちわがたつそまにみやうがあらせたまへ...
View Article春歌上 俊成 子日 伝近衛家基筆断簡コレクション
さゞなみやしがのはま松ふりにけりたがよにひける子日なるらん 百首哥たてまつりし時新古今和歌集 春歌上 (日吉社によみて奉りける子日の歌) (皇太后宮大夫俊成)さざ波や志賀の浜松ふりにけり誰が世に引ける子日なるらむ 百首歌たてまつりし時...
View Article尾張廼家苞 羇旅歌5
尾張廼家苞 三 宿かるべき時をいへり。 をちこちとは本哥の詞を もていへるにて、信濃なる浅間がたけにたつけぶり をちこち人のみやはとがめぬ。 かなたこなた の山をみわたしたるさま也。 宜秋門院丹後 みやこをばあまつ空ともきかざりき何ながむらん雲のはたてを 本歌、ゆふぐれは雲のはたてに物ぞおもふ あまつそら...
View Article尾張廼家苞 羇旅歌6
尾張廼家苞 三 因縁次㐧で、毎度かはる主人を、 幾夜とひたづぬる事ぞと也。 羇中夕 鴨長明 枕とていづれの草に契るらむ行を限の野邊の夕ぐれ 三ノ句、ちぎらましとこそいふべけれ。(其意にはあらず.にもじに心つくべし. 草葉にちぎるとは、御縁が有て、今 宵の枕にする事など、つぶ/\ とかたらふほどの趣なり。...
View Article歌論 無名抄 隔海恋事
隔海路論 或所にて哥合し侍し時海路をへだつる恋といふ 題に(哥はわすれたり)つくしなる人のこひしきよしをよめ りしにかたへはこれを難ず。さらなり。つくしは 海をへだてたればおもひつゞくるにはあることなれど かちよりゆく人のためにはもじのせきまでおほく の山野をすぎてたゞいさゝか海をわたるべけ れば題のほいもなくすこぶる荒涼なる方もあり。 たとへばみちの国なる人をこふるよしをよみては...
View Article尾張廼家苞 羇旅歌7
尾張廼家苞 三 雲も別るゝを見て思へるやう、あの雲と契りはせざ りしかど、一夜は此浦に契とともにあかしぬることよと也。 (雲に契るといふ事すこしいかゞ。契らねどとは、かねて期したる事には あらねどゝいふ事。三四五一二と次㐧してみるべし。一首の意は、清 見泻、暁の雲の波にわかるゝ時分に起出て、かねてこゝに 旅ねすべしとは思はざりしに、一夜すぐしぬる事と也。)但し一夜...
View Article尾張廼家苞 羇旅歌8
尾張廼家苞 三 かり侍けるにかし侍ざりければ 西行 世中をいとふまでこそかたからめかりのやどりをゝしむ君かな 四の句は、旅の宿に、此世をかりのやどりといふを兼たり。 (一首の意は、われらのやうに世中をいとふ事こそかたくはあらめ。 たゞこよひ一夜のかりのやどりなるに、それさへをしみ給ふと也。) かへし 遊女妙 世をいとふ人としきけばかりの宿に心とむなとおもふ計ぞ...
View Article美濃の家づと 一の巻 夏歌1
夏哥 更衣 慈圓大僧正 散はてゝ花のかげなき木ノ本にたつことやすきなつ衣かな めでたし。本哥の√けふのみと春を思はぬときにだにもたつ ことやすき花の陰かは、三の句、木ノ本はといふべきを、にといへるは、 夏衣をたつ方をむねとせればなり。はといひては、衣のかた にうとし。四の句は、本哥の意とむかへて、今はたつことやすき...
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