絵入り平家物語 巻第一 二、殿上のやみうちの事 蔵書
平家物語巻第一 二 殿上のやみうちの事 しかるにただもりいまだびぜんの守たりし時、鳥羽院の 御願とく長壽院をざうしんして、卅三間の御だうを たて、一千一躰の御仏をすへ奉らる。くやうは天承元年 三月十三日なり。けんじやうには、けつ国を給べきよし、 仰下されける。折ふし但馬の国のあきたりけるをぞ 下されける。上皇猶御かんのあまりに、内のせうでんを ゆるさる。忠盛三十六にて、始めてせうでんす。雲の上人...
View Article絵入り平家物語 巻第一 三、鱸の事 蔵書
平家物語巻第一 三 すゞきの事 其子共はみな、諸衛のすけになる。せうでんせしに、殿上の まじはりを人きらふにおよばず。ある時ただもり、びぜんの 國よりのぼられたりけるに、鳥羽の院、あかしのうらは いかにと仰せければ、忠盛かしこまつて、 有明の月もあかしの浦風に波ばかりこそよるとみえしか と申されたりければ、院大きに御かん有て、やがて此哥を ばきんゑうしふにぞ入られける。忠盛また仙洞に、さいあひの...
View Article絵入り平家物語 巻第一 三 付かぶろの事 蔵書
平家物語巻第一 付 かぶろの事 かくて清盛公、仁安三年、十一月十一日年、五十一にて病 におかされ、存命の為にとて、則出家入道す。法名をば、 浄海とこそ付給へ。其故にや、宿病たち所にいへて、天命 をまつたうす出家の後も、ゑいうは猶つきずとぞ見へ し。自人のしたがひ付奉る事は、吹風の草木をなびかす ごとく、世のあをげる事も、ふる雨の国土をうるほすに同じ。...
View Article絵入り平家物語 巻第一 四、我身の栄花の事 蔵書
平家物語巻第一 四 我身の栄花の事 我身のゑいぐわをきはむるのみならず、一門共に繁昌し て、ちやくししげもり、内大臣の左大将、次男むねもり、中納 言の右大将、三なん知盛三位の中将、ちやくそんこれ盛、四位 の少将、すべて一門の公卿十六人、殿上人三十よ人、諸国のじゆ りやう、ゑふ、しよし、つがふ六十よ人也。世には又人なくぞ見え られける。昔ならの御門の御時、神亀五年、朝家に中衛の...
View Article絵入り平家物語 巻第一 五、妓王が事1 蔵書
平家物語巻第一 五 祇王が事 太政大臣の入道は、かやうに天下を、たな心のうちに握給ひし うへは、世のそしりをもはゞからず、人の嘲をもかへりみず、 ふしぎの事をのみし給へり。たとへば、其比、京中に聞た る、白拍子の上手、ぎわうぎ女とておとゝひ有。とぢと云 白拍子が娘也。しかるにあねのぎわうを、入道相国てうあひ し給ひしうへ、いもとのぎ女をも、世の人もてなす事なのめ...
View Article百人一首改観抄1 かささぎの渡せる橋
百人一首改観抄 契沖 中納言家持 續日本紀云延暦四年八月癸亥朔庚寅中納言 従三位大伴宿祢家持死祖父大納言従二位 安麻呂父大納言従二位旅人家持天平十七年 授従五位下補宮内少輔歴任内外寳亀初至従 四位下左中辨兼式部員外大輔十一年拜参議 歴左右大辨尋授従三位坐氷上川継反事免移 京外有詔宥罪復参議春宮大夫以本官出為陸 奥按察使居無幾拜中納言春宮大夫如故死後...
View Article百人一首改観抄2 かささぎの渡せる橋
百人一首改観抄 契注 鵲のわたせる橋にをく霜のしろきをみれば夜そふけにける 新古今集題しらずとあり歌集には夜は更 にけりと有夜そふけにけりとは夜半過る ころをいふ暁かたの心とおもふべからすなへての 霜はあか月にをくものなれともかさゝきの橋は そらにあれは夜半に先霜のみゆるこゝろなり霜 は橋をけるがことによくみゆれは景行紀の哥に も朝霜の御木の竿橋とよみ温庭筠か詩に...
View Article新古今和歌集 正徳版 蔵書
新古今和歌集 全四冊 上之一 仮名序 巻第一 春哥上~巻第五 秋哥下 付箋多数 上之二 巻第六 冬哥~巻第十 羇旅哥 下之一 巻第十一 恋哥一~巻第十五 恋哥五 下之二 真名序 巻第十六 雑哥上~巻第二十 釈教哥 正徳三癸巳歳六月吉辰 二條通御幸町西江入町 柏屋四郎兵衞梓行 正徳三年(1713年) 『新古今和歌集』版本の基礎的研究...
View Article古今和歌六帖 かささぎの渡せる橋
古今和歌六帖第一 七日の夜 つらゆき 151 あまの河みだえもせなん鵲の橋もわたさでただわたりせん 夏の月 つらゆき 288 鵲の嶺とびこえてなきゆけば夏の夜わたる月ぞかくるる 古今和歌六帖第三 はし 伊勢 1612 なか空にきみもなりなんかささぎのゆきあひのはしにあからめなせそ...
View Article絵入り平家物語 巻第一 五、妓王が事2 蔵書
平家物語巻第一 五 祇王が事 事の口をしさよ。いかにせんと思ふを、人にしらせじと、おさ ふる袖のひまよりも、あまりて涙ぞこぼれける。佛御 前是をみて、あまりに哀に覚えければ、入道殿に申ける は、あれはいかに、ぎわうとこそ見参らせ候らへ。日比めされ ぬ所にてもさふらはゞこそ。是へめされさふらへかし。さら ずはわらはにいとまをたべ。出参らせんと申けれ共、入道...
View Article家集 かささぎの渡せる橋
秋篠月清(九条良經) 院二度百首 千五百番 夏十五首 826 かささぎのくものかけはしほどやなきなつのよわたるやまのはの月伊勢集423こころのみくもゐのほどにかよひつつこひこそまされかささぎのはし敦忠集 やむごとなき人に6くもゐにて雲井にみゆるかささぎのはしをわたるとゆめにみるかな貫之集第五 恋613天川水たえせなん鵲の橋をししらずただわたりなん 好忠集 十月はて 308...
View Article新古今私説 蔵書
新古今私説著者:山崎敏男初版:昭和51年10月10日発行:桜風社一 『新古今集』における三つの問題点の提言二 『新古今集』の歌に見られる否定表現三 『新古今和歌集聞書』について四 『新古今集』における和歌の配列について ー春上巻を中心としてー五 『新古今集』の歌について ー解釈上の問題点についてー六 良経・家隆の歌七 「ほの/"\と春こそ空にきにけらし」の歌について...
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